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第81話 新担任

 ランスが学校の敷地内に引っ越してから、朝の通学は数段楽になった。

ノアの生活も安定してきて、ランスからの頼まれごとをこなしたり、学校の外へ出かけたりして楽しく過ごしている様子だった。


その日もいつも通り教室につき、教師が入ってくるのを待つ間、サンに延々と話しかけられていた。

周りの生徒も各々講義前の自由時間を楽しんでおり、教室の至る所で話し声が響いていた。


ちょうど講義が始まる時刻になった時、ガラッと教室前方の扉が開いた。


普段は代理の教師が入ってきても、すぐ静かにならなかった。

講義開始の宣言がされるまで教室は騒がしいままで、教師が声たらやっと会話を切り上げた。


しかしその日は、教師の入室に気づいた生徒からポツポツと会話をやめていった。

まるでしめしを合わせたかのように、次第に静かになっていった。


サンもだんだんと自分の声がよく通るようになるのに気づいて、不思議そうに前方を見やった。そしてそのまま固まった。

静かになった教室に向かって、教卓の前の男が声をかけた。


「今日からこのクラスの担任を任された。名前はヨルク、魔法は〈(いばら)〉。よろしく」


ほとんどの生徒はその男のことを知らなかった。


細身の長身で清潔感があり、かき上げられた深碧色の短髪、明るいながらも落ち着いた声。

一見したところ感じが良かった。そして右腕が無かった。


その場にいた生徒は、思わずその身体的特徴に目がいった。そして疑問を持った。

この学校の主要な教員たちは一通り認識しており、さらに連日代理教師がやってきて、必然的に色々な教員に会う機会があったのに、今目の前にいる人が

わからない。言葉を選ばずに言えば、こんなにも人と違う特徴があるのに。右腕がない人間は、見たらまず覚えるだろう。


教室は異様な空気に包まれた。教室の生徒はみんな、担任と名乗る男の言葉を待つしかなかった。

ヨルクはゆっくりと教室を見回した。困惑を浮かべた生徒に向かって、慎重に言葉を選んでいる様子だった。


やがてまた口を開いた。


「まずはまぁ、今日まで担任不在でたくさん不便をかけていたこと、職員の代表として謝らせてくれ。

それから、色々と気になることがあると思う。俺が誰かとか、担任決まった経緯とか。それらを全部俺から説明するのでもいいけど……」


ヨルクは一呼吸おいて、カラッと笑って続けた。


「せっかくだしこの最初の授業、みんなからの質問を何でも受け入れる時間にしよう。

何でも聞いていいし、どんな質問だって全部正直に答える。聞きたいことがあるやつから、挙手してくれ」

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