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短編とかその他

その島に住む者達は幸せになってはいけない

作者: リィズ・ブランディシュカ
掲載日:2022/07/17



 空に結界の光が輝く。


――幸せになってはいけないよ。


――幸せになってはいけないんだ。


――幸せにはなるな。


 呪文のように言葉がこだまする。


――なぜなら、はかーーぞーーだから。


 それは刷り込まれた過去の記憶だ。





 幼い事からこの島で育ってきた子供達。


 島は小さいから、数えるほどしかいない。


 みんな、名前も顔も覚えている。


 そんな私達には、ある決まりがあった。


 それは、未来への約束と枷。


「幸せには」


 私達は、ずっと言われてきている言葉がある。


「幸せには、なってはいけない」


「なっては、いけないのだ」


 と。


 そんな風に、大人達から。


 ずっとその島にいる者達から。


「なぜ?」


「どうして?」


「理由は?」


 大人達は言い続ける。


 私達は、「ずっと苦しんで生きていかなければならない」と。


「いつまでも」


「それは変わらない」


 と。


「何があっても」


「不変なのだ」


 と。


 それは子供もお年寄りも、大人も。


 男性も女性も。


 皆、同じ。


 例外はいない。


 一人残らず。


 そう。


「どうしてだろう?」


 皆一度は、そう考えた事はある。


 最初はだれしも、そう考える。


 けれど。


 いつしか諦める。


 これでいいと。


 そういうものだから、仕方がない。


 変わらない。


 と。


 私達は、ずっと幸せにならないようにその島で過ごしてきた。


 これからもきっとそうだと思う。


 だって。


 大勢の人が。


 皆が口をそろえて。


 疑う事もなくいうのだから。


――幸せになる事は罪深い事。


――幸せになる事は罪を重なる事。


 罪は重ねてはならない。


 でしょう?


 だって、


 そこは、


 だって私達は、


 そこにいる私達は、


 罪人なのだから。


 罪人の島なのだから。


「罪人の子供も罪人なのだ」


「許すな!」


「その島から出すな!」


 親が親なら子も子だと。


 血筋は遺伝し、考え方も似通ってくると。


 皆がそう言っているのだから。


 きっと。


 そう。


 おそらく。


 ぜったい。


 そうに違いない。


 きっと私達は、自分を厳しく戒めていないと、勝手に罪を犯して人を傷つけてしまう。


 そんなような罪深いような人間達だから。


 だから、そんなだから。


 ずっと幸せになってはいけない。


 他の正しい、優しい人達とは隔離された場所で生きていかなければならない。





 かつて大勢の人を殺めた血が流れている、その破壊の種族は、その島から出ていってはいけない。






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