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Your Story  作者: るど
3/6

第二話、「まだ見ぬ、世界」

《三国 真》


 下校途中、俺は一軒のゲームショップに立ち寄っていた。

 表の看板には、ゲームショップ「世界」と書かれている。

 よくある家電量販店ではなく、地元の寂れた小さな店だ。

 店内は薄暗く、入口からしか光が差し込まない。照明は蛍光灯が幾つかあり、その内の一本が切れかけていた。初めての人はこの不気味な雰囲気で入るのを躊躇うだろう。

 それでも品揃えは悪くなく、良い掘り出し物もよく見つかるので、昔から贔屓にしている。その為、この店の店長とは顔見知りだ。

「こんちわ、店長居ますか?」

 俺はレジに居た、見知らぬ髪の長い眼鏡を掛けた店員に話しかけた。

俺が知る限り、この店は店長一人で営業していた筈だ。俺の知らない間に雇ったのか? 

店員は一瞬、別の場所に注意が行っていたが、直ぐ俺に気付いた。

「あぁ、店長なら奥で在庫確認してます。御用がおありでしたら、呼びましょうか?」

「いや、いいです。それより何か掘り出し物とか無いですか?」

 別に店長に用がある訳では無いので、店員に用件を伝える。

「掘り出し物ですか。ワゴンの中に無いのなら、無いと思いますよ」

「そうですか。それなら帰るかな。店長によろしくお願いします」

 何も無いなら、長居する必要も無い。もう、帰るか。

「待ってください」

 帰り間際、店員に呼び止められた。

「一つ、ありました。これです」

 そう言うと、一つのゲームソフトを差し出した。

 そのパッケージには、「Another Story」と、書かれていた。

「何です? これ」

 パッケージの可愛い女の子の絵から察するに、美少女ゲームだろうか。

「多分、ギャルゲーじゃないですかね? 販売元は記載されていませんが。箱は綺麗ですし、新品じゃないですかね?」

 質問に質問で返され、答えも俺が思った事と大差なかった。

「三国さん、ギャルゲーはお嫌いですか?」

「いや、大好きですけど……。それより、どうして俺の名前知ってるんです?」

「店長が言ってましたよ。この店に来る客は三国さんくらいだって」

 この店、大丈夫なのか? 俺の知らない間に、無くなっていそうだ。

「この店は店長の趣味みたいな物のようですし、それでも、大丈夫だと思いますよ」

 趣味でゲームショップ経営って……。あの人、本業は何をしているんだ? 店長との付き合いは長いが、そんな事は知らなかった。

「てなことで、それ持って行って下さい。面白くなければ、処分して貰っても構わないので」

「いや、商品じゃないんですか? 買いますよ」

「いいですよ。どうせお客さんなんて来ませんし、僕が店長に怒られるだけですから」

 バイトとしてどうなのか。職務怠慢過ぎやしないか?

「じゃあ、面白かったら、その時にお代をお支払い下さい」

 そう言うと、強引にゲームを入れた袋を手渡してきた。

「有難う御座いました。お帰りはあちらです。また、お願いします」

「ちょ、おい」

 俺は押し出される形で「世界」から追い出された。

「何だよ、あの店員。今度、店長に文句言ってやる。ったく、仕方ない。帰るか」

 何とも言えない気持ちを感じながら、「世界」を後にした。


  



 久しぶりの更新。そこまで話が動いていませんが、次話で動かす予定です。

 何分、初投稿作品なので、色々と手探り状態です。些細な事でもご教示して貰えれば、幸いです。


 次話の投稿はなるべく早く更新します。しかし、約束は出来ません。必ず、書くのでご容赦下さい。


 以上、るどでした。




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