エピローグ
ミカイルとユハンが暮らす、その寮の一室。
ミカイルは書いていた。
机に向かって、一語一語。祈るように、真剣な表情を浮かべながら。
でも、だからこそ気づかなかったのだろう。その後ろから、こっそりと手元を覗こうとする、ユハンの姿があることに。
「ミカ、何書いてるんだ?」
「うわっ、ユハ!? び…っくりした……」
「そんなに驚くなんて、いったい何して……ってこれ、僕があげた日記帳だ」
「ちょっと……! 見たらダメ!」
「ええ……!? わ、分かったから押すなって……! まったく……そんなに見られたくないものって何なんだよ」
「……これは……願掛けみたいなものだよ。文字にして書いておいたら願うかなって」
「願う? 何か願い事でも書いてあるのか?」
「まあ……そんなところ」
「へえ。ミカだったら何でもすぐに叶えられそうなのにな」
「相手は中々の強敵だからね。でも、絶対に叶えるよ。……ううん、叶えさせる」
「……?……よく、分からないけど…、とりあえず僕は応援してるよ」
「ありがとう。ユハも協力してね」
「僕も? ……それなら隠してないで、中見せてくれよ。内容が分からないと僕だって何もできないだろ」
「それはダメ」
「はあ……? なんだよそれ……って、おいっ!? 急にっ…ど、どこ触って……!」
「ふふ……大好き。愛してるよ、ユハ。これからもずっとずっと、僕と一緒にいようね」
「~っ! ……もう、わかったって! 今日何回も聞い……っちょっ…、なに……! ッん、ぅ……!」
ミカイルがユハンへ顔を寄せている傍ら、窓から入った風が日記帳をパラパラと捲っている。
大事に大事に仕舞っておいたのか、ほとんどが真っ白のページ。
しかし、一枚だけ、自由に記述できる最後のページに、何かが綺麗な文字で書き込まれていた。
恐らく、今ミカイルが書き込んでいたのは最後の一文なのだろう。
そこには────
彼が、他の誰とも仲良くなりませんように
彼に、好きでいてもらえますように
ずっと、彼と一緒にいられますように
僕だけを、見てもらえますように
彼に、嫌われませんように
僕を、愛してくれますように
【執着系幼馴染みが、大好きな彼を手に入れるために叶えたい6つの願い事。完】
最後までお読みいただきありがとうございました。
本編は以上で完結となります。
拙い点は多々あったかと思いますが、ブクマや☆評価をしていただき、とても嬉しかったです。本当にありがとうごさいました!




