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テスト  作者: ワニ
エリア5外伝『エピソード・リヴァ』
37/42

『ただあなたに会いたくて』

これは、アルマとルビー、そしてノアの3人がエリア5で繰り広げていた物語の裏で起きていたもう一つの物語。


二人で散歩をしていた矢先、突如空間が切り裂かれ、そして発生したポータルがディノスとリヴァを無理矢理吸い込む。その圧倒的な魔力の前には敵わずその2人は吸い込まれ…


「リヴァ、お前だけでも…!」


ディノスが咄嗟にリヴァを蹴り飛ばし、なんとかリヴァはその魔の手から逃れられた。しかし…


「ディノス!」


ディノスは別だ。もとより、この魔の手の狙いはディノスが最優先であった。絶対にディノスを離さまいと暗黒の力はディノスを握り潰すかの勢いで暗黒の世界に引き摺り込んでしまった。次元の狭間はすぐに消えて無くなり、そこに残ったのは草木とリヴァの空虚な心だけであった。


————————————————————-


「あの街だけ異常なの」


大自然の『みく林』、寂れた街の『グレイ・シティ』、広大な海が広がる『未来の海』、結晶が舞う砂漠『オリ砂漠』。それらの危険地帯と比べても、彼女の目には明らかにあの街が異質に見えた。


「…私も、そろそろ動くべきなの」


金のバラの髪飾りをした青髪のツインテールの少女の名前はリヴァ。高台から彼女は降り、まず自分がやるべきことを整理する。


道中で会った布を被ったお化けみたいな姿をした『ラーク』と名乗る人物は、この世界についてすこぶる詳しかった。前述のエリアに関しては幹部格まで把握しているようだった。しかし……


————あの街に関する情報は、ほとんど持ち合わせていなかった。せいぜい、幹部格の従者の一人の名前が「ハクジャ」であり、無限に再生する能力を持っているということと…あの街の名が『死の街』であることくらいだろうか。それは、


「『死の街』の、情報管理の徹底ぶりが尋常じゃないことを意味するなの」


他のエリアの情報をほとんど持ち合わせているラークでさえまだ未知数、それが『死の街』であった。それは、死の街の支配者が戦場における「情報」の大切さをよく理解していることでもあり……


———そこまで考えてかつ実行に移せている幹部が、脅威にならないか。答えはもちろんノーである。よって…


「私は『死の街』をなんとかするなの…!」


リヴァは、死地へと突入する覚悟を露わにする。おそらく…自分だけでなくディノスやアルマたちもこの世界に呼び寄せられたに違いない。彼らの負担を少しでも減らすために自分は動かなければならない。


「敵襲…」


リヴァは『みく林』を抜けて、『未来の海』へと移動。リヴァは水面を氷へと変えながら未来の海を突っ走る。もちろん、それをモノ・セラノイドたちが見過ごすわけもないのだが…


「邪魔なの!クソガキ、殺してやるなの」


リヴァは微小な氷を生み出す。


———-モノ・セラノイドたちの回路の中にだ。


不純物を重要な回路の中に入れられたモノ・セラノイドたちはパンクし、動くことすらできなくなり海へと着水する。


さて、そんなことよりもこれはラークから聞いた話なのだが…


「『クリフサイド』と名乗る組織ができたとは聞いたけど…これ大丈夫なの??不吉すぎるなの」


まあ名前こそ中々に不吉ではあるが、それは良い。重要なのはその組織がガンダーラ軍へと反抗するレジスタンス組織であることだ。さて、それならリヴァも目的は同じであり、なぜ彼女はクリフサイドと合流しなかったのかというと…


「もしかしたらこの状況、クリフサイド側に裏切り者がいてもおかしくないなの」


ほとんど全員初対面であり、彼らの身分を証明する手段などない。それなら、裏切り者がクリフサイドに潜伏していてもおかしくないのだ。一網打尽にされるリスクも考えて、リヴァは単独行動を選んだ。そして…


「あとまあ、見ず知らずの人たちと行動を共にするってのも中々疲れるなの」


ディノスやアルマにゼルティアたち…そして異世界騒動のとき知り合ったマニックやアリス、ルビーなどならいいが、それ以外と行動を共にしろってのも中々面倒なものだ。アルマと違いコミュニケーション能力は低い方と自負しているし、そんな状況下で自分の最大限のパフォーマンスを発揮できるか怪しいもの。そしてなにより………



単独行動ならば、たとえしくじっても死ぬのは自分だけで済む。


リヴァは海を凍らせながら渡り、地獄の『死の街』へと向かう。そして…アルマやノア、ルビーたちを表の主人公とするなら、彼女は裏の主人公。かつて"大罪"だった者は、汚いことが蔓延する戦場にて真価を発揮するのだ。


『エピソード・リヴァ』 開幕。


自分の恩人かつ想い人を見つけ、そして助けるための物語が始まったのであった。


——————————————————————

「フム、この程度か」


「……」


「本当は生かした方がいいんだけどね。残念ながら、脅威になりそうなのは殺せとボスの命令だ」


雑魚敵として現れてもおかしくのない見た目をしているこのスライムは、死の街の支配者に仕える【四ノ厄災】の一人、『粘液』ガルゼドール。目の前の……確か、宇宙一の技術力を誇る最高性能のゴーレム、世界一のパラディン、陸軍元帥の三人はとりあえず溶かさせてもらった。


「ボクも戦闘以外にも何か役割が欲しいところだね…」


ハクジャは生捕り、バーディアは補佐、クラゴアは技術とそれぞれ戦闘以外にも担当してることがあるのに対しガルゼドールの担当は戦闘のみ。劣等感も多少あるところだが…まあ、自分に与えられた役割を遂行するとしよう。


ガルゼドールはその粘液でできた体を高速にうねらさせ、死の街を移動する。まあ、ボスが喜んでるならなんでもよいか。

ガルゼドールは大地の割れ目に入り、自らの持ち場へと戻っていった。

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