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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

平成のスーパー攻め様VS令和の悪役令嬢~確かに私の推しが受け顔なのは認めますが、びぃえる時空は許可しません!~


「如何でしょう、本日の目玉商品――この黒曜石のような瞳と透き通るような黒髪の美少年! それでは100万からスタートです!」

「300万!」

「500万!」

「800万!」

「1200万!」

「1200万が出ました! 1200万以上の方はいらっしゃいますか!?」

「1300万!」


 大変なことになってしまった。

 どこにでも居るような平凡な高校二年生・仙崎真尋(せんざきまひろ)は途方に暮れていた。自分の両手首には手枷、場所はスポットライトの当たる猛獣用の檻……としか表現できない檻の中。中に居るのが猛獣と一緒ではなく自分一人だというのはまだ救いだが、そもそも猛獣用の檻は猛獣を入れるために使うのであって人間を入れるために使うものではない。

 これはどう見ても噂に聞く闇オク――闇オークションというやつである。真尋はその異様な雰囲気に呑まれそうになりながらも、先程から自分に値段を付けている観客席を睨んだ。よく観察してみると皆、仮面舞踏会のような目元を隠す豪奢な仮面を付けている。

 前から思っていたのだが仮面で顔を半分隠した程度で誰だか本当に分からなくなるんだろうか? でも自分なんてよく知る俳優が出演するドラマで髪型変えただけで気付けなくなるからなぁ。案外目元が隠れれば分かんなくなるのかもしれない。真尋はあまりにも非現実的な光景を前に現実逃避を始めてしまった。


「3億だ」


 そんな場を切り裂くように、低い声が響く。

 会場は一瞬しん……と静まり返り、その直後にザワザワと「まさかあの方は……」「そんな、あの御方が何故……」と様々な声が上がり始めた。あ、やっぱり仮面付けてても誰だか分かる人は分かるのかな。暗黙の了解ってやつなのかな、と真尋はまだ現実逃避から抜け切らない。


 彼の名は紫之宮清彦(しのみやきよひこ)。30歳前半にしてとある外資系証券会社の日本法人のトップである。そしてスーパー攻め様であるのだが、年々闇オクに出品される受けの相場が下がってきているということもあり、今日持ってきた現金は3億である。世知辛い世の中である。

 しかし、相場から見れば3億は破格の金額で間違いない。ここ最近だと、そもそも億単位までいかなかった場合もあるのだ。日本円でいいからせめて億まで行かせてやりたい、とは闇オク主催者の心の声だ。


「3億! 3億が出ました! 他の方は――」


「――10億ですわ」


 今度こそ、オークション会場が静まり返る。

 紫之宮清彦でさえ、絶句と共に声のした方を咄嗟に振り返ってしまった。それがどう聞いても若い女の声だったからだ。


「聞こえませんでしたの? 10億と言ったのです」


 自分の札番号の書かれたカードを上げたまま緩く首を傾げて言葉を重ねる少女は、白瓏院(はくろういん)きらら。日本を代表する財閥の一つ、白瓏院財閥の跡取り娘である。ちなみに悪役令嬢であり、真尋と同じクラスの17歳であるのだが仮面を付けていたので真尋は気付かなかった。

 ちなみに「10億くらいポンと出せますわ」というすまし顔をしているが、個人資産だけでは10億に到底足りなかったのでパパから譲り受けた会社をいくつか売りに出している。やはり世知辛い世の中である。


「じゅっ、10億! 10億が出ました! ほ、他の方はいらっしゃいますでしょうか!?」


 闇オク主催者は興奮していた。10億など令和の世になってから出たことがあっただろうか。会場は静まり返っている。一度観客席をぐるりと見渡してから、主催者は落札者へ恭しく頭を下げた。


「それでは、この商品は27番のお客様が10億円で落札となります。商品はオークション終了後に引き取りとなりますので、それまで他の商品をご覧になってお待ちください――」


 満足気に27番の札を下げる白瓏院きららの姿を、紫之宮清彦は目に焼き付けていた。その瞳には、まるで自分の獲物を横取りされた猛禽類のような、そんな鋭く憎しみのこもった光が宿っていた。



 ◇◆◇



 仙崎真尋は困惑していた。

 10億円で自分を落札した少女が、クラスで悪役令嬢と噂されているお嬢様だったからだ。

 なんでも高笑いやその話し方、それから外国の血が入っているらしい金髪の見た目からそんなあだ名が付いてしまったらしい。


「えーと……白瓏院さん? どうしてこんなことに?」

「それはこちらの台詞ですわ。クラスメイトが闇オークションに出品されているなんて、一生に一度見るか見ないかの冗談ですわよ」

「俺だってそんな体を張ったギャグをする気は無かったんですよ……」


 所変わって、黒塗りのリムジンの車内である。もちろん白瓏院きららの車である。あの後、スマホでサクッと代金振込を済ませた彼女は真尋を連れ立ってリムジンに乗り込んだ。きららはリムジンカーで優雅に紅茶を飲んで寛いでいるが、真尋は紅茶の味など分からないくらい緊張している。


「それで、この車は今どちらに向かっているんでしょうか?」

「玉津町。あなたのお宅ですが」

「えっ?」

「まぁ玉津町以降の詳しい番地は知りませんので、案内して頂くことになりますが」

「あっはい、それはもちろん」

「というか、何処に連れて行かれると思っていましたの?」


 拍子抜けした顔をしている真尋と、呆れ顔のきらら。そんな呆けた美少年の顔も可愛くてきららは内心キュンキュンしているのだが、商談で鍛えられたポーカーフェイスでおくびにも出さない。


「いやぁ……俺は闇オクに出品された挙句、白瓏院さんに買われたわけですから……もう家には帰れないものかと……」

「まぁ、買われた自覚があるだけマシとしましょうか」


 紅茶で喉を潤してから、きららは話を続ける。


「私は建前上、『知らない場所で道に迷っていたあなたをたまたま見つけたので、保護して送り届けた』ということにします」

「ただの迷子じゃん」

「それとも闇オークションに出品されていました、と正直に話した方がよろしい?」

「すんません迷子でお願いします」


 即座に謝る真尋に満足気に頷いてから、きららは話を再開する。どうやらお嬢様の機嫌を損ねずに済んだようだ、と真尋は内心でほっと息を吐いた。


「しかし、だからといってあなたが私に10億円で買われたという事実は消えませんわ。領収書もありますので」

「領収書」

「Web発行なので私のスマホに保存してありますわ」

「Web発行って大丈夫なの? セキュリティとか」

「これで捕まるようなお間抜けさんなら、そもそも令和の世で闇オークションなど開けないでしょうね」

「なるほど……?」

「話が逸れましたが、あなたは私の所有物ということですわ。なので、あなたには私の所有物としての働きをして頂きます!」

「所有物としての働き……とは?」

「そうですね……まぁ、今のところは執事の真似事とか……いえ、これではあまり楽しくないわね……うーん……」

「え、ええ……白瓏院さん?」


 自信満々に言うものだから、てっきり所有物としての働きは既に決まっているものかと思っていた真尋は面食らった。何も考えずに自分を10億で落札したんだろうか、このお嬢様。


「そ、そう! その、呼び方!」

「はっ、はい!?」

「あなたは私の所有物なのですから、『白瓏院さん』じゃなくて『きらら様』とお呼びなさい!」

「きらら様!?」


 きららが真っ赤な顔で捲し立てるものだから、真尋は疑問を感じつつも頷いてしまった。きららはまだ少し顔を赤くしたまま、コホンと小さく咳払いして場を仕切り直す。


「ひとまず、そこから始めていきましょう。他のことはまた後日考えますので、明日から毎日学校に来るように!」

「りょ、了解っす……」


 ちょうど話の区切りがついた所で、リムジンが玉津町に入ったと運転手から連絡が入った。真尋は運転手に家の方角と大体の場所を伝えつつ、明日の学校と……家族に隠し事をしなければならない憂鬱さにため息を吐いた。

 ちなみに、闇オクに出品される時に取り上げられた制服やカバンも商品一式として一緒に付いてきたらしく、それらはきららから返却されている。やはりきららから言われた通り「知らない場所で道に迷った」とバスで寝過ごしたとか多少の脚色を入れて話すしかないのだろう。

 リムジンカーから降りた真尋は、きららと運転手にお礼を言って家に帰ってきたのだった。



 ◇◆◇



 次の日。

 知らないうちにストレスで疲れが溜まっていたのか爆睡した真尋は、寝ぼけ眼を擦りながら自分のクラスに入った。そこには既に普段からクラスで浮いている白瓏院きららの姿もある。

 真尋は一瞬、闇オクのことは夢で、自分ときららの間には何の関係も存在していないんじゃないか――そんなことを思う程、普段通りの日常だった。

 しかし、その一瞬。

 ほんの一瞬、白瓏院きららが、仙崎真尋に視線を投げかけた。

 昨日までだったら交わることの無かった視線。その視線で、真尋は昨日のことが夢では無かったことを改めて思い知らされる。覚悟を決めた真尋は、自分の席に向かうため歩みを進める最中に、その途中にあるきららの席で歩みを止めた。


「おはよ、きらら様」

「――ごきげんよう」


 堂々と挨拶されたのは予想外だったらしく、きららは一瞬面食らった顔をしたが、気合いですぐにいつものすまし顔に戻った。しかし、その短い会話を聞きつけたクラスメイトから話し掛けられた。


「何? 仙崎くん、白瓏院さんのことなんて呼んだの? きらら様とか聞こえたけど?」

「えっ何? どういう関係?」


 次々と野次馬のごとく集まってくるクラスメイトを前に、真尋はあっけらかんとした笑みを浮かべた。やましいことなど何もない、と言わんばかりの美少年スマイルである。


「いやさ、昨日帰りのバスの中で爆睡しちゃって。慌てて降りたら全然知らない町だし、定期券の区間外に来ちゃったからバス代もかなり掛かってヤバくてさ。どうしようって途方に暮れてたらたまたまきらら様に会って。それで事情を話したら家の車で送ってくれてさ〜! いやー、マジで助かったし神様仏様きらら様って感じだったんだよ。そんできらら様って呼んでる」

「寝過ごすとかアホじゃん」

「それはマジ感謝だわ」

「確かにそれは俺も拝む」


 どうやら真尋の説明に納得したらしく、クラスメイトたちは口々に感想を述べる。中には「白瓏院さんもこんなアホ拾って大変だったね」と、きららに同情しているような口ぶりの者までいた。クラスで浮いていたきららだが、これを機に少しずつクラスに馴染むことが出来たらいいな、と真尋は考えていた。きららも満更でも無さそうだ。


 その時、朝のホームルームを告げる予鈴が鳴り響く。

 予鈴と同時に入ってきた担任教師の姿を見て慌てて席に着くと、担任教師は教壇に立って話を始めた。


「えー、今日から臨時教師が一人赴任するんだが、その先生がうちのクラスの副担任になった。来年の春までという短い期間だが、皆仲良くしてくれ。――じゃあ紫之宮先生、入ってください」


 担任教師が教室の引き戸の向こうへと呼びかけ、その人物がゆっくりと入ってくる。

 その姿にクラスの女子たちは黄色い悲鳴を上げた。「カッコいい!」「イケメンじゃん!」と友人たちで盛り上がっている。男子たちはその様子を面白くなさそうにしながらも、反論はできていないようだった。

 しかし、白瓏院きららの表情は凍りついていた。何故ならば、その男の正体、そしてその声に心当たりがあったからだ。


「初めまして。今日からこの学校に臨時教師として赴任してきました、紫之宮清彦と言います。短い期間ですが、仲良くしてくださいね」


 完璧な営業スマイルを見せるその男は、クラス全体に視線を向けているように見えて――何も思い当たっていなそうな仙崎真尋の姿を、しっかりとその両眼に捉えていた。



 ◇◆◇



「えっと、紫之宮先生?」

「なんでしょう?」

「あの……なんというか……近いというか……」


 昼休みである。

 仙崎真尋は、早速大ピンチに陥っていた。


 今日から赴任してきた副担任の紫之宮先生に、学校の案内を頼まれたまでは良かった。しかし、これはどういうことだろう。

 理科室や家庭科室など、特別教室が並び普段はあまり人が来ない4階まで来た瞬間、真尋は紫之宮に壁際まで追いやられていた。

 というかぶっちゃけ壁ドンである。

 紫之宮はとても顔がいい。薄めの茶髪を見栄えよく整え、薄いフレームの眼鏡の奥から覗くアメジストの瞳は女子生徒が黄色い悲鳴を上げるのもよく分かる。しかし、出会って初日で壁ドンされる謂れはないはずなのだが。

 そう、真尋は自分を10億で落札したきららばかりが印象に残り過ぎて、その前に3億で札を上げた紫之宮のことは完全に忘れていた。というか仮面だったので余計分からない。


「君は……忘れてしまったんですか?」

「いやあの、どっかで会ったことなんてありました……?」


 悲しげに眉をひそめられても本当に分からない。真尋は罪悪感が湧いたものの、記憶が無いことを正直に答えた。下手に知ってると嘘をつくのも怖い。壁ドンされてるし。


「忘れてしまったことはとても悲しいですが……クク、それならカラダに刻み込むしかねえよな……?」


 壁ドンしていた右手が真尋の顎を掴んで上を向かせる。俗に言う顎クイというやつである。真尋がその名称を思い出す前に、あからさまに紫之宮の気配が変わったことで警告のように全身が総毛立つ。

 なんとか身を捩って逃れようとした瞬間、こちらに走ってくる影があった。その影は固まったままの真尋の左手を強引に引いて、紫之宮から離れさせる。そのまま真尋を自分の後ろに隠し、紫之宮の前に立ちはだかった。


「あなた……教師なんて嘘ついて、一体何のつもりですか! 紫之宮清彦!」


 白瓏院きららだった。

 相当急いできたのだろう、息も絶え絶えであり、自慢の金髪も乱れてしまっている。真尋はあの白瓏院きららが、自分を助けるために走ってきてくれたという事実に衝撃を受けた。


「おや、白瓏院さん。何のことでしょう。俺は教員免許()確かに所持していますよ。ダメじゃないですか、『先生』って呼ばないと」


 まるで出来の悪い生徒を窘めるかのような物言いで、紫之宮は穏やかに苦笑する。それは、真尋が危機を感じる前の穏やかな教師そのもので――その二面性が、より真尋を混乱させた。


「とぼけないでくださいまし! 外資系証券会社日本法人のトップで、その辣腕で財界でも名を知られ、そしてあの闇オークションで真尋くんを3億で競り落とそうとした――紫之宮清彦、それがあなたですわ!」

「えっ、紫之宮先生もあの会場に居たの?」


 色々と疑問が増えたが、真尋はどうにかそれだけ質問する。女の子に守ってもらうのは情けないんじゃないかという考えが頭を過ぎったものの、自分を競り落とそうとした人間の一人だと聞いて前に出るのが怖くなってしまった。


「チッ……小娘がちょこまかと……ひとの獲物を横から掻っ攫いやがって、正義の味方気取りか? ええ? 白瓏院財閥のお嬢様よ」


 また、紫之宮の雰囲気が変わった。それと同時に空気が重くなるように感じ、真尋は思わず縮こまる。しかしきららが悪く言われるのは聞き捨てならないと顔を上げてみると、ほんの少しだけきららの金髪が震えたのがわかった。


「(きらら様、怖いのに俺のために立ち向かってくれてるんだ……)」


「俺は獲物は必ず手に入れる。仙崎真尋、そんな女なんか捨てて早く俺の所に来い。10億くらいすぐ買い戻してやるよ」

「――あら、それは闇オークションでの値段でしょう。今の真尋くんの所有権は私にあります。私がたった10億ぽっちで手を打つとお思いで?」

「黙れ小娘、お前に口を開いていいとは言ってねえ」

「あ、あの!」


 そのまま戦争でも始まるんじゃないかという緊迫感の中、真尋が意を決して声を上げる。


「昼休み――終わっちゃうから、教室に戻ろ、きらら様」

「……! はい!」


 きららがほっとしたように息を吐いた。真尋が自分の名を呼んでくれて安堵した、そんな柔らかな表情だった。


「――今日の所は引き下がってやる。だが忘れるな。仙崎真尋、いずれお前は俺のモノになる」


 教室に戻ると言うものの明らかにこちらを警戒している二人を見て、紫之宮は深くため息を吐いた。最後にそれだけ吐き捨てるように呟くと、先に階段を下って去っていった。それを見送ってから、真尋は緊張の糸が切れたようにその場にへたり込む。


「こっわ……え、俺なんで狙われてんの? いずれ俺のモノになるって何? 怖すぎるんだけど」

「真尋くん……大丈夫です、真尋くんは私の所有物ですから。絶対に手出しなんてさせませんわ」


 自分も緊張の糸が切れて座り込みたいだろうに、きららは気丈にへたり込んだ真尋に手を差し出した。その手が震えを隠せていないのは、やはりまだ17歳の少女だからだろうか。


「ありがと、きらら様。ちょっと自分が情けないけど、正直頼りにしてる」


 そう言って困ったように笑う真尋を見て、きららは絶対に自分が真尋を守ると心に誓った。あんなスーパー攻め様に、こんなに可愛くて素直で可愛い真尋(推し)を渡すわけにはいかない。悪役令嬢と言われたって、絶対に真尋を守り抜いてみせる。


 こうして平成のスーパー攻め様と令和の悪役令嬢の戦いは、一人の推しを巡って幕を開ける。

 二人の勝負の行方は、まだ誰にも分からなかった。


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