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白いツバサ

異世界召喚と獣使いの救世主

作者: リィズ・ブランディシュカ



 異世界に召喚された少女は天然だった。


 そのため、自分が窮地に陥っている事に気が付けなかった。


 人さらいに攫われかけているその状況を、危機的状況だと認識していない少女は、のんびりと過ごしていく。


 馬車にゆられてご飯を食べて、お昼寝する毎日を送っていた。


 そんな少女はある日、自分を保護してくれた人達が、大きな獣に襲われるのを見た。


 このままではいけないと、少女は飛び出した。


 少女をさらった者達は、自らの行いを悔いて、これからは正しく生きていく事を誓った。


 すると奇跡が起きた。


 そんな彼等の前に立っていた少女は、不思議な力を発した。


 少女の中に眠っていた力が目覚めて、獣を従える事に成功したのだった。


 獣使いになった少女は、それからも多くの獣を従えていく。


 それを見た人さらい達は、心機一転。大道芸の一座をはじめて、各地をまわっていった。


 動物を用いたショーは大成功して、またたくまに有名になっていく。


 人さらいたちは、もう犯罪をしなくていいようになった。


 心改めた彼等は、各地で食うに困っている孤児達を拾っては、芸を仕込んで、一座に引き込んでいく。


 やがて、独立した者達がさらに人員を増やして、有名な大道芸の名前を広げていった。


 一方、異世界へ召喚された少女は、動物と一緒にショーをしながら、大道芸人として独立し、各地を放浪。


 同じように子供達を助けて、芸のやりかたや獣との共存のコツを教えていった。


 そんな少女は、恋人を作って、子供を生んで、大人の女性となった。


 生活の基盤もできているし、知り合いも多いため、元の世界へ帰る事は諦めていた。


 だが、なぜ自分がこの世界に召喚されたのかがずっと疑問だった。


 その答えは、子供の才能が開花した時に判明した。


 かつて少女だったその女性は、自らが住む国が戦乱の渦に巻き込まれていくさまを目の当たりにしていた。


 周辺の国は敵国だらけ。


 国が消えるのは時間の問題だった。


 しかし、女性の子供が獣使いの力を発揮し、神獣と呼ばれる特別な獣を従えて、国を守った。


 不利な状況をひっくり返し、周辺国を圧倒して、不用意に手出しできないようにしたのだった。


 そんな子供を見た時に、女性は思った。


 自分はこの為に、この世界に召喚されたのだと。


 それから女性の子供は、名誉ある獣使いとして歴史に名をのこした。


 国を救った英雄として、多くの人がその名を記憶に刻む事になった。



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