4 生活
私は家への帰路につく鍛冶場帰りのドワーフ達を眺めていた…(そうだここのドワーフ達は何を食べているのか見なければ)と私は思い出し近くの家へと向かった。幸い家には亜鉄等は使われていない様子だ、私が入った家には父親と思われる鍛冶場帰りのドワーフと母親と思われるドワーフ、そして息子と思われるドワーフの3人が過ごしているようだ。丁度朝食を食べている所の様だ間に合って良かったと思いつつ食べている物を見てみると焼いた肉が中心で、少し木の実の様な物やおそらく野草だと思うが葉物を木で出来た皿や食器を使い食べている。肉は竈と似た物を使い調理している様だ。
そして食事を見つつドワーフの話を聞いていると、どうやらドワーフ達にもエルフと同じく学校の様な場所があるらしい。食事を食べ終わり各々がそれぞれの行動を取り始めたので私は子供ドワーフに着いていき学校へ向かう事にした、ドワーフを追いかけ外に出ると先程までとはうってかわり町が騒がしい位に賑やかになっていた。おそらくこの町に住んでいるドワーフは第1島のエルフ達よりも多いだろうと思うが全員が外に出ている訳では無いので詳しい数は分からない。
ドワーフは道を進みいつの間にか噴水近くまで来ていたすると1つの建物に入って行った、ここが学校で間違い無さそうだ。学校は噴水を中心に十字路の様になっている道と道の角の一角にあった。中に入ってみるとエルフとはまた違い1つの大きい部屋にいくつかの机や椅子があり正面には大きく黒板の様な物がある。どうやら鉄で作った板に近づいてよく見ないと目では分からない程の細かい凸凹があり、それにこの空間の壁でも使われていた貝殻を砕き水を混ぜ熱した細長い物を使い書いているらしい、消す時はどうするのだろうと気になるが授業が始まりそうなので後ろで見るとしよう。
何も分からなかった、おそらく鍛冶に関する事を昼まで教えていたのだろうが黒板に書いてある文字は読めず図は理解出来たものの内容までは理解出来なかった、教師の発言も所々分からなかった。どうやら理由は分からないが鍛治の技術は私にも理解出来ない事がいくつもあるらしい、本来我々は自分の観測する世界の全てを見て聞けば理解できる筈なのだが。黒板を眺めながらそんな事を考えているうち半分程消されていた、どうやら水で濡らした魔獣の毛皮を使い拭き取っているらしい。と何気なく部屋を見回すといつの間にか子供の数が半分程になっている、どこへ行ったのかと思い外に出て辺りを見回してみると迷宮との門の近くに子供や大人のドワーフが集まっている、心なしか子供達は楽しみなのか楽しそうだが大人は楽しそうどころか暗くソワソワしている、とその時「ガンガンガン」という様な朝の鐘とはまた違う音が鳴った、と同時に皆一斉に門を見たすると門がゆっくりと開き始め迷宮から倒したと思われる魔獣をいくつも持って50人ほどの男のドワーフ達が入ってきた。なるほど、どうやらこの待っていたドワーフは全員迷宮から来たドワーフの血縁者の様だ。どうやら数日に1度迷宮へ向かい魔獣狩りをし魔獣を持って帰っているらしい、ドワーフ達が食べていた肉は魔獣の物だろう。ドワーフ達はそのまま持ってきた魔獣を入口付近で解体し始めた、すぐ側にある水路を使い洗ったり血抜きをしているらしい。エルフ達の様にどんどん肉と皮、骨に分けられて行った。1時間ほど経つ頃には300匹はあったであろう人よりも大きい魔獣が全て解体され肉が配られ始めた。エルフと違う点は道具の多さと慣れた手つきだろう、エルフは基本魔獣を狩る必要が無いため解体用の道具等は無くそれぞれ慣れた手つきで解体していたもののドワーフと比べると手こずっているとまで思ってしまう、それ程までにドワーフの道具の使い分けと解体スピードは凄かった。
と、眺めていると今度は骨と皮を水路で洗いまとめて持っていくドワーフが居た。どこへ持っていくのかと追いかけていくと鍛冶場に着いた、すると何人かのドワーフが何やら道具を持って集まって来た。それぞれ骨は紐で縛り鍛冶場の一角に干し始めた、私の知っているものだと寒餅の干し方に近いだろうか。皮はエルフと同じ様に内側の肉等をナイフでこそげ落とし毛は取らずにこちらは炉の近くで乾燥させるらしい、近くと言っても火の粉が飛んで燃えたりしない様に一定の距離は離している。
おや、皮のうち2枚ほどを毛も取り始めた。私は何をするのだろうと追いかけてみた、すると1つ1つを両手程の大きさに切り細長い鉄の棒を刺して固定し始めた、全て刺し終わる頃今度は薪を燃やしている炉の近くで熱し始めた、ある程度火が通ると近付け若干炙って火から離しているすると段々匂いにつられてか鍛冶場中のドワーフが集まって来た、そして冷めてきた物から渡して貰ったドワーフが食べ始めた。どうやらドワーフ達にとっておやつの様な物らしい、私もいつか食べてみたいものである。
さて私はそろそろ別の島へ向かおうと思い少し町等をもう一度見てから木のある部屋から地上に出た、すると辺りはいつの間にかもう夜になっていたが、何やら北西の空が赤く光っている。
何が起きているのだろうか…私は北西の島へ向かうことにした




