舞の捜索inミステリーチャンネル
僕はミステリー部門入賞者のいぶすきのぞみさんにメッセージを飛ばして、テーマ・ワールド『オムニ・ミステリーチャンネル』を利用させてほしい旨を伝えた。すぐに返信があり、丁度今、チャンネルのホーム地点にいるのでログインして欲しいとのこと。
瞑にそのことを伝え、城崎邸からテーマ・ワールドまで移動した。
瞑と僕が降り立った、オムニ・ミステリーチャンネルのホーム地点と呼ばれる所は、何となくシネマ・コンプレックスのロビーに雰囲気が似ていた。大きな画面にサスペンス映画のトレーラーのようなものが放映されていて、ポップコーンや軽食、ドリンク等の販売カウンターまである。
スクリーン番号と映画のタイトル?のようなものが表示されているパネルの下に各シアターにつながっていると思われる入口があり、そこのカウンターに、ミステリー部門入賞者のいぶすきのぞみさんが座っていた。黒の上下にやはり黒のキャップを被り、それこそシネコンのスタッフのようなスタイルだ。
「いぶすきさん、突然お邪魔してすみません」
僕は頭を下げながら声をかけた。
「かまへんかまへん。ウチの方は、自分が手を動かすところはちょうどひと段落ついたところやし。それに、誰かにお試しして欲しいって思ってたんやわ」
「ところで、玉名さんはご一緒じゃないんですか?」
確か、いぶすきさんと玉名さんがペアになってサポーターさんの支援を受けていたはずだ。
「ああ、玉名クンはね、サポーターさんとエンジニアさんを連れて、自分が担当しているテーマ・ワールドに行っちゃったわ。人数制限を変更したでしょ。だからいろんな人数で、展開されるストーリーのパターンをチェックしておきたいんだって。ほんま熱心なこって」
彼女は僕たちを軽食のカウンターに連れて行き、飲み物を出してくれた。僕はコーラを、瞑はオレンジジュースをごちそうになった。今日は外で体を動かしたり、リアルと仮想の空間をバタバタと動き回っているので、喉が渇き、バーチャルな飲み物とはいえ、よく冷えていて美味しい。
僕たち三人がテーブルにドリンクのカップを置きハイチェアに腰かけたところで、いぶすきさんが尋ねる。
「ところで、ココを使いたいってことやけど、どないすればいいの?」
僕は瞑の顔をちらっと見やると、『どうぞ』と小さくつぶやいたので、詳細を話すことにした。
「実は、行方不明になっている人を探しているんです」
「人探し? それともノンプレイヤーを探しているの?」
「ええっと……少しややこしい話なんですが、城崎さんのお姉さんを探しているんです」
「え⁉ この仮想空間で?」
「……はい。まだここだけの話にしておいて欲しいんですが……」
僕は、瞑にも手伝ってもらいながら、洗いざらい今までの経緯を話した。瞑には生まれてこれなかった双子のお姉さん、舞がいること、彼女の思考領域が瞑の脳内にあって、そのデータがスキャンされ、この仮想空間で姿を現すことが可能になったこと、アカウントの制限によって、二人は同時にこの空間に存在することができなくなってしまったこと、それ以来舞は姿を現さなくなり、行方不明状態であること。
「それで、その舞さんを探してるってわけね……わかった」
「「え⁉」」
瞑と僕は、いぶすきさんの反応に驚き、顔を見合わせた。
「あの、『うそやろ』とか『しんじられへんわ』とか『二人でマジな顔をしてなに冗談言わはるの』とか、そういうリアクションが帰ってくると思ってたんですけど……」
「なんやその関西弁……そりゃあ、確かにぶっ飛んだ話や…でもさ、昨日あたりからのアンタらの様子見りゃ、こら何かあるって思うわ……千堂先生も出てきちゃってるしさ。一応ウチ、ミステリーとか推理とか書いてるわけやし」
正直拍子抜けしたが、話が早くて助かる。
「それでですね、この『オムニ・ミステリーチャンネル』で舞が消えた謎を解く手がかりはないものかと、相談に来たんです」
「なるほどねえ……よし、二人ともちょっとこっち来て」
各シアターにつながっていると思われる入口のカウンタ-に僕たちを呼び、いぶすきさんはリモコンのようなものを取り出し、上部のパネル表示を色々と変えた。
「昼のガーデンランチの時にさ、話したやない? AIがデータを色々集めてくれるけど、すぐに解決しちゃってもつまんないからストーリーの構成を工夫しているって。それに加えてな、ミステリーのジャンルも増やしてるんやわ」
「それはどうしてですか?」
「私が描いた小説は、主人公が推理小説からハードボイルド、警察、スパイもののドラマを渡り歩いて事件を解決してくって話なんだけど、ミステリーってジャンルが広いうえにマニアックなファンが多いからさ、そのニーズに対応せなあかんくてな」
いぶすきさんの話によると、他にもサスペンスや冒険小説、法廷ものや倒叙ミステリーと呼ばれる犯行現場から始まって犯人を追い詰めるパターン、歴史ものから社会派にSF、エトセトラエトセトラ……とミステリーにくくられる細かなジャンルは多数存在するらしい。
「いやー、ほんとAIサマサマだわ。それぞれのジャンルのストーリーパターンをボンボン作っちゃってくれて」
瞑が久々に口を開ける。
「あの、さきほど湯沢君からの相談に適した謎解きのドラマはありそうでしょうか?」
「あっ、そうやった、ちょいと待ってね」
いぶすきさんはリモコンでパネルの表示をどんどん変えていく。すごいタイトルのボリュームだ。
「えっと、これなんかどうかしらん?」
スクロールしすぎて一旦見えなくなってしまったタイトルを戻して表示させた。
『リケジョのカノジョは科学捜査官』
ん⁉ なんかテレビのサスペンスドラマで似たようなタイトルのものがあったような。
「これは、どんなストーリーですか?」概ね予想はつくが、いぶすきさんに聞いてみる。
「警視庁に科学捜査研究所、略して科捜研っていうのがあるんやけど、名前の通り、科学捜査が得意なチームでね、捜査官は医学、情報科学、人文、化学、薬学なんかのスペシャリストがそろっていて、その中には生物工学やシステム解析・情報工学、つまり情報通信を専門にしている人もいるわけ。あんたたちが相談してくれはった話ってさ、このメタバースの世界で起こっていることでもあるし、瞑さんの脳の話でもあるわけでしょ? だからリケジョのお姉さんたちが頼りになるんじゃないかと思うてね」
なるほど、そういうことか。
「おもしろそうね」
と瞑も納得したようだ。彼女は元来リケジョなので興味もあるようだ。
「じゃあ、いぶすきさん、『リケジョのカノジョは科学捜査官』のストーリーを体験させてもらえますか?」
「了解。じゃあね、その入口を通って『シアター5』に入ってくれる? あ、飲み物忘れないでよ」
本当にシネコンみたいだ。
「映画のデート、楽しんできなはれ」
あの、いぶすきさん、そういうんじゃないですけど。
瞑と僕は飲みかけのジュースのカップを持って、照れながらシアター5のドアを押した。
ドア上には、『イマーシブ・シアター』と表示されていた。このテーマ・ワールド自体がすでにイマーシブではないかと思うが。
シアターの中は前面に大きなスクリーンがあって、ずらりと客席が並んでいる――と予想していたが、それを裏切られた。入るとそこは大きな部屋になっていて、パソコンや様々な計器類、実験道具が並んでいた。この大部屋を取り囲み、すりガラスで仕切られた部屋も多数見受けられる。イマーシブ・シアターとはこういうことか。
テレビドラマで見た科捜研の部屋はやや薄暗く、独特の雰囲気を醸し出していたが、ここは、白を基調とした室内にパステルトーンの什器やオフィス家具が配され、明るく整然とした雰囲気を演出している。
僕と瞑が部屋に入り、閉まろうとしたドアが再び開いた。二人の女性が慌ただしくドアの隙間から入り込んできた。今この世界にログインしているのは、いぶすきさんと僕たちだけだと思っていたので驚く。確かにこの世界は人数制限はあるものの、同時に複数のメンバーがログインできることになっていたが。
「沢井さん⁉ 千堂先生⁉」
入って来た二人の姿を見て僕は再び驚いた。息を整えつつ白衣を直しているのは、まさに僕たちのサポーターさんと産業医さんだ。
「こういうことなら、ちゃんと私たちも呼んでちょうだいね」
やや不満そうに沢井さんが僕に声をかける。
「そうそう、この世界で楽しむ、いや調べごとをするのなら、私たちがいないとね」
どこでどう聞きつけてきたのか、どうやら瞑と僕がここで何かを突き止めようとしていることを知って駆けつけてきたらしい。
僕は、瞑の反応を窺おうと振り返った。三度目の驚きが待っていた。何と! いつのまにか瞑も白衣姿に変身していたのだ。
「これでリケジョが三人そろったのね」
そう言った千堂先生を中心に、白衣のトリオが並んだ。そして足を少し開くポーズをとる。そのポーズ、必要なのか?
「それでは湯沢警部補、ミーティングを始めます」
瞑は僕と二人の白衣の女性を部屋中央のミーティングテーブルに案内する。
僕は警察官という役回りなのか? ログインした時はデニムのパンツにパーカーというラフな格好をしていたが、いつの間にかワイシャツにネクタイを締め、スーツの上着を手に持っている。
「湯沢君じゃなかった湯沢警部補、今回のチームメンバーを紹介するわ」
「こちらは医学班の千堂博士」
瞑が手で指し示した女性がよろしくねと会釈する。この人が千堂先生であることは僕も知っている。
「そして、こちらが情報科学班の沢井さん」
同じく瞑に指し示された女性が会釈した。この人が沢井さんであることも知っている。
「……ところで、瞑の役回りは何?」
この仮想世界に入るといつも思うんだけど、その場の状況設定や登場人物の役回りなど、このプロジェクトに参加している小説仲間の方がよく知っていて、僕は今いち要領を得ないでぶっつけ本番、成り行きに任せて行動させられているような気がする。
「『役回り』という言葉が適切かどうかわかりませんが、私は心理学の担当です」
なんだ、このナリキリ具合は? 瞑は僕の質問を早々に切り上げ進行する。
「さっそくカンファレンスを始めましょう。現在私たちは失踪した城崎舞さんが、なぜ消えてどこに居るのかを解明し、解決の糸口を探し求めています。まず、千堂研究員、ご報告いただけますか?」
リアルの世界では僕たちの産業医である研究員が大テーブルに備え付けのモニターにグラフを映し出す。
「湯沢警部補と城崎研究員には一度『向こうの世界』で見てもらいましたが、瞑研究員(以下瞑さん)の脳内に舞さんの思考領域があることがわかりました」
「それは以前も聞きましたが、他に何かわかったことがあるのですか?」と瞑。
「ええと、このグラフを見てください」
新しい画面が表示されると、横幅いっぱいに折れ線グラフが表示されている。
「これは、瞑さんの脳を検査させてもらった時の脳波の記録ですが、全体としては、瞑さんの脳波だけが検出されています」
千堂さんは、画面の上の方でギザギザしている赤い線を指し示した。
「でも、よーく見てください。緑の折れ線、つまり舞さんの脳波のパターンが不規則に何度か現れています」
「これは、何を意味しているんですか?」
警部補の僕は疑問を口にした。
「現段階では推測の域を出ませんが、恐らく舞さんは、時々瞑さんの体の中でごく短時間ずつ『意識のおもて面』に出ていたのではないでしょうか」
千堂研究員は、メガネのブリッジを人差し指で上げた。
「それって、舞は自分の意思で、意識の表に出たり引っ込んだりできるっていうことでしょうか?」
驚きを隠せない瞑に千堂さんは画面を指しながら答える。
「多分そうだろうね、でも、彼女が表に出ている時間はこの通り、ごく短時間なので、瞑さんも気がつかなかった。
「そ、そんな……なんで舞はそれを今まで隠してたの……それができるのなら私に替わって、もっと出てきてもよかったのに」
瞑は自分が今研究員という立場を忘れて感想を漏らす。そしてみんなに謝った。
「私情をはさんでしまい、すみません……それで、千堂研究員、他には?」
「そうですね、ここから先の話は、沢井研究員に協力してもらい、仮想空間へのアクセスデータと合わせて分析てもらった結果になりますので、沢井さん、ご説明をお願いできますか?」
「わかりました。では、こちたのグラフを見てください」
沢井さんは画面を切り替え、新しいグラフを移した。
「これは、瞑さんがこの世界にログインしている時に、あの冷えピ〇を通じて収集した、瞑さんと舞さんの脳波のパターンです。この通り、瞑さんの『複製アカウント』がブロックされるまで、瞑さんと舞さんは同時に仮想世界に現れていたことがわかります。特に、陰陽幻想曲の世界で舞さんが瞑さんを助けに行ったとき、それからコピーのアカウントがブロックされた後に瞑さんと湯沢君、じゃなかった湯沢警部補が城崎邸の舞さんの部屋に訪れた時に波形が強く出ています」
確かにそれは、瞑や僕が仮想世界で舞と出会ったり、ともに行動したことと一致している。そこから何か新たなことがわかったのだろうか? その疑問を察知したかのように沢井研究員は説明を続ける。
「実はこれだけでは新たな発見を得ることはできませんでした。そこで計測したデータをもっと遡ってチェックしてみたわ」
沢井さんはさらに新しい画面を開いた。
「これは、『イマーシブ・ギア』という冷え〇タを含む三点セットをみんなに渡した時からのアクセスログと脳波形の記録です。脳波形は、舞さんのものだけ表示させています」
パッと見、それが何を意味するのかを読み取れなかった。
「折れ線グラフのバックが白地とブルー地の二種類あると思います。白地は瞑さんと湯沢警部補が一緒にログインしていた時間帯、ブルー地は瞑さん単独で入っていた時間帯……多分瞑さん一人でテスト的に何回かこの世界に入ってみたのでしょう」
「ええ、確かに何度か一人でログインしました」
瞑が肯定する。沢井さんはそれを確認して続ける。
「よく見てね。瞑さんが一人で入っている時は、舞さんの脳波は活性化していない。一方、湯沢警部補と一緒の時はこのように活性化しているの」
確かに、バックが白地の箇所では赤い折れ線グラフと青い折れ線グラフが同じくらいレベルで表示されている。
「湯沢警部補、このことから何がわかるかしら?」
千堂研究員が、僕に答えを求めた。なぜか口元がニヤリと歪んだ。仕方がないので思ったことを言葉にした。
「そ、それはですね、舞さんは瞑研究員が僕と一緒にいる時だけを選んで意識を活性化させていたのではないかと」
「と、いうことは?」メガネの研究員はさらに答えを促す。
「舞さんは、瞑研究員の意識の下に潜っていても、瞑さんの知覚や意識を通じて、例えば、僕がソバにいるとかいないとか、周りで何が起きているかを把握できていた」
「他には?」千堂さん、しつこい。
「……ぼ、僕に何かしら関心があった」
僕のコメントを聞いて、表情こそ変えなかったが瞑の眉がぴくっと動いたのがわかった。
千堂研究員は手を胸の前で合わせ、パチンと鳴らした。
「さあ、色んな事がわかってきたわね……でも、もう一つ新たな謎が生まれたわ。舞さんは湯沢警部補にどんな関心を持ったのかしら?」
千堂、沢井の両研究員は、僕と瞑の顔を代わりばんこにジロジロ見る。
すると、瞑(研究員)はテーブルに両手をついて、ばっと立ち上がり、ポータブルのホワイトボードの前に立った。
「わかりました。ここからは心理学担当の領域です」
彼女は、マーカーでポンポンとボードを叩きながら、僕をギロっと睨んだ。
「湯沢警部補に聞きます。この前、仮想世界の舞の部屋で彼女と話しましたよね? その時の会話を思い出してください」
「あの、それって僕への取り調べ? っていうかそれは警部補の僕の仕事なんじゃ……」
「つべこべ言わないで思い出してください!」
千堂、沢井の両研究員は顔を見合わせてクスクス笑っている。
ここからは僕と瞑とのやりとり……尋問と言っていい。
「えーっと、自分のことをマイって呼んでくれって……メイだけ名前呼びしているのは不公平だって」
「(ピキッ)まあ、それもそうね」そう言って瞑は僕の発言をホワイトボードに書きとめていく。
「それから?」
「それから……もし瞑の体を乗っ取りたかったら、とっくにそうしてるって」
「(ピキッ)さっきの話ね。舞はいつでも自分の意思で『意識の表に出られる』っていう」
何か瞑が喋るたべにピキッと聞こえるのは、気のせいだろうか。
「で、それから?」
「あの、前にも言ったけど、僕のことぶんどっちゃうぞって」
「(ピキピキッ)ああ、確かにそう言ってたわね」
瞑は、腕を組んで何かを我慢しているようだ。
二人の科捜研の研究員は下を向いて笑いをこらえている。
「もうないの?」
「え?……何で僕のことが急に出てくるのかって聞いたら『ニブチンには教えてやらない』って」
その言葉を聞いて、瞑はホワイトボードに向かって、殴り書きを始めた。
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『解明した謎』
・舞は自分の力で好きな時に『意識のオモテ』に出ることができる
・舞は『意識のウラ』に潜っていても、瞑を通じて何が起きているかを知ることができる
・舞は、湯沢誠と一緒に居られるタイミングを狙ってオモテに顔を出している
・その理由は、舞が湯沢誠に好意を寄せているからである
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ここまで書いて、瞑研究員は僕の方に向き直った
僕は慌てた。
「ええ⁉ 舞が僕に好意を持っているなんてそんな……」
「ほらニブチン!」
瞑にはギロリと睨まれるし、千堂さんと沢井さんは腹を抱えて笑っているし、とんでもない研究所だ。
瞑は再びホワイトボードに向かい、板書を続けた。
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『舞を呼び戻す解決策』
・『湯沢誠』を餌にして、舞をおびき寄せる
・『湯沢誠』を餌にして、舞が『意識のオモテ』に出たくなる体験をさせる
・その体験の場は『アノニマス・カップル(恋愛)』と『 Start Over(青春)』
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瞑はマーカーを置き、つぶやいた。
「これで、今後の方針が決まったわ」
僕はボードに書かれた文字をマジマジと見直す
「あの、僕を餌にするって、どういうこと?」
「そのプランは、このあとリアルに戻ったら一緒に考えましょう」
……何でこうなった⁉ なんか無茶苦茶、瞑と舞との戦いに巻き込まれているような気がする。
「ねえ、瞑ちゃん」
そう言って、千堂研究員が瞑の着席を促す。どうしてここから『瞑ちゃん』呼び?
「ところで……瞑ちゃん自身は湯沢君のことどう思っているのかしら?」
突っ込んできたのは沢井さんだ。
「どうって、その……」
僕は身の危険を感じた。
「お先に失礼します!」
と断り、ヘッドアップ・ウィンドウを表示させて、そそくさとログアウトの動作を行った。




