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±Days 四馬鹿な幼馴染みと巻き込まれ相談役の平凡ではない日常  作者: 空月
第1章 無理やり転校編

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19/24

19.彼らの独白


◇ ◆ ◇



 なんか、まだ夢見てるみたいな気持ちだけど、現実ってことでいいんだっけ? いいんだよね?

 やったー! って、単純に喜んじゃ……多分、ダメなんだよね。

 正直、オレはよくわかんないんだけど、カンナたちが言うならそうなんだろうなぁ。

 深さんが来たときはもう詰んだ! 終わった!って思ったけど……まさか意見変えてくれるとは思わなかった。どーいう心境の変化?

 難しーことってわかんないけど、とりあえずオレは単純なのが取り柄だし、素直に喜んどくことにしよう。

 せっかく長年の夢が叶ったわけだしね! これからが楽しみっ。


 ……とか言ったら、また『単純バカは気楽でいいよね』とか言われちゃうのかなぁ。まあいっか。



◆ ◇ ◆



 何だか未だに夢でも見てるような心地なんですが、これって現実なんですよね。何がどうしたんでしょう、本当に。

 奏さんが割合あっさりOKしてくださった時から嫌な予感はしていましたが……絶対何か裏がありますよね?

 大方、叩き落とすための前準備なんでしょうけど、チャンスはチャンスです。せっかくですから、活用するとしましょう。

 どこまで許されるのかはわかりませんが、まあ、やれるだけのことをやるしかないですかね。

 ユズはよくわかってないですし、カンナは神経質になってますし……レンリはレンリで、最近考えが読めないんですよねぇ。『どうしたいか』は多分みんな一緒なんでしょうけど。

 エゴでも何でも、私たちが彼女を手放したくないのは間違いないんですし、ね。



◇ ◆ ◇



 てのひらで転がされてるなって、わかってても。

 どうしようもない、のかな。

 ……一緒にいたいってだけ、なのに。なんで、うまくいかないんだろう。

 赦し、なんて、今更求めてないけど。……あ、でも、多分、カンナは赦されたいの、かな。

 今回も、一番の問題は、カンナのところみたいだし。

 きっと、ゆるされるから――ゆるされてしまうってわかってるから、カンナは怖がってる、のかも。

 みんな、それぞれ、どうしようもなくて――それでも、もし叶うならって思ったから、『今』があって。『これから』があって。

 きっと正解なんてないから、間違ってるかもしれなくても、選び続けるしかないのかもしれない。……後悔だけは、しないように。



◆ ◇ ◆



 ……正直、うまく行き過ぎて逆に不安って言うか、いや、別にうまくは行ってないんだけど、要所要所で予想が裏切られてるのが不吉な気がする。

 どうせ、わかっててのことなんだろうけど。少なくとも奏さんは、何か企んでるんだろう。

 僕たちが僕たちである限り、人並みの幸せを望むなんて許されないんだろうってわかってる。

 ……それでも望んでしまうのは、彼女と出会ってしまったからだ。

 出会わなければ良かったなんて思えないし、きっと他のみんなも同じで――それが免罪符になるだなんて思ってないけど、出会ったものは仕方ない。

 出会ったことが良かったのか悪かったのかはわからないけど、少なくとも、変化をもたらすのは確かで。

 きっと、これから先の僕たちの行動が、良いか悪いかを決めるんだろう。

 だったらせめて、後で悔やむことがないように。

 ……できるのは、多分、それだけなんだから。



◇ ◆ ◇



 予想外の人には会うし、計画は変更せざるを得なくなるし、わりと目まぐるしい一日だった気がしないでもない。

 でも、まあ、そろそろ荒療治が必要かなとは思ってたし、ちょうどいいのかも。

 そもそも、誰も彼も気にしすぎなんだよ。もうちょっとどうにかならないのかあれ。

 周りが格段に女々しいだけなのかもしれないけど、うっとうしいには変わりないし。いい加減うざい。

 関わるなら中途半端は良くないし、……仕方ない。あの人にも協力願おうかな。ちょっと不安だけど、適任なのはあの人くらいだし。

 ……まあ、あと。

 思惑通りに動くのは癪だしね。たまには意趣返しくらいやらせてもらいますよ。巻き込まれた側なわけだし。





第1章完結。序章おしまい。

次話より第2章「王道ベタネタ(?)×ぐだぐだ日常編」開始です。

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