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第3話 乙女と誤解

誤字脱字・文章が下手・稚拙等至らない点ばかりだとは思いますが…、どうぞ宜しく御願いします。(額を擦り付けた土下座)


 「で、何故、お前は私に…」

 虚ろな目でエプロンを見ていると、男が口を開くのが目の端に写った。ふぅむぅ。やばい。まだ、解決策浮かんでないし。

 また男の口を閉じさせようと、慌てて口を開く。

 「いやー、今日は気持ち良い天気だな。見てみろ。雲一つ無い澄んだ青空。ギラギラと白く輝く太陽。太陽に照らされて、煌く青々とした伸び放題の芝を。とても綺麗…うむ、足に飛蝗が」

 わざと大きな声で賞賛しながら、空、太陽、芝生を指差す。と、飛蝗が私の右足に跳んでこようとしているのが目の端に入いり、避けようと大きく右足を振り上げた刹那、右脛がふにゃりとしたものに激突した。

 「あっ…」

 「おふっ…ぐうぅぅっ!!!」


 その何とも言えない感触に、小首を傾げ右足を見ると…。


 むむぅ…またやってしまった。入ってる…。


 私の右脛が男の股間に、見事にめり込んでいる。


「すまない」

 顔を歪め、心の底から謝っているんです私、を強調しながら慌てて男の股間から右脛を退かす。

 相当痛かったのだろう。男は上半身を折り曲げて、股間を両掌で押さえながらブルブルと全身を震わせている。

 めり込んだ瞬間、凄く痛そうな声も出していたし…。急所だし…。

 「大丈夫か?ふへっ?」

 おろおろしながら男の顔を覗き込もうとした瞬間、男が顔を上げた。

 「くっ…きっ、気持ちが良い!!最高だ!!もっと、もっと!!」

 男は喘ぎ混じりの凄絶な色気滴る声でそう叫ぶと、潤んだ金色の目をかっと見開かせ、はあはあと息を荒げながら荒々しく私の左腕を掴んだ。

 え、何なんだこの展開。訳が分からない。最高?もっとって、何を?そんな快感、期待、欲望、懇願やらを滲ませたような目でこちらを見るのは止めろ。

 「あの…一体…」

 「くそぅ…っ、焦らしプレイか。焦らしプレイなんだな!っく。これも中々…くううっ!!」

 むむむ。焦らしプレイとは?と言うか、御願いだからその気持ち悪い声出すの止めてくれ。


 困惑しながら視線をさ迷わせていると、ある事に気付き、私は眉根を寄せた。

 むむむむ…、エプロンに奇妙な膨らみが?ん?このエプロン、裾の方にポケットなんて無かったような…。大体、ポケットがこんなに膨らむようなもの入れていただろうか?一体何が入っているんだ、気になるな。


 右手を、膨らみへと伸ばす。その刹那、男がごくりと音を立てて唾を飲み込むのが聞こえた。


 その音に驚いて触れる直前で手を止め、さっと顔を上げ男の顔を見た。

 男は頬を上気させ更に息を荒立たせて、熱に浮かされたようなギラギラと妖しくも異様な…何か気付いたらいけない世界に足を突っ込みそうな光を湛えた目で、怖いくらいの真剣さで私の手を見つめている。


 裸エプロンだから余計に何とも言えない異様さが、余計際立っているような…。


 「むっ、気持ち悪っ」

 その目と目が合った瞬間、ぞわりと全身に鳥肌が立ち、条件反射で男に掴まれていた腕を振り払った。

 「ぐほっ」

 どかっ。

 何か硬いモノに当たったような、鈍い衝撃が左手の甲を襲う。その直後、じんと痺れが二の腕まで走ったかと思ったら、熱を放ちながらずきずきと痛み出した。

 むむむ、この感じは…。


 むあぁっ…今度はアッパーカットをきめてしまった。


 男はぎゅっと目を閉ざし右手で顎を押さえ、またもや体を激しく震わせている。

 あぁ、目尻に涙が滲んでいる。口端からは赤い筋が。

 ふぬぬぬぬ。…これも相当痛かったのだろう。本当に私、何をしているんだ。無抵抗な相手に一方的に暴力を5回も振るって。それだけでもかなり危険な状況なのに…。2種族間の関係、凄く微妙なのに。

ふぬぅぅ。絶対に怒ってる。それも激怒を通り越して…未知の領域へ行っている。

 むぅ!もしかして私、人間と獣人族の熾烈な戦争の切掛けを造ってしまった?

 本当に激ピンチだ。

 うむぅ、困ったな。取り敢えず、面倒事が起きる前に早急に、屋敷の皆と逃げるか。でも、どこの国に逃げよう…。

 「本当に申し訳な…」

 これからのどうするか頭をフル回転させながら、ペコペコと、平謝りを繰り返す。

 「放置、無視、羞恥、蹴り、焦らし、寸止め、暴言。そしてアッパー…フルコースではないか!!君はプロなのか?!!」


 …何のだ。

 

 「えっと、話が見えないのだが…フルコース?プロ?」

 男の意味不明な言葉に、小首を傾げてまじまじと男の顔を見る。

 男はあの気持ち悪い眼差しで私に降り注ぎながら、あぁと言いながら重々しく頷いた。

 いや、あぁではなくて…。

 「お願いだ。私のご主人様になってくれ!!」

 「へぃ?」

 …いや、必死の形相で…酷く真剣な声で何を言っているんだ…この男。


 流石、獣人。人間には理解不能な思考回路をしている…。


最後まで読んで下さった、とても優しい方へ


最後までお付き合いをしてくださり、ありがとうございました。

つづき頑張りますので、宜しければ次回も読んでやってください。


裸エプロン…。もう何やっているんでしょうね?この二人。



これ、いらないや!と思ってばっさりカットした部分です。

でもなんか勿体無いので…。

宜しければリサイクル?(折角書いたのに消すの勿体無いので…えへっ)にお付き合い下さい。

1.5話 姫と毛皮


小首を傾げつつ、近くに落ちていた少し長めの木の枝を拾い、狼の側まで行き、その場にしゃがんで狼の額を何度も突っつく。


……ふむ。反応はなし。


しゃがんだまま器用に前進して、狼の鼻に掌を翳してみる。

と、微かだが、温かい風を感じて顔を顰めた。

どうやら気絶しただけのようだ。ふぅむ。

深い溜息を吐きながら、無意識に狼の頭を撫でて、ピタリとその手を止めた。

きっ、気持ち良い!何だ!この、さらっ、しっとりとした、蕩けるように柔らかい手触りは…。

うむ、毛皮にしよう。絶対に高値で売れる。

重々しく頷くと、そっと狼の毛皮から手をどかす。

そう言えば、狼の肉って美味しいのだろうか?これだけ大きいと、結構持つだろうな。シチュー、塩漬け、干し肉…。頭の中、狼料理のメニューが次々と浮かんでくる。

毛皮と食糧を手に入れただなんて、今日は何て良い日なのだろう。あぁ、涎が…。

よし、早く止めを刺さそう。

涎を袖で拭いつつ、にんまりと笑みを浮かべ、すくっと立ち上がると、愛用の小刀を取り出そうとドレスとエプロンのポケット中を探る。

しかし、どこを探しても、ない。

おかしいな?いつもエプロンのポケットに入れたままにしているのに。

眉間に皺を寄せ、記憶を辿っていく。

今朝は…確認してないな。昨日は…あぁ、そう言えば。昨夜寝る前に、村の市場に出そうと自室で一人、小刀で木彫りの少女(でも、あまりの出来栄えに、それ、呪いの人形でありますか?えっ、微笑む少女の人形?!!その嗤っているのか恨んでいるのか分からない…微妙な表情をした人形が??しかも値段高っ!!絶対に売れません!!商売舐めているでありますか!!と、言われた)を彫っていて、そのまま文机に置いたまま…にしたような…。うぬぅ。どんなに思い返しても、エプロンのポケットに愛小刀、戻した覚えが無い。

…困った。

お金欲しいし、食糧も必要。…でも…気絶しているだけだから…。

じっと毛皮に、物欲しげな眼差しを注ぐ。

欲しい。

…ふぬぬぬ。

家に持って帰ろうか。ふぬ!そうすれば、道具もあるし、人手もある。

よし、決定だ。

では狼が、気が付いて暴れだしても大丈夫なように、口と手足を縛るか。

そう心を決め、その場に座り、ストッキングを脱ぎに掛かる。

またストッキングをロープ代わりにしただなんて、家に帰ったら確実に怒られるだろうが…、背に腹は変えられぬ。


ストッキングを脱ぎ終え、狼に目を遣った所で、私はその場で固まった。


てな訳です。

因みに、フィディアは狼を持ち帰る時は、尻尾をむんずと掴んでそのまま引っ張って持って帰ろうかと企んでいました。

酷い。

でもきっと、彼は物凄く喜ぶと思います。


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