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テスト  作者: ワニ
エリア5『死の街』
34/42

『五人の守護者たち』

現在このエリア5、『死の街』の中央部、"龍の巣"では魔龍と三人の勇者たちとの激戦が繰り広げられている。しかし、激戦が行われているのはそこだけではない。


「電流の音ッ!」

「こんなのはどうかしらね」


「グギ…!」

「ハイジョ、ハイジョ、ハイジョ!」


ギターから放たれる電撃と指先から放たれるビームが侵晶衛星やモノ・セラノイドたちを襲う。しかし反撃としてオルタナリースが突っ込んできたため彼ら…ディノスとシエルは一旦後方へと退く。もちろん、ディノスとシエルだけではない。そこにはアリスやアイリスなど洗脳、捕虜組も勢揃いである。


———彼らは洗脳され主戦力として扱われていたか…もしくは、捕虜として囚われていたはずだ。一体なぜここにいる…?


「…アルベロ、どういうこと」


そう問いかけるのは翼の生えたトカゲの頭を持つムカデのような生物、ゾレイク。彼女は同じ特級戦闘員…まあ、同じとはいっても"特級戦闘員隊長"のアルベロにどういうことか尋ねる。


アルベロは炎の翼を広げ思案し、そしてこうゾレイクに返事する。


「おそらくであるが…そこの青髪の女の仕業だな」


「それもしかしてこの美少女すぎる私のことを言ってるなの?私はリヴァ、覚えておけなの!」


「黙れクソガキがぁ…!」


冷気を纏いながらそうアルベロをおちょくる彼女の名はリヴァ。やはり元は"嫉妬の大罪"と言うべきか、あからさまな挑発はせず絶妙に相手を苛立たせるコツを理解しているのだろう。


しかし少しずつ性格がディオラムスに似てきてるような気もする…まあそれは、置いておこう。アルベロは中々に苛立ちながらリヴァを睨みつける。


そして、アルベロの推測は正しい。グレイドの強襲を受け大ダメージを喰らったリヴァだが、予定よりもかなり早く戦線に復帰することができた。しかしあえてアルマたちとは合流せず別行動を取り、彼女が何をしたかというと…洗脳軍団を正気に戻し、そして捕虜の解放をしたのだ。


まともに三人同時に戦えば流石にリヴァ一人だと怪しかったので奇襲はさせてもらったが、まあ"勝てば良かろう"…である。そしてその後捕虜として囚われていたアイリスも解き放った。


そして今、彼女たちは何をしているかというと…グレイドの救援へと向かう特級戦闘員三人と、大量の雑兵たちを相手しているのだった。


「ムコウヘイケ、ウサギ!」


「お断りです、陛下の邪魔をしにいくなら許しませんよっ!」


強行突破を狙おうとしたジェルテオだったが、それはアリスの振るった斧によって阻まれる。しかし、それくらいで諦めるようなら特級戦闘員失格である。ジェルテオはひとまずアリスの排除を試みるが…


「リヴァさんを見習って氷の剣を作ってみたわ、どう!?」


「クッ…!」


ジェルテオは腕とほぼ同化している四本の鎌のうち一本をアイリスによって氷の剣で斬られてしまい、これ以上追撃を喰らうのはまずいと判断して後方へと下がる。


強者たちの技をコピーする、ということができる人物がこの街に二人もいるというのはどういう偶然なのだろうか。


さて、本来エリア2にしかいないはずのガードたちを凍らせながら、アイリスが作り出した氷の剣をリヴァがこう評価する。


「うーん、75点。氷の硬度があまりよくないからそこで減点なの。でもこれを即興で作り出せるのはかなり凄いなの、鍛えればもっと伸びるなの!」


「やったー!」


「グギ…」

「フザケ…」

「アァ!!」


少女たちはそう和やかな会話をしながら一体、また一体と敵を殲滅していく。これには男も黙っていられない。


「アリス、オレたちも行くぞ!」


「えぇ!リヴァさんはともかく、ニンゲンに負けてるのは癪です!」


ディノスとアリスも負けじと敵陣へと飛び出す。大量の雑兵たちにカミナリが降り注ぎ、丸焦げになりつつも向かってくる根性のある者は斧によって真っ二つにされていく。


だが、彼らもやられてばかりではない。


「…邪魔、どいて!」

「燃え尽きろ!」


ゾレイクとアルベロがそれぞれ放った悪夢の吐息と火炎の吐息は、片方はディノスとアリスへ、片方はリヴァへと向かって降り注ぐ。


しかし…


「お二人さん、少しだけ失礼するわね」


赤く光り輝く槍を持ったシエルがディノスとアリスの前に颯爽と現れ、迫ってくるブレスを槍で跳ね返してしまった。そのブレスは雑兵たちに直撃し、彼らは弾け飛ぶ。


「変身なのー!」


一方、迫りゆく火炎のブレスの方は竜化したリヴァの放つ氷結のブレスにより、どんどん弱まっていく。リヴァはこう見えて四ノ厄災級の力を宿しているのだ。たとえ相性不利でも、それだけで負けるほどリヴァはヤワじゃない。だが、連携されるとなると話は別だ。


「アシノイッポンくらいハステテもらうぞ!」


「ぐっ…」


リヴァの足元へと忍び寄ってきていたジェルテオの攻撃までは対処できず、リヴァは足を斬られて出血してしまう。踏み潰そうとするも、ジェルテオはすぐさま後方へと下がってしまったため不発に終わった。


「さっきからニンゲンに負けてばっか…屈辱すぎます…!」


先程から人間にいいとこばかり取られているアリスは、拳を握りしめ大変ご立腹のようだ。そんなアリスを横目に、ディノスはある作戦を考える。


「アリス、オレにいい考えがある。協力してくれないか」


もちろんアリスにこの提案を断る理由などなく、喜んで頷いて協力する。


「ヤバンジンども、キエウセロ!」


先ほどから遊撃隊として鎌を振い暗躍するジェルテオ、まずは彼の処理を優先する。


「そら、雷鳴の音!もういっちょ!」


「ハン、アタラヌゾ!」


ディノスは次々とジェルテオへ向かってカミナリを放ち、ジェルテオはそれを避けていく。さて、そろそろ反撃の時間だ。


「ギターごとコマギレニ…」


「させませんよ」


「ナ!?」


突如可愛いらしくもジェルテオにとって死神に値する声が後方から聞こえ、ジェルテオは驚いて振り返る。しかし、もう遅い。


「えい!」


気づいたころにはすでに、ジェルテオの足はアリスによって斬られていたのだから。ジェルテオは片方の足を斬られたことにより一気に体勢を崩す。


「とどめだ、雷鳴の音!」


そして、ディノスはとどめとなる雷撃をジェルテオに浴びせる。ジェルテオは足を切られ、もはや思うように動くことは不可能。ジェルテオはカミナリの中に消えていくのであった。


「ジェルテオ!?この…!」


ゾレイクはジェルテオが殺られたことに驚き、すぐさま怒りの形相へと変わる。そしてその怒りの矛先を、ひとまずリヴァとアイリスへと向ける。


ゾレイクは悪夢の力を纏いながら彼女たちへと向かって突進する。しかし、怒りというのは冷静さを失わせる。


「あら、ごめんなさい。手が滑ってしまったわ」


「しまった!?」


アルベロと対峙していたシエルは放たれた火炎の吐息をゾレイクへと跳ね返す。アルベロがすぐにその火炎の吐息を止めようと全速力で羽ばたくがもう間に合わない。


「熱い…!!」


ゾレイクは火炎の吐息をもろに喰らってしまい、その火力に悶える。だがすぐさま炎をかき消し、体勢を立て直す。しかし悲しいことに戦場ではその隙こそが命取りとなる。


「仲間思いでいいヤツなの。それだけに、こうして命を取り合う関係なのが残念でならないなの…!」


リヴァはそれだけ言い残し、ゾレイクへと噛みついた。そして氷漬けにして粉々に砕いてしまった。


「ゾレイク…!クソがぁ!!」


これで残った特級戦闘員はアルベロだけとなる。まるで鳳凰かのように思えるその姿は明確に自分たちに対して敵意を示し、大量の雑兵を引き連れ襲いかかる。


『死の街』全土が、大波乱の戦場と化す。

三人の勇者たちを護る五人の守護者たちは、襲いかかる彼らに怯えることなく立ち向かうのだった。


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