ケース01:デチュワちゃんが毒になっちゃった その4
「デチュワちゃん!えっと、マジコロ先生と戦うっていう依頼を受けたけど、本当に先生は優しいことに気付いてー」
「受けたけど?!言い訳するな!俺の友達をぶっ殺すってーゆーやつらは、チキンみたいに焼かなきゃな!」
トッポッキくんの鼻の穴から炎が出ることに気付いたとたん、私は本能的にウサキュアくんを背中から降ろし、ドアを前に向けて、両方のヒレで前方へと投げた。
「キュアベリーを手に入れて!」
それから、デチュワちゃんの近くに行って白衣で覆った。背中をトッポッキくんに向けたとたん、私は炎に包まれた。
ふゅー!
水タイプだから50しかダメージを受けなかったけど、お父さんのキングトッポッキのような凄い力を感じた。彼の怒りは炎の熱力に変えられ、攻撃力も高い気がした。力強いドラゴンの息子が、練習も何もしない怠け者、というわけでもない。
トッポッキくんはファイターだ。そして友達だ。
私の家族みたいなキャラだ。
… でも、凶悪な患者だとしても、誰かが殺していい訳じゃないと思う。トッポッキくんにも殺してほしくない。
「マジコロ!何やってるんだ?!」
私はデチュワちゃんを守りながら、トッポッキくんをじっと見ていた。
「殺させない」
頭からカチカチと音がした。炎の痛みは気にならなかった。
「え?こいつを?なんでこんなやつを信頼できるんだ?!」
私は火傷で10のダメージを受けた。
「私の患者なんだよ」
沈黙が流れていた。リボンくんの声が聞こえた。
「先生、毒の煙は使わないから、他の技使ってもいい?」
リボンくんは、毒の煙を使わずに私達を守ろうとしているのかな?そんな技を覚えているの?
「マジコロを攻撃するって?殺させねぇーぜ!」
私はリボンくんに向かって、笑顔を浮かべながら、
「うん、毒抜きで、翼で戦ってみようか」
と言った。リボンくんは「オーケー、やってみるよ!」と即答した後、トッポッキくんを睨んでいた。そして、ふゅーふゅーと音を立てて羽ばたき始めた。
トッポッキくんの口で、炎が溜まり始めた。
爆発寸前の爆弾のように私達は全力で研究室に駆けて行った。だんだんと速くなっていく翼の羽ばたく音がしてー
ふゅー!
「えええ、この新しい技で僕の代わりに焼かれちゃった」
「くっそ、レベル10みたいな見た目のくせに、馬鹿野郎!」
研究室に着くと、ウサキュアくんは私の机の左にある小さい引き出しを探していた。引き出しを閉めた後、彼は言った。
「マジコロさん、どのように整理したんですか」
「あ、アイウエオ順だった」
「製作者の名前でですか?」
「名前だね、名字が有名なキャラもいるから少し名前を調べてー」
「しかし、まだ名前で整理していたんですね」
「うん、名前で整理したんだよ」
ウサキュアくんはため息をついて何度か咳をした後、キュアベリーの製作者の頭文字が書かれた引き出しを開けた。
みんあは「この神が世界を作った」とよく言っているけど、「この神」の正体は本当によく分からない。ウサキュアくんはお星様が世界を創造したと信じているから、ウサキュアくんみたいなキャラに「いや、それは科学的じゃないと思うよ」というのは失礼だと分かるけど、進化論で考えると神様がキュアベリーを創るのは不可能だと思う。
だから、製作者は「自然」と「進化」なので、私はそれを「し」の引き出しに置いていた。
でも、自然と進化が作ったものはいっぱいあって…
「良かった!キュアベリーはあるよ… あれ?」
木の実とかハーブなんかがたくさん詰まっていて、キュアベリーが見えなかった…
必死にキュアベリーを探している最中に、20のダメージを受けた。頭がキンキンとしているときにやるように、両方のヒレをこめかみの上に当てた。
「マジコロさんー」
ウサキュアくんは咳をし始めた。調子がどんどん悪化しているみたい!助けなきゃと思っていたらまた20のダメージを受けて、気付いたらヒレが床を触っていた。
「まだ… まだ見つけなきゃ…」
ここで気絶するのか…?いや、しっかりしなきゃ!医者は患者の病気を治している間は気絶するべきじゃないよ!
でも、デチュワちゃんが最後のチップスの袋を持っていたとしても、私が取って食べるのは難しそうな… いや、そんなこと考えちゃダメだ!今… 今…
「先生!大丈夫なの?」
15のダメージを受けた。痛い…
「キュアベリー… キュアベリー…」
「新しい依頼をくれない?」
ちょっと待った、ギルドからの依頼を受けるキャラなら、依頼を作らなきゃじゃん。
証拠書類のため、胸ポケットからスマホを取り出して依頼を書いた。そして、デチュワちゃんに依頼を見せた。
「え、キュアベリーを二つ集めてって依頼なの?」
「三つだけどね、うん。クリアしたら2500コインを手に入るよ」
デチュワちゃんは引き出しを開けていろいろなアイテムを投げてきた。ノートと書類以外はかなり綺麗だった床は、今は散らばったもので埋め尽くされていた。散らばっているものが何のアイテムか説明したかったけど、今にも倒れそうで…
ゴホゴホ!
デチュワちゃんは咳をしていた。気絶する寸前なんだよ!私は引き出しを弱く引っ張り、中身を探し始めた。
「先生―」
デチュワちゃんの言葉をよそに探し続ける。どこ… どこ…
… 見つけた!
丸い水色の木の実を一つ見つけた。私とウサキュアくんの状態異常も治せるわけじゃないけど、気にしない。デチュワちゃんは… やっと…
私はキュアベリーを掴んで掲げて見せた。
「デチュワちゃん!見て… み… て…」
デチュワちゃんが私の言葉を聞いてこちらを向いたとたん、私はなんだかとても眠くなってきた。
「先生?先生!」
目の前が真っ黒になった。




