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十二

先出し分で出していた奴はここですね。


 

 ☩


 ゲートが開かれ海水が大量放出されるイベントを敢えて起こさせ、経過を見ます。するとオウムガイが出て来た所でゲートが追加で起動し、八十メートル級、の薄い群青色の鯨が出て来ました。


「……此方は犯人とグル検案ですか」


 私はエネルギーブレードを大規模展開して、それをフゥシィーの針を飛ばす感覚で飛ばした結果オウムガイは一刀両断出来ましたが鯨には対処されます。魔法を食った、と言う事でしょうか?


 ……いや、駄目ですね、こりゃ、そもそも魔法的に強化された種族の鯨なら魔法を追加で捕食されたら強化材料に成って不味いのでは? その懸念通りエネルギーブレードをその鯨は弾幕で飛ばす様に進化しました。目視出来るだけで数百発エネルギーブレードを撃たれた為、一点集中でエネルギーブレードをブチ当てて凌ぐ事を三度程繰り返し、鯨に近付く事に成功したので、物理耐性が有ろうが何だろうが物理で殴る事にします。


 更に継続的に放たれ続ける弾幕を凌ぎながら大体威力が十トン相応の攻撃を八十発当て、撃破。思ったより弱い感じですかね。少なくとも天災を起こすレベルには無いです。……まあ、対魔法吸収模倣能力持ちなので魔法の大火力技で殲滅しようとする奴が出たら凄まじく評価が激変するとは思いますが、初見じゃ無ければそう言う事には成らないでしょう。……倒そうとした奴が魔法しか能が無いので無ければ。


 一応、未強化状態の普通でも倒すには戦略級の兵器を沢山持って来いって話ですよね、これ。強化材料にどれだけ注ぎ込んだかでも変わると思うので、一概には言えない気もしますけど……。ちなみに薄い群青色とは白群色と言う色らしい為、白群鯨が仮の呼称と成りました。


 さて、イベントは熟したし、世界創造へのリベンジの時間です。時間巻き戻しの阻止は理屈が解らないので、自分のバフの性能を世界中にばら撒く世界を造る事にします。……つまり、巻き戻しなりやり直しなりが使われた場合に敵味方問わず全員がそれを認識出来る様にする世界の創造を行います。その範疇なら出来る事の規模を拡張するだけですので、ね。そうすれば少し戻るだけの能力は只の再戦をするだけの能力に陳腐化しますし……。自分の使うバフの効果を世界中に拡散する世界。あくまでも自分の出来る事の延長線上の所業、これで駄目なら色々と考え無いとアレですね……。


 ☩


 それで世界創造を行うと共にまた時間巻き戻しが発生しましたが、現在居る人に掛けた為、”巻き戻し期間中に死亡した人以外”の全員が記憶保持のままで戻りました。いや、多分追加で言うと私のバフを拒絶した、ある程度以上強い人も、引き継ぎ無しですね。


 ……なんか時間巻き戻しを利用して稼ごうって奴が市場に居る様ですが、一人だけが時間巻き戻しを受けた訳じゃ無いので株式市場のチャートは同じ事には大体成らない為、爆死している人が量産されているし、巻き戻し期間中の新規作品を自作品として公開する奴が出るとかも有るし。


 ……一巻完結の話を出してそれで終わりのつもりでも無いと数ヶ月程度の時間巻き戻しでは二巻も出ている奴は少ないだろうから、作品のパクリ元のストックが確保出来ないと思うのですがね……。続きを書くのはどうするつもりなのでしょうか……。単発ネタだからセーフ? うわぁ……。しかし、時間巻き戻しが世界観的に有りとか年単位で昔の話も証拠として不十分って事に成るのでしょうか。……相手がそう言うチートを使える証拠も何も無しにそれを言うのは只の言い掛かりでは有りますが、信憑性は落ちた気がします。……まあ、証拠もなくそれをとやかく言いだしたら著作権なんてくそ食らえ、ですけどね。


 本来の時系列が不明な以上事実を信じない奴も居るでしょう。だからそう言う気持ちは解らなくは無いのです。見下している相手が自分の考えた渾身のネタを先に考えて居た、なんて相手を見下しているが故に信じられないですよね。……そう言う意味では滑稽では有りますが、それで訴訟されて八百長くらって無理矢理有罪にされてもアレですからね。


 さて、三回目は如何しましょうか……。ん? なんか幾つかのソシャゲ運営から私に訴訟が来ている? ですか? 何故? ……ああ、重課金ゲーの引退者が時間巻き戻しを受けた後金を再度ソシャゲに突っ込まなかった為、結果として億単位の収益悪化が起きたが、その原因が私だと……。別に詐欺をやった訳じゃ無いのですが、……訴訟額は下手したら数千億円に行きますね、これは。……笑って済ます事にしていたネタを出してカウンターをぶつけないと不味いって奴ですかねぇ。件のネタを十津さんに話してみる事にします。


「……頭が痛いわね。別に貴女が課金するなと急かした訳じゃ無い。……けど、巻き戻し期間中にソシャゲから引退した者は巻き戻しで戻った期間中の課金を再度する訳が無い。……そう言う意味で、貴女が幾つかの企業に損害を与えた……と言う主張って訳だけど、馬鹿じゃないかしら」

「……はい?」

「それで大打撃を受けた企業って基本的に自主的な引退者が期間中に大量に居たソシャゲだけなのよね。ぶっちゃければ大損害受けたって訴訟を起こすってその企業が自ら引退者が沢山居ますってネガティブキャンペーンをやって居るのと変わらない気がするわ」

「……つまり?」

「引退者を増やそうとした訳じゃ無いから、賠償金が取れたとしても巨額取ったらその金額相応の引退者続出のクソゲー認定も同時にされる負け戦訴訟よ、これ。訴えた時点で訴訟に勝てた所で企業のイメージとしては負けですら有るわ」

「……えぇ……巻き戻しで記憶保持をさせる事を止めます?」

「……でも、敵に都合の良い形に成ったから巻き戻しも終わるかもね」

「……」

「訴訟って言っても重課金の引退者が沢山出た事が直接の原因なのだし、無理筋だと思うけど」


 私はそれに軽く溜息を吐いた後に答えます。


「……敵に都合の良い状況に成った場合のみセーブされる繰り返し、ですか」

「……まあ、今回の件に付いては引退者が本来使うはずだったお金を貴女のせいで使わないでゲームを止めた、儲けられたはずの金が入らなかっただろふざけるな、だもの。時間巻き戻しの件を考慮し無いなら何言って居るよこいつ検案よね。普通に考えて裁判所に却下されて終わるだろうから気にする必要は無いわ」

「それでも一応準備はして置きましょうよ」

「そうね。でも時間巻き戻しの立証をして来てくれるなら私達としても好都合だから、妨害とかもせず、好きにやらせとくわね」

「了解です。なら色々と別の準備をしましょうか……」


 ま、仮に完璧な立証が出来るのなら、時間巻き戻しの原因の奴は別だ、……と言う事も立証されるはずですからね。決め付けだけで訴訟してやるよ? 言い掛かりだけで有罪判決まで持っていくとか国家の威信を掛けた裁判や痴漢冤罪じゃ有るまいし……。でもやられたらたまった物じゃないですし、次回の巻き戻しの為に準備だけはして置きましょうか。


 そして再度イベントを熟しましたが、有るはずだった幾つかの襲撃イベント自体が無くなりました。……巻き戻し前提で襲撃して来て居たのなら、セーブポイントを戻せる状況で無い時に死ぬ様なイベントなんてそりゃ避けますよね……。戻されない今のうちに色々とやっておきましょうかね……。



先出し分で雑魚死してたオウムガイが実際はああ言ったスペックでしたとか、色々アレだよな……。

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