仮想世界の下見と舞の捜索
二人のサポーターさんとエンジニアさんからのレクチャーの後、長めの休憩時間となった。といっても、この後、十八時三十分の夕食までの時間も瞑と相談して自由に予定を組み立てられる。地下のシステム統合管理ルームを出た僕と瞑は、ひとまずメインルームに戻った。
部屋に入るや否や、薪ストーブ横の自分の居場所で寝ているはずのデブ猫がピクリと耳を動かし、やがて顔を上げ、こちらの方をというよりは瞑をめがけてノソノソと歩いてきた。
この部屋で二グループの高校生とサポーターさんが確認できた。
『オムニ・ミステリーチャンネル』でミステリー部門に入賞した、いぶすきのぞみさん、『Start Over』で青春部門に入賞の玉名コージさんの高校三年コンビ。
そして、
『アノニマス・カップル』で恋愛部門入賞の有馬未玖(高二)と、『機械ジカケの俺とお前』でヒューマンドラマ部門入賞の道後知美さん(高三)の女子コンビ。
それぞれ、男女ひとりずつサポーターさんがついていて、四人一組でテーブルを囲んでいる。皆ノートパソコンを開いて熱心に話し合っている。
『貫頭衣ライフ』で歴史・時代部門に入賞の別府陽一先輩(高三)と、『陰陽幻想曲』でファンタジー部門に謎の(?)入賞を果たした、僕と腐れ縁の草津ミコトのペアは、部屋の中には見当たらない。
僕と瞑は、厨房から運ばれた料理を並べるスペースを兼ねているバーカウンターのハイチェアに座り、今後の事を話し合う。デブ猫は瞑が座る椅子が高いので、瞑の膝に飛び乗ろうかどうしようかウロウロ迷っていたが、結局、瞑の隣りのハイチェアに収まった。
「あのさ、提案があるんだけど」
珍しく僕から切り出した。でも瞑も同じことを考えていると思う。ここに来ての大きな収穫の一つは、『意外にも瞑は思っていることが顔に出やすいタイプだ』とわかったことだ……いや、敢えて僕に何をして欲しいか表情で訴えているのかもしれない。
「何? 言ってみて」
「ベーシック・ワールドの世界観や物語をいろいろ考える前に、まずはベーシック・ワールドに行ってみないかい? どんな世界なのか、まず知っておいた方がいいと思うんだ」
「賢明ね、私もそれに賛成するわ」
口には出さないが、瞑にはもう一つ、ベーシック・ワールドにログインする目的があるはずだ。双子の姉(のAI)、舞さんの捜索。サポーターの沢井さんと加藤さんからの情報によれば、この世界のどこかに彼女がいるはずだ。
「じゃあ、十五時に出発だ。……ええと、場所はここか、お互いの部屋からでいいかな。どうせ、仮想世界の中での待ち合わせだし」
瞑は、右手の人差し指をコメカミに当てて、しばらく考え、口を開いた。
「ねえ、私の部屋に来ない?」
「え⁉」
僕は耳を疑う。
「だって、装着しているギアやシステムにトラブルがあったら、お互い近くにいる方が対応できるでしょう。あの『冷○ピタ』を外すとか。だいたい、パジャマ姿でここに横たわっているのは恥ずかしいし」
まあ、瞑の言うことはもっともだ。
「そう言えば、医学博士の千堂先生が、脳波をモニタリングしてるって言ってたけど、大丈夫かな?」
「そんなの構わないわよ。どこからログインしたって同じことだし。だいだい、ベーシック・ワールドへのログイン履歴は、システムで管理されているはずよ。別にログイン場所が特定されたっていいじゃない」
なんという度胸。
ということで、僕は、パジャマのような『インタラクション・スーツ』に着替え、瞑の部屋に向かうことになった。廊下を歩くときは恥ずかしいので、上からデニムのパンツをはいた。
『右左脳の姫君』との通り名がある瞑が、こともあろうに僕が彼女の部屋をノックして入って来るまで、ある重要な事に気がついていなかった。
この『イマーシブ・ギア』と名づけられた仮想空間ダイブ三点セットは、装着したら体を寝かせないと使えないのだ。椅子に座って使用すると、何かのはずみで体が反応し椅子から転げ落ちる心配もある。
部屋には二段ベッドがあるが、瞑はミコトと同室で、下段を瞑、上段をミコトと分け合っているとのこと。
「あ、僕は床に寝てダイブするから」
瞑が口を開く前にそう言って僕は寝っ転がった。
「そう。悪いわね」
タオルケットを僕の体の上に放り、彼女はベッドに横たわった。
ベーシック・ワールドでの待ち合わせ場所は『秋葉原駅前広場』にした。別に猫カフェデートを再現したいわけじゃない。リアルでは賑やかな場所が、この世界ではどうなっているのか、確かめたかったのだ。
僕たちは、パースソニック・マスク(アイマスク)、センス・ブースター(冷○ピタ)を装着し、システムにログインすると、目の前に表示されたナビゲーションウィンドウのマップに「秋葉原駅前広場」と入力し、ベーシック・ワールドに向かう。基本、音声コマンドが使えるのだが、コマンド文の頭に自分の名前の「逆さ文字」をつける必要があり、僕の場合、「トコマ。秋葉原駅前広場に行け」となるので何となく気恥ずかしい。名前が二文字だと、その繰り返しとなる。瞑の場合は、「イメイメ」か。これもどうかと思う。
『目的地に到着しました』というカーナビのようなメッセージが流れる。何の衝撃もなく重力を足の裏に感じ、僕は地面に立っている。目を開けると、最初風景がぼやけていたが視界がはっきりしてきて、そこは紛れもなく、秋葉原の駅前広場だと確認できた。ただし、プレイヤー(人)もノンプレイヤー(NPC)もまったくいない。駅の改札口の方から女性が歩いてくる。瞑だ。何らかの理由で人類が滅亡し、数少ない生き残りの一人の女の子が歩いてくる……そんなSF的な光景。それはつい最近、実際に瞑とこの場所で待ち合わせをした時にイメージした通りのものだ。少し背筋が冷たくなる。
「これが、デフォルトの設定なのね。なんか寒々しいわ」
瞑は僕の隣りに並ぶとそうコメントした。まったくその通りだ。
彼女は、通っている高校の制服を来ている。僕も自分の学校の制服だ。
今、リアルの空間で会っているのではないかと思うくらい、彼女の姿も周りの風景に見事に再現されている。
多分服装の選択画面もあるのだろうが、現段階の僕らのデフォルトの服装は制服らしい。あまり意識していなかったが、デフォルトが全裸の設定だったら、一糸まとわぬ姿で仮想世界に降り立つ危険性もあったわけで、余計に寒々しく感じた。
「湯沢君、ナビ・ウィンドウ開いてる?」
「ああ、うん」
「プレイヤー、ノンプレイヤーリストも見えてるかしら?」
僕は、戦闘機のヘッドアップ・ディスプレイのようなナビ・ウィンドウを眺め、いくつかの小窓の中からプレイヤーリストを指先でクリックした。
プレイヤー、ノンプレイヤーそれぞれの合計人数と、名前の一覧が表示される。
プレイヤーは合計三五名。恐らく、センターの開発スタッフの方々だろう。ノンプレイヤーは二百二十名。この広場には、誰もいないが、僕たちを含め、二百五十名以上のプレイヤー、ノンプレイヤーがこの世界に存在していることになる。
「イメイメ。『マイ キノサキ』というノンプレイヤーを探して」
瞑は早速、音声コマンドで双子の姉(のNPC)の居場所を探し始めた。
何度か名前を変えて命令を実行してみたが、ヒットしなかったようだ。
彼女は、僕には見えない、ナビ・ウィンドウをスクロールさせながら目で追っている。でもそれらしい名前は見つからなかったらしい。一旦目を閉じ、何かを思いついたのか、再び目を開け、僕に顔を向ける。
「湯沢君、お婆さまの名前、探せるかしら?」
あ、そうだった、と僕もリストをスクロールさせる。
「あった! Tei Yuzawa」
「Tei(貞)」は、ばっぱ、祖母の名前だ。居場所も岩手県。
“N”(NPC)のグループに分類されている。名前の後ろに☆(スター)マークがついている。僕はそのことを瞑に伝える。
瞑も僕の祖母の名前を見つけたようだ。
「でも、私のリストには、☆マークはついてないわ」
「うーん、違いは何だろうね」
「そうか。湯沢君の記憶データがインプットされているって印じゃない? プライバシーに関わる情報は、本人にしかわからないってサポーターさんたちが言ってたし」
「なるほど、さすが瞑だなあ!」
僕は、祖母の英文字の名前を見つめ、いつかまた会いたいと思った。それは、このベーシック・ワールドの中か。テーマ・ワールドの中か。
「湯沢君、少し何カ所か探してみてもいい?」
「いいけど、このリストに載っていないと言うことは……」
瞑は言葉を遮るようにして、住所を僕に伝えた。千葉県習志野市、そこは彼女の自宅で、生まれた時から今までずっと住んでいるらしい。
ナビ・ウィンドウのマップに文字で入力していると、恥ずかしげもなく音声コマンドを使う瞑に置いて行かれるので、僕も渋々、地名の前に『トコマ』とつけてコマンドした……間抜けな響き。いきなり、瞑は僕の手をとった。
「多分こうした方が、同じ場所に移動できるんじゃないかと思って」彼女は照れ気味にそう言った。
リアルの世界と、このバーチャルの世界の最大の違いは、空間移動が簡単にできてしまうことだろう。
目を開けると、僕と瞑は手をつないだまま、住宅街の細い道路上に立っていた。まわりには人気は無い。
木材とレンガブロックを組み合わせた瀟洒な一戸建て住宅を瞑が指さす。
「ここ、私の家」
彼女は、念のためナビ・ウィンドウのリストをチェックし、家の周りを見て回る。舞さんの姿は見当たらないようだ。僕はさっきも言いかけたが、リストに載っていないということは、このベーシック・ワールドにいないのではないか? でもそれを言い出しにくく、しばらく瞑の気の済むようにしてもらうことにした。
付近の商店街。
瞑が生まれた病院。
瞑が通った小学校、中学校。
幕張にある、今通っている高校。
すべて空振りだった。
高校のエントランス付近にあるベンチに僕と瞑は座って一休みする。
気温は暑くもなく、寒くもなく。日射しもほどほどで、緩急をつけて風が吹いている。
「どうしていないの? 舞……」
瞑は手で顔を覆いながらうつむく。
あまり慰めにならないが声をかける。
「おかしいよね、サポーターの加藤さんは、僕たちが関わったNPCの人々は、ベーシック・ワールドにいるって言ってたのに」
「うん……どこかにいると信じたい」
瞑はいつになく自信なさげにそう言った。
「あーあ、この仮想世界へのアクセス権限を上げてもらった僕らでも、打つ手なしかなあ……」
僕のボヤキを聞いて、瞑はキッと睨む。
「今、何て言った?」
「ご、ごめん。無神経だった」
「そうじゃなくって」
「え、えーと、せっかくアクセス権限あげてもらったのにって」
「そうか……その可能性はあるわね」
僕には何が何だかわからなかったが、瞑は何やら思考を巡らせている。
そして、ナビウィンドウを開いて操作し、何かを確認した。
そして彼女は頷いた。
「湯沢君、行って見ましょう。テーマ・ワールドへ」
「え?」
「まずは、再び、『異種間交流』のバーチャル空間よ」
「え?」
瞑の言うがままに、ナビ・ウィンドウを開いてさらに小窓を探すと、テーマ・ワールドに移動するためのリンクボタンがあり、それはハイライトされ、選択可能になっていた。サポーターさんが僕たちに権限を与えておいてくれたのだろう。でも、舞さんはこのベーシック・ワールドにいるはずだ。
「いくら僕たちが、テーマ・ワールドに行けるからって、舞さんが自由にそこにいけるわけじゃないと思うけど」
「普通に考えるとそうね。……でも、舞は、私と同じ遺伝情報をインプットされている。システムが舞のことを私と認識して権限レベルを上げているかもしれない」
……NPCの舞さんを人間の瞑として認識する? 可能性としてはあり得るか。
「でも、異種間交流の空間には、瞑がいないんなら、舞さんがそこは行く理由はないんじゃないかな」
「いいからとにかく、行ってみましょう」
「……わかりました」
僕たちは、一旦テーマ・ワールドのハブとなるスペースに入った。そこは、駅の待合室のような質素な造りで、壁にはタッチパネル式の大きなモニターが一面だけ架かっている。
その画面上には六つのテーマ・ワールドのウィンドウが表示されている。
僕と瞑は顔を見合わせ、うなずき合うと、一緒に『異種間交流』とタイトル表示されたウィンドウのエンターボタンを同時にタッチした。
僕たちが降り立ったそこは、今日の午前体験したばかりの場所とは似ても似つかなかった。
ビルや住居などの人口の建造物と緑地帯。その向こうには海が見える。どこにでもあるような、日本の街の風景だ。
目の前に表示されたナビ・ウィンドウを見ると、ノンプレイヤーのリストはゼロで、プレイヤーのリストにあるのは、僕と舞だけだ。
ん?
このテーマ・ワールドを案内する小ウィンドウ見ると、赤く点滅する『!』マークがあった。それをクリックすると、メッセージ文が浮かび上がった。
『このテーマ・ワールドは、同じ空間に複数のプレイヤーが参加することはできません。ハブ・スペースに戻って、別々に入り直してください』
そうか。考えてみれば午前中の体験では、『僕とAIのばっぱ』、『別府先輩とAIのポーターさん』、そして『瞑とAIロボのナビ子(多分、舞さん)』と、一対一のストーリーで、そこに登場した人々はみなNPCで、プレイヤーつまり本物の人間はいなかったはずだ。
「瞑、一旦ハブ・スペースに戻って入りなおそう」
「そうだね。わかった」
瞑も同じように推測したらしい。
僕らは、一旦ハブスペースに戻った。
さっき移動用に使った壁掛けの大型タッチパネル式モニターのウィンドウをよくよく見ると、次のような表示があった。
『陰陽幻想曲』『パーソナル』
『貫頭衣ライフ(歴史・時代)』『オープン』
『機械ジカケの俺とお前(異種間交流)』『パーソナル』
『アノニマス・カップル(恋愛)』『ペア』
『Start Over(青春)』『オープン:人数制限有』
『オムニ・ミステリーチャンネル(ミステリー)』『オープン:人数制限有』
どうやら、それぞれのストーリーに合わせて、個人で体験するもの『パーソナル』と、複数のチームで参加できるもの『オープン』に分かれているようだ。
「瞑、一人で異種間交流ゾーンにエントリーしてきていいよ。僕はここで待っている」
「湯沢君は、行かなくていいの? 別々にエントリーすれば大丈夫だと思うけど」
「うん、僕はここで待っている」
今日の今日で、ばっぱがいるあの空間に戻るのは、色々な意味でちょっときつい。
「わかった。舞がいたらここに連れてくる」
「そんなことできるのかな?」
「うん。多分」
そう言うと、瞑は壁面のモニタにタッチし、舞の姿のアバターがフッと消えた。
十分経つか経たないか。
瞑が戻ってきた。
一人だ。表情は暗い。
「どうだった?」
「エントリーした場所は、午前中に体験した場所と同じような場所だった。病院の庭。でも……しばらく待っても何も起きなかった」
「そんなはずは……」
「ナビ・ウィンドウで探したけど、プレイヤーは私だけ、ノンプレイヤーは何人かいたけど、舞と思われる名前は無かったの」
「それで一人で帰ってきたのか」
元気のない瞑を質素な造りのベンチに座らせ、二人並んで腰かけた。
独り言か、あるいは僕に問いかけているのかよくわからなかったが、瞑はこう言った。
「あと、テーマ・ワールドには、どんなスペースがあったかしら」
壁のモニターを見ながら僕は答える。
「えーっと、ミステリーの世界、年齢性別正体不明なカップルの恋愛の世界、ダークファンタジーの世界、青春をもう一度やり直す世界……あと、歴史物で弥生時代の貫頭衣の世界だったかな……これは人数制限なしで、オープン参加が可能だな」
瞑はいきなり立ち上がった。
「行ってみましょう。弥生時代の貫頭衣の世界へ!」
なぜ瞑が弥生時代の世界に反応したのか謎だが、彼女には何かピンとくるものがあったのだろうか。
「あの子は、好奇心旺盛なのよ……多分、こういうの好きなはず」
今いるハブからは、壁に架かっているタッチパネル式のモニターでもエントリーできるが、二人それぞれナビ・ウィンドウで『貫頭衣ライフ』のテーマ・ワールドを選び、手をつなぐとそれぞれエントリーボタンを押した。
目を開けるとそこは、海に面した大地で、短く苅られた草原に、数十棟の建物が集まっていた。すべて茅葺きの屋根で、大半が丸くて背の低い竪穴式の建造物。それにいくつか高床式の小屋や櫓のような背の高い建物が混ざっている。集落の周囲はぐるりと田んぼに囲まれていて、青々とした稲穂が風に揺られていた。なぜか所々に直径三メートル位の焼け焦げたような黒い穴があいている。
この集落の中で一番大きな高床式の建物の前に人影が三つあった。
三人とも、うす褐色の簡素な着物をまとっている。女性らしき姿が二つ。歴史の教科書で見たことがある『貫頭衣』姿だ。男性らしき人物は、腰に布を巻きつけた、スカートのような衣服を身につけている。上半身は肩から布をかけ、胸の前で結んでいるだけ。
自分の体をざっと見まわすと……僕も同様にぐるりと布を巻いて太めの紐帯で締めただけ。ヘソのあたりがスース―する。瞑は貫頭衣姿になっていた。なかなか様になっている。
「多分、湯沢君の服は、『横幅衣(おうふくい』というものね」
彼女はちらっと僕の方を見て、ちょっと顔を赤らめてそう言った。
ちょっと露出が多いが、好き好んでこういう恰好をしているわけではない。
人影は、男女二人がこちらを向いており、一人の女性が背中を向けている。二対一で睨み合っているようにも、呆然と見つめあっているようにも見える。
僕と瞑はそろそろと三人に近づく。
こちらを向いている二人の正体はすぐにわかった。
この世界の原作『貫頭衣ライフ』を書いた別府先輩と、僕の腐れ縁、草津ミコトだ。もちろんこの世界のアバターだが、背格好も顔もリアルの世界のそれとまったく同じだ。
「舞……舞だよね?」
僕のすぐ背後から声がした。
瞑は小さいがはっきりとした口調で、背を向けている女の子に問いかけた。
その子が振り向く。顔は、瞑と瓜二つだ。
別府先輩とミコトは口をあんぐりと開けたまま、舞と呼ばれた女の子の顔と瞑の顔を、何度も何度も見比べた。
十秒ほどその動作を繰り返した後、ミコトが目を見開いたままつぶやいた。
「な、何で瞑が二人いるの……?」