『狂気の黄金』
「ごめん、ダメだったわ…!」
「仕方ないさ、それよりも今はあいつをどうするかだ」
「まさかこんなものを隠し持っていたとは思わなかったっす…」
黄金の姿へと変わったテツバットに三人は強く警戒する。相手は未知数…ここはまず相手の出方を探っておきたい。
「ギェ!!!!」
ゴールデンテツバットはその大きな口から溢れ出るテツマリンの力を吐き出し、それは高火力のレーザーとなって襲いかかる。
「ハクジャなんかよりも全然重いっすね…!」
アルマは歯を食いしばりながらなんとかそのレーザーを防ぐ。さて、テツバットに限らずテツ族は基本『非現実特効』を持っている。これはより非現実な相手となるほど攻撃の威力が上がる…という特性である。
まあ、普通のテツバットは貧弱なのでこの特性があっても全く強くないのだが…これがゴールデンともなると話は変わる。このテツマリンの力を解き放ったゴールデンテツバットともなると話が変わり、基礎攻撃力が大幅に増加するのでこの『非現実特効』もより火を吹くというわけだ。
「その特性自体がそもそも非現実的なのでは…」
「ヒーーーーーー!!!」
アルマの突っ込みによりゴールデンテツバットは自爆しいくらかダメージを受けてしまった。だがまあ、大したダメージではないようでゴールデンテツバットはすぐに体勢を整える。だが、こちら側も黙ったままでいるわけにもいかない。
「背後がガラ空きだ…!」
「ゲギャァ!?」
ノアがゴールデンテツバットの背後に回り込み、そして光の剣による斬撃を喰らわせるが…
「ゲギャギャw」
「くっ…ほとんど効いてないか!」
ゴールデンテツバットには擦り傷が少しついただけで、大したダメージにはなっていないようだ。それがわかるや否やゴールデンテツバットはノアを嘲笑う。
ゴールデンテツバットはお返しにその自慢の金翼を硬質化させ、ノアへと飛びかかり反撃しようとするも…
「その翼、お土産に我が国へと持ち帰りたいものね」
「グゲギャァ!」
ルビーが大量の光球を自分にぶつけようとしているのに気づき、ゴールデンテツバットはひとまず回避へと専念する。その俊敏な動きは回避は至難の業とも言える大量の光球を全て避けきり、そして反撃と…
「体当たりなんてどうっす!?」
「ヒーーーー!?」
ゴールデンテツバットは突如真横から突っ込んできたアルマを避けることができず、アルマの体当たりをモロに喰らってしまった。体当たりは流石に『非現実特効』の範囲外である。大きくゴールデンテツバットは吹き飛ばされ、そしてその隙に大量の光がゴールデンテツバットへと襲いかかる。さらに…
「一気に決めるっすよ!」
「これほどの黄金ともなると、売れば公園の一つは建設できそうね」
アルマとルビーが追撃を仕掛け、その光の薙刀と鈍重な盾はゴールデンテツバットに手痛いダメージを与える。ゴールデンテツバットはさらに吹っ飛ぶが、彼もまたやられてばかりではいない。反撃に全方位の光反射攻撃を仕掛けようとするものの…
「させないよ!!」
「ゲギャァ!?」
ノアが一気にゴールデンテツバットとの距離を詰め、強烈な蹴りを喰らわせた。ゴールデンテツバットは顔を顰め、三人を睨む。そして…
「本気を出す時が来たようずみ。テツマリン、我に力を…!」
「え、喋れたんっすか」
「あらまあ」
まさかのゴールデンテツバットが喋りだし、驚愕するノアとルビー。そしてそれが悲劇を生む。二つ目のテツマリンを翳したゴールデンテツバットはさらに己を強くしようと…
「ゲギャ!?」
「黙ってそれを見てるわけないだろ」
ノアがゴールデンテツバットの死角からまたもや強烈な蹴りを喰らわせ、そしてテツマリンを強奪する。
———-だが、もうテツマリンは起動済み。
「うお!?な、なんだ!?」
「ノアさん!?」
「ニンゲン!?」
テツマリンから放たれる虹色の光がノアを覆い、テツマリンは自分を手にした勇者を歓迎し力を授ける。そして、光の産声が発生しなから光に包まれたノアの姿が徐々に露わになっていく…
「うごごゴールデーーーーン!!!!」
光の中から現れたのは、姿も何もかもが変わり果てたノアだった。




