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将希の異世界日誌  作者: 雄太
パルク編
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パン作り

 

 先ほどのことは完全に忘れさらに物色を続けると冷蔵庫を見つける。


「冷蔵庫はあるんだな開けてみるか」


 まるで泥棒の様に食品庫の中を物色し次は冷蔵庫を開ける。


 そこには30cm違いかなり暗赤色の強い塊肉が置いてある。


「肉があるじゃん、って言ってもまた変な肉なんだろうな」

「それはニラストの上ハツです」

「きゃれ、、な、なんだよ驚かさないでくれ」


 後ろから気配なく忍び寄ってきたクマリアその手は将希の肩に力強く置かれている。

 置いてあるよりは掴まれているだが。


「いえ、食料泥棒が居たので捕まえただけです」

「でそのニラストってなんだ?」


 将希お得意の秘技 話変えが炸裂するがイマイチ不発に終わる。


「露骨に話を変えますね、まぁ、良いですけど、ニラストはこの国最大の鳥ラブリを家畜化したもので、そうですね、私の話よりも実物を見た方が早いですね、どのみち市場に仕入れに行くので細かいことはその時に」


 クマリアは将希の前を横切り奥に向かう、


「あと、そこの上の棚は触らないように死にます」


 へぇ?死ぬ?何が


「死ぬって何が?」


「そこにあるのは前料理番の残された私物です、以前ここを片付けようとした私の部下が死にました、死因は毒です持ち主以外の者がその扉を開けたら毒針が発射され刺された10秒足らずで心停止します、その間打たれた人は痛みもなく突然床に倒れ込み死に至ります。」


「そ、そうですか、」


 何それ、マジかよ痛みもなく死に至る……

 ・・


「それと物色は程々に要らぬ疑いを持たれます」

「それは大丈夫だ捕まるようなことはしない」


「そうですか、」


 クマリアはそう言い奥から小麦粉の紙袋を持ってくる。


「持とうか?」

「いえ、結構です、」


 下心はあえなく撃沈、でも諦めない、


「持とうか?」

「はぁ、ではお願いします、」


 クマリアは小麦粉の袋を置き一歩離れる、そこに将希が近づいて持ち上げようとするが、


「ん、あれ何これ重い」


 将希は膝を割り力込めるが、上がる気配がない、いや、持つ気があるのかそれ自体が疑われる。


「イッ!ギィ!な。なんで上がらないの何これ」


「ではお願いします、私は牛乳を持って行くので」


 クマリアは冷蔵庫から牛乳を取り出してキッチンに向かう、その背中に将希の悲痛な叫びがのしかかる。


「待ってくれ〜、こんな重いと思わなかった。お願い助けてくれ」


「はぁ、私たち獣人は力が人よりも強く。それにスキルで軽くしているでそうなるでしょうね、早く退いてください邪魔です。」


「は、はい!退きます」


 クマリアが小麦粉を軽々持ち上げる。


「なんか不公平。俺もスキル使えば、ここにある食材見なくて済むかも、」


「スキル作動」

『対処範囲不明』


「チッ、この棚」


(対象範囲確認左上から


 西グラリア産 砂糖 5キロ 品質高級


 東海岸マリス産 塩 4キロ 品質高級


 マンネ地方産 ブラウンシュガー 1キロ品質高級


 パルク産 ゴアンブロリアのブロリアガラ 10キロ 品質中級


 パルク産 レッドブロリアのバラ肉 品質中級


 パルク産 イエローブロリアの ほお肉品質中級)


「長い!」

「うるさいですよ黙ってください、」


 サンディはキッチンで小麦粉を捏ねている、その隣には瓶詰めにされたフルーツ類が置いてある。


 その隣にはナッツがふんだんに詰め込まれたパンが発酵中みたいだ。


「す、すいません、」


 クマリアは将希の胡散臭い謝罪など耳に入れずに、予熱してあった。オーブンにパンを入れて行く。


「それ何分焼いてんだ」


「15分です」


「ちょっと長いな貸してみろ」


 将希は強引にオーブンを奪い取る。

 クマリアは少し将希から見えないように嫌な顔をしたがすぐに表情を戻す。


「火力はもっと強くなるか?」

「もっと火力上げてください」


 クマリアがそう言うと地下から「了解!」と2、3人の声が聞こえる。


「何今の?」

「犯罪奴隷です、地下にいるものは炎系のスキルを所持しているため、便利だったのでここで働かせています。」


「そう、ん、温度が上がってきた、あとボウルに水持ってきてくれる」


「かしこまりました」



 クマリアはボウルに水を張り、ついでにお玉も持ってくる。


「お水です」


「ん、どうも、これをばっさと水かけるともっと火力上げろ!」


 まさきが水をかけると一気にオーブンから水蒸気が登る。


「了解!!」


「いいか、パン作りの基本は密度だ。それはパン生地もそうだし焼き方もだ、ただ単に高温のオーブンに入れただけじゃうまくはなんない。パンが膨らむのは最初の10分もない、だからその10分でいかにパンに熱を加えられるかで全部が決まる、」


「そうですか、まだ私の知らない事もあるものですね、」


 その声は後ろから聞こえるが遠くから聞こえる、


「クマリアさん、さっきの捏ね方は上手いだから、原因は全般的な火力不足だろうな、それだから安定しない、」


「そうですね、私はもう不要と言うことですか」


 クマリアは気づかれないように帰ろうとする、が将希の声が止める。


「はぁ?何言ってんだ俺は王城の新任だここの料理番はクマリアさんだろ、俺は違うやり方を言ってるだけだ、美味しいと思ったら使ってくれレシピは置いてくから」


「わかりました、」


「そろそろ良い感じになっただろ」


 将希はオーブンを開けふっくら大きくなったパンを取り出す。


「よし。お前ら火、止めて良いぞ」


「了解!!」


「よし味見でもするかナイフはあるか?」


「表にあります、」


 ナイフを持ってきたクマリアはパンを半分に切り。それを4等分に切り一口頬張る、


「柔らかい。それにしっとりしている、」


「あぁそうだ昨日のパンには熱が伝わり切ってなかった。それはクマリアが悪いんじゃなくて地下のやつの火力不足が原因だ、それを俺は水で補って、ついでに少し火力を上げただけだ、それだけのことしかやってない、逆に言えばたったそんだけの事でこれだけ変わる、出来立てが1番美味しい、そこで目を輝かせてるサンディにも恵んでやれ、」


 カウンターには匂いを嗅ぎつけ、起きてきたサンディが視認できるほどに目をキラキラ輝かせてこっちを見ている、少し涎も出ている。まぁ、こんな良い匂いがしてるからな


「な、何を?ですかね、あはは、くまちゃんありがとう」


「くまちゃんて呼ばないで」


 サンディも一口その小さな口で頬張る。


「良いじゃないの。減る物じゃない   


 あら、これ美味しいわね、たったそんだけの事でここまで変わる、くまちゃん、こう言うのもアリじゃない?」


「だからくまちゃんって呼ばないで、それで、そうですね、こう言った物もありかと」


「恵んでやれじゃないな餌付けだな」

「餌付けではない!」

「餌付けですね」

「くまちゃんまで〜私泣きそう、」

「泣きっ面に蜂ですね、」



 その日、食堂の朝食はこの世界の住民が食べだことのないほどのふんわりとしたパンが出て兵士達をもてなしたそうだその日以降、兵士達はこれを食わせろと半ば暴動のような状態となり。クマリアは大変な目に遭ったと言われた。


「もうやだ〜」


 今にもそんな悲鳴が聞こえてくる。




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