光の矢
※悪魔憑きの言葉は全て検閲済み
Exorcist:
理を拒み続ける暗愚の悪魔を退ける方法を模索しています。誤解の原因を究明して下さい。
慣性系Aから見た慣性系Bの相対速度をVとします。慣性系Bから見た慣性系Aの相対速度は-Vになるのは明らかですが、「いや、系(基底?)が変わっているから必ずしも-Vとは限らない」と暗愚の悪魔が囁くのだそうです。この悪魔は一体何を考えているのでしょうか?
通常、問題を簡単にすれば真理は自ずと現れてくるものですが、3体目を導入すれば調伏しやすくなるでしょうか?
Exorcist:
あなたも悪魔憑きでしたか?両者の空間軸が揃っていなくても-Vは成立しますよね?
Exorcist:
ただし何ですか?基底を揃えずとも-Vだと信じられないのですか?
Exorcist:
本当に納得していますか?
Exorcist:
何が納得できないのです?
Exorcist:
基底対応付けなど必要ないと思いますが?
Aから見たBの相対速度Vと同じ向きの光速ベクトルCとの内積を考えて下さい。
Bから見たAの相対速度-Vと光速ベクトルCの内積は反転しますね?
それでも符号反転が納得できないのですか?
Exorcist:
基底が変わったからと言って光の進む方向が変わるとでも言うのですか?
Exorcist:
それで?-Vを信じますか?
Exorcist:
本当に納得しています?
Exorcist:
光速度ベクトルCの扱いを変えるのですか?それは基底の変更ですよね?
基底によらず相対速度は-Vになると思いますがどんな理屈です?
Exorcist:
それでは確認です。BからAを見ると-Vになる。異論ありませんね?
Exorcist:
本当に?納得しましたか?
Exorcist:
いいでしょう。
さて、私はあなたに憑いていた悪魔を真に理解することができません。
同じ暗愚に憑かれたあなたの同胞にどんな祝詞を唱えればこの悪魔を祓えるでしょうか?
Exorcist:
あなたから悪魔を祓った際に反例を求めた記憶はありません。
有効性に疑義を呈します。
Exorcist:
有効性に疑義を呈します。
物理的関係を問うていたのは火を見るより明らかです。
どんなに私が座標系・基底は関係ないと示唆しても、あなたは「座標系・基底が揃っていないことには…」と頑なでした。
ブレイクスルーになったのは光速度ベクトルCの導入であったと私は認識しています。違いますか?
Exorcist:
それでは聖なる祝詞を唱えて下さい。
【聖なる祝詞】
慣性系Aから見た慣性系Bの相対速度を V とする。
ここに、Vと同じ方向を差す光条を召喚する。
その光速度ベクトルを C とする。
問おう。
Aから見たBの相対速度Vと、光速度ベクトルCとの内積は如何に。
重ねて問おう。
Bから見たAの相対速度と、光速度ベクトルとの内積は如何に。
AとBの相対運動を逆から見れば、その向きは反転する。
汝、ここに基底を持ち込むなかれ。
光の差す先は、座標軸を回転させても変わらない。
座標成分の変化を、物理的方向の変化と偽るなかれ。
Aから見たBの相対速度がVならば、Bから見たAの相対速度は−V。
汝、異議を唱えるならば、何を否定しているのかを明らかにせよ。
理を拒むなかれ。




