『黄金の激闘』
「アルマ…」
「ルビーさん…」
アルマとルビーは、この場で唯一自分と同じまともな人間を見て、平常心をなんとか維持する。なんてったって…
「ディープシー〜!メタル・シー…ガイビはmust see!!ナナナナ〜♪ナナナナ〜♪」
頼れる軍師が、狂人になってしまったのだから。アルマとルビーはハクジャ戦などで頼りになったノアの変わり果てた姿を見て呆然とし、硬直してしまう。
「なんだよその顔は何か文句でもあるずみか!??Listen everyone. Ihave a suggestion…下級民族!」
「か、下級民族…!?」
「落ち着くっすルビーさん!今のノアさんはノアさんであってノアさんじゃないっす!」
「そ、そうね…ニンゲン、気をしっかり保って!!」
一瞬激昂しかけたルビーであったが、アルマの説得と目の前のニンゲンの悲惨さを見てなんとか落ち着き、そしてすぐにここまで変わり果ててしまった人間に対しての同情へと変わる。
「ゲギャギャ!これは愉快なことになってきたずみね!」
「Take this(歯を食いしばれ)!」
二対の狂気の黄金は互角の戦闘を繰り広げる。もちろん、アルマとルビーは呆然として動くこともできない。金が擦る音が辺りに響き渡る。
「idiot!!」
「でも金ピカのノアさん、かなり強いっすね…」
「そうね…ここまで圧倒するとは」
言動や姿こそ狂気的であるが、ゴールデンノアの強さは異常。ボコボコにされてはいたが、ゴールデンテツバットはまだまだ余力を残していて…雑兵などとは比べ物にならないほどの強さであった。それをゴールデンノアは単騎で圧倒している…否、そのはずだった。
「『うまい棒』の在処を教えるずみ!!」
「ゲギャギャ!うまい棒一本の定価はせいぜい20円ほど。買いたきゃそこらへんのスーパーに寄るずみ!」
「ほんぎゃえーい!!」
狂戦士となったノアはゴールデンテツバットの金翼による打撃を受け、地面に叩き落とされる。
「激オコプンプン丸、うごごごご!!許すまじ!(反撃)」
「…少しずつ、ノアさんが押されてきてないっすか?」
「そうね…元が真面目なあのニンゲンだから、力が減っていくのも早いのかしら…これは手を貸すべきね」
もちろん、ノアよりもテツバットの方がテツマリンはよく体に馴染む。実際、テツマリンを使ってもテツバットは何一つ狂わなかったのが答えである。まあ元々狂ってるから少々狂ったとしてもわからないのだが。
さて、ルビーとアルマは劣勢になってきたノアに加勢しようとゴールデンテツバットに対して距離を詰めるも…
「喋る動物、全てを防ぐ盾、魔法、寒すぎるギャグ…全て非現実的。だいばくはつずみーーー!!」
「きゃ!?」
「ぬお…!?」
ゴールデンテツバットはそう言い放つと大きな爆発が起こり、ゴールデンノアを含めて一同は吹き飛ばされた。
だが、至近距離で爆発を喰らったはずのノアはすぐに立ち上がり、ゴールデンテツバットへとゆっくりと歩いていく。
「止まない雨はない」
「ノアさん、もう正気に戻るっす!!」
「ゲギャギャw」
これ以上醜態を晒すのはもうやめてくれと頼むアルマと、嘲笑うゴールデンテツバット。
ところで、ノアは普段護身用として銃を持ち歩いている。まあ、怪異に対して使うのは力不足すぎるし、それはこの闇の世界でも同様。量産機兵に擦り傷をつけるくらいしかできないだろう。
だが、ゴールデンテツバットの能力は『非現実特効』。この能力はより現実的であれば現実的であるほど威力が強くなり、それは味方も同様。つまりこれが何を意味するかというと…
「でもお前に明日はない」
「ゲギャ!?」
ノアは懐から銃を取り出し、それで3発ほどゴールデンテツバットを撃った。ゴールデンテツバットに三発の銃弾が命中し、その金のバーサーカーは命を落とした。
そしてゴールデンテツバットが命を落としたことを確認したノアは、すぐさまその場にうずくまる。
「うぅ…」
「正気に戻ったすか!?」
「大丈夫かしらニンゲン!?」
アルマとルビーはすぐさまノアに近寄り、そして心配をする。そんな彼らに、ノアは…
「しばらく…一人にしてくれないか」
…
「…しばらく休むっす?」
「ニンゲン、大丈夫よ…ニンゲンはよくやったわ…」
これにて、ゴールデンテツバット攻略戦終結である。




