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二十二

 

 ☩


 それから約一ヶ月が経ったある日。事前に予想されて居た通り、世界に燃える石の雨……つまり、火の付いた硫黄の雨が降り注ぎ、世界中の多くの人々が塩の柱化して行きました。

 ……ぶっちゃければ、問題視されただろう話に付いては創作の世界だと有り触れている話なので、何でウチだけ感が凄いですが、一部の奴は解った上で運用していたでしょうしねぇ。……と其処に宝石で装飾された木々がいきなり生えて来ました。敵の攻撃? なら、対処し無いと。と思っていた所で変態のスプリンガーに止められます。


「その木々は味方側のギミックだ。いわゆる世界樹って奴だな。硫黄は植物の肥料にも成る。降ってくる硫黄で成長しているだけだろうから気にするな」

「……大地汚染とかは気にしなくて良さそうですね。それより塩の柱に成った人々は如何しましょうか」

「……ルド様の手のひらの上の様で釈だが、前にルド様に取得を促された能力を他人に使えば助けられる」

「……解りました。じゃあ私は硫黄の雨を妨げる奴を出して行きます……」

「そっちは頼んだ。……ってか、ルド様は何をしているのか。ルド様が出張って来いやと」


 其処でいきなり辺りが暗く成ったり明るくなったりを繰り返したので上空を見ると、上空を頻繫に何かが大規模に横切りまくって辺りには割と強めの空気振動が起こりまくって居ます。建物のガラスが割れるとか地震も起きて居ますね……。

 誰かが地面を操る魔法や異能を使ったとかですかね? ……それとも火山噴火レベルの威力が広範囲の上空に高速で何度も何度もばら撒かれている、と言う事でしょうか? 更には世界が歪んでは戻り、歪んでは戻りを繰り返し始めました。


「……どうやらルド様は別件の処理中ですね。ルド様が前に似た事をやっていたので」

「ルド様が原因か。あの龍の所業も有る気もするが。どちらにせよ味方の所業だから良いが」

「龍か何かは知りませんが、それはともかくとして、なんかヤバイ奴がやって来ているみたいですね」

「……なら他の奴は?」

「他所の対処中かと」

「……はぁ、世界中に燃える石の雨を降らす能力、か、神話をアップグレードして再現とは不遜極まりないな」


「私達の方がもっと不遜ですよ。神の天罰を模した物を乗り越えようって言うのですから」

「神の天罰を模した攻撃をされたから処理しているだけなのだがねぇ」

「……それより処理を速くしますよ」

「へいへい」


 そしてひたすら燃える石の雨を凌いで四時間が経ち、世界中の歪みも治りました。……問題はこれからです。


「何故、性の乱れへの天罰を模した物が”何もそれらしい事をやっていない我々に降ったのか”……ネットで大論争起きているな、これ、どうする?」

「……実際は変態行為やっていたからですが、そうじゃないと教育された方々が論争をしていますからねぇ……」


 事後処理を行って行くために辺りを見回すと……火事が起きて居たり建物が崩れて居たり塩柱が沢山そびえ立っていたり廃墟にかなり広範囲に世界樹が生い茂る形に成っていたりしています。


「この世界樹、如何します? まさか世界樹を燃やす訳にも行かないですよね?」

「まあ、株分けは出来るから剪定して他所に接ぎ木する、かな」

「この世界樹に付いている宝石みたいな物は何なのですか?」

「能力強化アイテム。但し強化の方式が精神汚染依存だからそんなに使われない」

「……精神汚染がどの程度か次第ですかね」


 軽微なら使う選択肢も有りだと思うのですけど。


「強い能力に成れば成るほど精神汚染は強い物に成る」

「……ゴミじゃ無いですか」


 折角の能力強化アイテムなのに精神汚染が邪魔過ぎますね……。


「精神汚染は使い手の意思を調整する為に使われていて、世界樹側の意志に沿う事をやる分には差し障りない」

「……洗脳効果が有るが、洗脳されずとも世界樹側なら軽微な意味しか無い、か……敵が強奪してきたら効果を発揮する系って感じですかね?」

「最初から完全な味方が使う分には差し障りないアイテムって言う設計ってだけだがね」


「なら何故使われないのですか?」

「……使うと自動的に自分の上司が増える様な物だから」

「ああ……そう言う……」


 例えば世界樹側の味方側認定の基準が世界樹を護る行動を第一とした行動を取れ、なら、世界樹を害するつもりが無い奴には基本は問題無さそうですが、所属周りで多少面倒に成るかな? と言う感じ。


「闇が深いよな。まあ実際味方に成る契約をしたら力を与えます。……に、味方に成るように強制力が付いているだけだけど」

「……これから如何します?」

「……ちょっと他と話し合ってみようか。ルド様は居場所が解んないし、聞く限り一番近い所に居る水霧の野郎の所に行こう」

「はい。じゃあ行きましょうか」


 場所を移動し、辺りを見回せる高さのとあるビルの屋上に居た水霧さんの所に移動すると、水霧さんは辺りの被害状況を見渡しながら言います。


「スプリンガー、それに河合さん。大変な事に成ったな」

「……お前は今回の話は知っていたのじゃ無いか?」

「……性的価値は認めて無いよ……それに性的価値を認めたら、俺の嫁がまだ弱かった時に皆にバフで散々ドーピングして貰って居た時期の話がアレに成る訳だし」

「「……」」


 ……脳裏にそれは結果的には輪○されていた様な物なのでは? と言う言葉が浮かびましたが自重します。


「まあ、身体は綺麗さっぱり別物にした後では有るがね」

「……それで良いのですか?」

「……良くはないけど、だからとじゃあ俺の嫁が強くなる前の段階で一切のバフ無しで同じ事をやれたかと言われると、厳しいと言わざるを得ない」

「……」

「……後、ついでに言えば俺も十津さんにバフを掛けられた事も有るし。……まあ、それが無かったら詰んでいた場面も有るからアレなのだが」

「……闇が深すぎません?」


「バフ能力を使いまくっている奴がそう言う事をしまくりと言う判定に成るなら、な。……はぁ、如何した物か」

「……なんかネット見て様子見してみますか……って……事実に近い推論を挙げた奴が大炎上しているのですが……」

「……ま、まあ、誰でも良い類いの人はともかくとして、誰かに操を立てている類いの人には認められる内容の話じゃ無いし」


「……どうします?」

「どうもこうも無いよ。暫く様子見してから対応を決めるとしよう。あ、後、相手だけが時間を戻す力が有る前提で、それを此方がやられると都合が良い状態にしたから、このままだと都合が悪い告発をぶつけて来たのだろう。多分捕まり能力がばれるのも前提で今回の敵方はやっているぞ」


 ……魔法や能力エネルギーに性的価値が有る、と認め、規制し使わないとすると……構わず使う勢力の奴らに対して規制した分だけのハンデを背負う事に成ります。解った所で利用を止めた後の展開が不味いから価値なし認定で済ますしか無いのに……そうでない風説の流布が十分されちゃっていますね、これは。以下、ネットの書き込みの抜粋の一部。


【ぐへへ、これは是非とも美女と魔法の模擬戦、したいですね】

【回復魔法の医師ってビッチだったのか】

【失礼な。表出ろ、お前】

【魔法や異能戦闘って性的な物のぶつかり合い? さあ、野郎共、魔法や異能で戦闘を行う軍人に成ればブサイクにもチャンスが有るぞ】

【全員落ち着け、それ目的は両刀の性癖じゃ無いと軍人に成る事は地獄だぞ。医師もだが何時も異性にだけ力をぶつける訳じゃ無いだろうし】

【それなら両刀だったら良いのだな? うぉー!!】

【駄目だ、こいつ、早く何とかしないと】

【だが実際問題制限するとして魔法や異能エネルギーの代案って有るのか?】


【一応有ると言えば有るが、魔法や異能を通常出来ない事をやる物だと定義するなら、制限は結構有るな。ナノマシンで色々やる技術は有るらしいけど】

【……それでルド様が後ろ盾に成っているコロニーが有るらしいけど、……怪しいな】

【待て、待て、アレは主目的に付いては別だったはずだぞ】

【魔法や異能が有るのに魔法や異能の代替物を高水準で造りまくるって魔法や異能が使えない状況を見越して無い?】

【魔法や異能は才能依存だから才能に依存し無い物が有っても良いだろ】

【……ルド様はこれを解っていて事前に手配していたのでは?】

【如何なのだろうな】


 ……ルド様が事前にこの情報を知って居たのでは? と言う疑惑、ですか。まあ、極光役者を用意したのがルド様なら解らなくは無いですが開発自体はシェイプクリエーターズ社なはずなのですけどね……。


【私達は自分の体液の掛け合いを敵としまくっていた……ってコト? ヤバイ、死にたいのだけど】

【絶対知っていて悪用していた奴ら居るだろこれ】


 ええ、多分居ましたね、ほぼ間違いなく。


【科学こそ至高。他干渉の魔法や異能はセクハラ行為の権現、規制しろ、科学で全てを補え。我々科学讃美党でそう言う活動をしませんか? と言うサイトが立ち上がっていたな】

【ダイレクトマーケティング染みた事をやるね、こいつ、本当に何を言って居るのか】

【それな。けど科学者を大量に抱えているクラフトライト社がやるって言って居るらしい】


【そうして魔法や異能から脱却して国力は大丈夫なのか? それ?】

【だから色々とそれを補える物を開発しようぜと科学者達を大量に手当たり次第に募集して居るのでは?】

【うわぁ……】


 不穏な話ですね。代替技術がちゃんと揃えられてから移行するなら何とか成りそうでは有りますが……。行先不安ですよ。


【魔法や異能エネルギーが体液と同じ扱いの設定の創作って流行りと言うレベルの数の作品で有る? 無いよ、私が見た限りでは。少なくとも一般的な認識ではないはず】

【根拠がちゃんとしているのだからアブノーマルな性癖です、で、片付けられる問題じゃ無いと思うのだが】

【神がお怒りに成ったのだ。追加でまた何か来るかもよ。神話から引用するなら世界規模の大洪水とか】


【神を語る誰かがやっただけのパターンだと犯人はむしろその神に処されていそうだが】

【その場合世界に告発状を叩き付ける為に神の天罰の類似品を利用した、だからね。一般的には何も無い展開も余裕で有り得る。まあ、魔法戦闘が実は体液のぶつけ合いでしたなんて悪夢から目を逸らせばね】


 論調としては、魔法や異能で扱う物質=体液と同義、それを前提として、魔法や異能を他人にぶつける行為=自分の体液を他人にぶつける行為=セクハラ行為……と。


 感情論で規制しろと言う人が出る事が解る内容なのもアレですね。血液の輸血がエロ系の行為か? そんな訳無いだろ? と言う意見も解るので、此処で言う物質をどれと解釈するかでまた話は変わると思いますけど。


【知らないなら知らないままの方が良い事過ぎるのに、導線が世界規模に多過ぎるよなぁ】

【世界規模の燃える石の雨なんて降らされちゃったしねぇ……】

【神話の厄災が他にも来るかもって事はガチだと思うし、備えとくか。……嫌な予感しかしないな】


 ……と言う感じ。まあ、それはともかくとして。


「水霧さん、ナノマシンの武器転用に付いてレクチャーをお願いできますでしょうか?」

「いいぞ。滞空、飛行、ソーラービーム、氷弾、疑似サイコキネシス、電磁パルス、電磁シールド、放電、等々、何から覚える?」

「……冗談ですよね?」

「大真面目も大真面目さ、使用に必要条件付きのも有るが全部ナノマシンを使えば出来る」

「……それは、それは。……追々お願いします」


 流石に盛り過ぎて居て噓臭いですが、……魔法や異能を使いたくない奴等が代案として挙げる物なのは確かですしねぇ……。


「それはともかくとして、次に来そうな神罰って何か予想付きます?」

「……ゼウスの雷霆」

「……はい?」

「……死者蘇生をやった医神をゼウスが雷霆で殺した話が有る。……蘇生させたり身体を新規で与えたりしたのを世界観壊れそう認定で殺したのだと。……法則干渉とか思いっ切りそれに引っ掛かるだろうし、ゼウスの雷霆雨、来ちゃったりして、なんてね。あ、雷霆は激しい雷の意味ね」

「「……」」


「……すまんフラグ盛大に立てちまったな、これは」

「……何で雷霆が雨の様に降る前提なのですか」

「規模アップグレードして起こされたし、対象に成りそうな奴大量に居るし、単発には成らないなと」

「……うわぁ……」

「只、神のやる事を妨害するとか迫害するとかに対する神罰ネタも有るし、事前の大々的な妨害は追加の何か神罰のトリガーに成るかも。敵が神罰を再現する的な能力ならだが」

「……なら、どうします?」


「塩柱を人間に戻せたのだし、神罰の永続化は別に保証されて居ないっぽいから起きた現象を凌駕する形に持っていけば対処自体は出来る様だ。まあ、普通塩柱にされた時点で死んでいるから以降が考慮されてないだけの可能性も有るし、死後地獄に行き云々とか決まっている神罰ネタはされたらヤバいかも」

「……どうなりますかね……」


 其処にルド様が来て言います。


『今は雑談より諸々の処理をやってくれねーかね?』

「あ、はい、すみません。……ですが、ルド様、ネットの流れ的にコロニーが槍玉に挙がりそうなのですが」

『敵が神罰モチーフの攻撃をして来るとして、……そもそも歴史の浅い神話でも無いと存在し無い物は割と有るからな。コロニーの何が神罰対象に成るのやら』

「……個々の人間への神罰とか」

『……どんなのが有ると思う?』

「……本人の意思が関係無さそうなので、セクハラとかレ○プとかへの神罰を合意で性交渉して居る人が受けそうですね。後風俗利用者とかも」

「……」

『じゃあそう言うのは対策するとして、真面目な話、敵が告発状の意味を攻撃に持たせたいなら、おのずとされる事は絞れる。まあ、相手がしようとした事以外の対策をやったら薮蛇検案だし、それ狙いでも有るのだろうから、対策される事も上等だろうねぇ』

「とにかく、それでも対策、しますよ」


 そして対策に動く事に成りました。告発状の意味を持たせたいなら自然とある程度されることは絞れる、か。……合意有りの行為でもアウト認定とか契約書を書いてどうこうする奴も横領とか扱いに成るのですかね? 

 ……これ、機器を買い使った私もアウト認定がワンチャン有るから速く対処しないと不味そうですね。まあ行為に告発状の意味を持たせたいならそこまで犯罪扱いに成らない事への神罰はメインとしては使って来ないはずですけど……。時間を与え過ぎたら酷い事に成りそうです。


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