ケース01:デチュワちゃんが毒になっちゃった その5
「… だって、次の依頼はランクCだし、殺したいって言ってる『悪いキャラ』ってー」
「マジコロさん?」
「先生?!」
目が覚めると、リボンくんとデチュワちゃんのワクワクした様子とその周りの白いものしか見えなかった。ここはどこだっけ…?
「すみません」
リボンくんとデチュワちゃんは後ろをちらっと見て道を開けた。ウサキュアくんは猫のように四つん這いで近づきながら、じっと私を見ていた。
デチュワちゃんとウサキュアくんが元気そうでよかった。
「ウサキュアくん、デチュワちゃん、その毒―」
「治してくれてありがとう!」
本当に… 治した?私が?
そう言えば、私がデチュワちゃんにキュアベリーをあげたし、今… 緑のシートのベッド… マジコロ病院のベッドに寝てるの?!
でも、火傷の痛みもう感じないので…
「え?私のあげたキュアベリーでー」
「うん、マジコロ先生のキュアベリーで毒を治した後に他のキュアベリーを見つけて… あの、名前は何?」
ウサキュアくんはちょっと怒っている顔をした。
「ウサキュアだと申します」
「うん、ウサキュア先生の毒を治した」
「すごいじゃん!ね、先生?」
本当に良かった、デチュワちゃんをやっと治せた。私以外、気絶することなく完全回復した。
「うん、すごい」
ちょっと待って、私はデチュワちゃんに復活させてもらった?それともウサキュアくんに?リバイバルジェムは一つしかなかったはずなのに。
「先生、どうしたの?」
「おそらく気絶したことを心配しているのでしょう?」
「リバイバルジェムは、どこから手に入れたの?誰が復活させてくれたの?」
デチュワちゃんは自分を指さした。
「私なの!ウサ、あの…」
「ウサキュアと申します」
「ウサキュア先生も手伝ってくれて、10分間くらい探してたかも」
「えええー!こんな小さな部屋の10分間はすっごく長いじゃん。ねえ、探している間、患者が殺到する音って聞こえた?まるで流行のアイテムの発売日のように感じたんだけどー」
患者が殺到して… 流行のアイテム…
流行…
流行。
「私から離れて」
「先生―」
「離れて!」
デチュワちゃんがベッドから飛び降りて、リボンくんも飛んでいった。ウサキュアくんはびっくりして動かなったけど、恐怖のあまり私のくちばしから水が零れたのを見ると、目を大きく見開いてようやくベッドから飛び降りた。
カウンターにあるロビーに足を踏み入れると、すっごく混んでいた!パンデミックかと思って心配していると、患者は色々な病名を叫んでいた。
「ストーリー風邪、ひーは… ハクション!」
「メタボリック変身になっちゃってうまく動けねえぞ!」
「トッポッキさまのそばにいないと死ぬ!」
説明しよう!
ストーリー風邪とは… すでに知っているかもしれないけど、簡単には治せない風邪ってことだよ。後で説明するよ。
メタボリック変身とは、短時間太ってしまう病気だ。厳しい運動をしたりお腹に重いものを落としたりすると、簡単に治せる。他の代謝に関する病気に比べて、治療は難しくない。
トッポッキくんに関する病気は聞いたことないけど… トッポッキくんが「そんなの本当の病気じゃねえーぜ!」と言ったとしても、心の病気の一種か何かだと思うんだよな…
とにかくこれはパンデミックじゃなかったけど(いいことだね!)、あるアニメのレストランにアンチョビが押し寄せてくるシーンのように混乱していた。
「先生、あのー」
「おい!」
怒り狂うトッポッキくんが私たちの方に向かってきた。しっぽはまっすくに伸びて、口と鼻の穴から炎が溢れ出ていた。
「トッポッキくんー」
「またファンの仮病を治さないといけないなら、何か燃やしてしまうぞ!」
「仮病?」
誰かが倒されちゃった音がした。気絶したの?またはー
「起きて!絶対に治すよ!トッポッキくん、ウサキュアくん、リバイバルジェム持って来なきゃ!」
でも、スタッフの声は聞こえず、代わりにリボンくんの声が聞こえた。
「デチュワちゃん、他のダンジョンに行ってリバイバルジェムを持ってくる依頼を受けてみる?」
「見つ目の依頼?先生、まだお金はあるの?」
「リバイバルジェム持ってきて!お願い!」
この日は、簡単に治せるはずの毒の治療にかなり手間取った。でも、チームワークで上手くできたよ!
ただ、この日に覚えた教訓は、病院には患者が多すぎるから、患者の状態を悪化させないためにも予約が重要だという事だった。受付系を雇わなきゃいけないけど、どうすればいいんだ?誰を雇えばいいんだ?




