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将希の異世界日誌  作者: 雄太
第1.5部 その後
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喫茶店にて

 

「さて。お昼どうしましょうか?」


 まだ視線の先を走っている馬車を見ながらサンディは呟きそれにマリアが答える。


「甘いものですね」

「太りますよ、それにいつも食べているのでは?」


「あれとこれは別なの。」


 頬をぷくっと膨らませて優しく抗議する。


「わかりました。ではこの間エリシアさんが言っていたサンドイッチとか言うものが食べられるお店に行ってみますか」


「異世界料理いいね!行ってみよう」


 マリアはそれを聴く前からノリノリで歩き出す。サンディは言わなかったがたまに将希殿が監修兼新作提案として出入りしている。サンディはこれを聞いた時またかと怒りまでとはいかないが諦めた。裏ではかなりお小遣いを稼いでいると部下からの報告もあり。


「異世界料理ですか。既にマキシア王国の名物になり始めましたね」


「私のおかげよ」


 えっへんと褒めて欲しそうに胸を張る。

 実際マリアのおかげでここ最近は異世界人に対する偏見が薄れてきたのは間違いないと自他共に認める。


 マリアが色々な政策(ここでは面倒なので省くが)を行っている為かなり薄れたもののすでにこの世界で家庭を持った者たちはその正体を明かす時は来ないと思われる。


 やはり多いの者は恐れている。自分が異世界人と知られたら家族はどんな反応をするのか、よくラノベにある異世界人に対する目とこの世界の異世界人に対する目は違う。


 その昔、異世界人と言うだけで解剖され実験されると噂が流れたこともある。


 この世界の異世界人は何種類かがある。


 1 将希のようになぜ自分ここに来たのかわからないパターン。


 2 産まれてから数年が経ち、前世の記憶が蘇るパターン。


 3 産まれた直後にすでに記憶があるが歳を取るにつれて記憶が薄れていくパターン。


 4 誰かしらに召喚されたパターン。この場合の多くは召喚主に拘束されたり。部下として契約を結ばされる。


 5 これは仮説に過ぎないが。一部は魔物に転生するとも言われている。だが意思疎通が不可の為明らかにはなっていない。


 そしてこれに当てはまらない例もあると思われる。



 1.2のパターンについては子供の時から親に異世界人については教育を受けている為そのことを口に出すことは少ない。


 3については子供の頃に自分は異世界人だと騒ぐが子供のいたずらとして処理される。


 4の場合多くはその存在自体を隠匿される。


 5については情報なし。


 クマリアのように自分の正体を隠しながら異世界人を探している変わり者も少なからずいるが全容は掴めていない。


 マリアも探そうと努力しているが今でも解剖されると言った噂が流れている為見つけるのには苦労している。


「そうですね。陛下おかげですね」

「もっと褒めていいわよわ、ほら褒めて」

「すごいですねー。」


 サンディはパチパチパチパチと口だけで言う。


「棒読みね、すごいわ。」

「お褒めに預かり光栄です」

「褒めてない」


「褒められたと思ってません。」

「ふん、いいわどうせいつも無愛想だし。それでお昼は?」


 この話は終わりと言ったら感じに話を変える。


「先ほど言ったようにサンドイッチです陛下。」

「マリアと呼んで。私はお忍びよバレたら面倒だわ」

「やはり。大臣から逃げてきたのですか・・今頃大臣たちが大慌てで大捜索してますね。下手したら兵士たちも動員されるかもしれませんね。」


 騎士団本部でマリアは『これで今日の公務は終わり』とはっきり口にしていた。

 つまりまだ仕事があるそれを抜け出してきたで今頃大臣たちがサンディと陛下双方がいないことを気づき王城内では陛下!と叫ぶ声が反響しているのだろう。


「陛下!」


 いつもマリアを捕まえにくるチョビ髭大臣が声を上げるがその声に陛下の反応はない。


「居たか?」

「居ない」

「サンディ様の姿も見えない。」

「また陛下が逃げ出しましたか・・・はぁ、」


 別の大臣たちも駆り出され集まってきたが誰も陛下の姿を見ていないようだ。


「直轄騎士団本部に確認取りました!」

「居たか!」

「はい!・・・しかし、既に出かけた後のようです。」


 騎士団本部に伝書魔法を送っていた誰かの部下が戻って報告する。


「・・・またか、はぁ」


 チョビ髭大臣は膝から崩れ落ちる。


 ●


 雲の切れ間から太陽が覗き始め天使の梯子が現れる。


「今、いつもの大臣が膝から崩れ落ちる姿が目に浮かびました。」


 サンディは脳裏にはそんな想像が浮かんでいるが、実際大臣は崩れ落ちていた。ついでに医務室に運ばれている。


「大丈夫よそんな柔な大臣じゃないわよ、そんな事で倒れるならもう死んでるし」


「それもそうですね。こんな陛下ですけど大臣たちはついて来てますし、嫌ならとっくの昔に辞めているでしょう」


「こんな陛下ってひどくない?」


 ぷくっと頬を膨らませサンディのお腹を突こうとするがその前に手首を掴まれる。


「それが王城の共通認識です。」


 上目遣いで見られればほとんどの人なら陥落するがサンディには通用しない。


「私にそれは通用しません。」

「ふんー、ケ〜チ」

「ケチで結構。では買い物に行きましょう。店舗街が見えてきました」


 このまま続けても面倒なだけなのでサンディはこれで終わりと言うように話を変える。


「露骨ね」

「ではこのお金は没収ということで。大臣に伝書魔法で返却しますが?宜しいですか?」

「止めてください」

「では少し静かにしてください。」

「静かにすればいいんでしょ」


 何故大臣たちは伝書魔法を使ってこないのか?疑問に思うだろ理由は簡単である。


 伝書魔法は魔力をかなり消費する。サンディなら一日に二、三回程度であればリベリシュから王都までの距離を飛ばせる。マリアも1日一回程度だが飛ばせる、用事がある時以外飛ばさないが。もしマリアがこの の距離を飛ばしたらその日は寝て過ごすこととなるレベルである。まぁ魔力回復の手段はあるが。サンディも2回は絶対に使わないようにしている。


 大臣たちの飛ばせる距離は約10キロが限界である。陛下の行方がわからないのに伝書魔法を飛ばしたら墜落する危険がある。だからこそ無闇に飛ばさない。


 そもそもサンディたちの航続距離が異常であって、一般市民では数キロの距離を数往復するのがやっとである。


 王城や城壁警備、各守備砦などでは伝書魔法専門の魔法師と呼ばれる人たちが交代制で勤務している。

 もちろん急を要する時にのみ使われるが。


 あとは各中継点で送り直す方法などがある。重要機密を送るのには適さないが。

 その他にも開封人指定など使い方を考えればなかなか便利な魔法である。

 この国の子供達はこの魔法を1番最初に覚えると言われているほどである。


 ●


 衛兵の警備を抜けマリアは目を輝かせる。


「サンディ、何食べる?」


 店舗街に入った瞬間の一言である。

 衛兵にいたずらで国王の証明書を見せて驚かせたマリアはすぐに目線を出店に移す。


「かわいそうに、まさか目の前にたった人が女王なんて思わなかったでしょうね」


「でしょ、たまには抜き打ちも必要なのよ」


 マリアはイタズラが成功し言い気になって笑っているが・・・サンディの目線が下がっていることに気づく。


「・・・しかしこれで大臣に居場所がバレましたね」


「なんで?」


 と、まだ自分がやったことを理解していないようだ。しかしサンディの一言で全てをりかいする。


「どうせ大臣たちのことです陛下が立ち寄りそうな場所には既に連絡は行っているでしょう。


 陛下を見つけたら連絡してくれと」


「え・・・じゃ連れ戻されるの?私」


 と一気に言動が幼くなる。それはまるで親に怒られるのを心配する子供のようだ。


「大丈夫です。先ほど騎士団長サンディ・オレスト名義で陛下は安全なところでお茶をしていると流しておきました。大臣たちにはこちらから伝えるとそれも伝えておきました。」


 サンディの事だから最初から予想はしていたのだろう。だから検問を抜けてすぐに検問所に伝書魔法を飛ばしていた。


 立場的には騎士団長も大臣と同じクラスであり、権限的には大臣よりも上の役職である。だから多少の融通なら簡単に効かせられる。


「ありがとう〜サンディ、あなたは命の恩人よ」

「では、今後このような事はよしてください。いつか後ろから刺されます。今は私が陛下の子守り兼お目付役として監視しているので大臣たちも諦めてはいますがかなり不満が溜まっています。今はお金で賄っていますが、その分陛下の支出を抑えろと言われていたます。」


「ふん、大臣にそんなこと言われる筋合いはない。そもそも私のお金だし。大臣がお金くれないから私が自分で稼いでるんじゃん。かわいそうな女王様ね私は」


 実際のところマリアの給料は約8億マキシア(その金自体は国庫に入る事になっているが)その全額をワジルがマリアに頼み込んで建設した孤児院に寄付している。ついでにその孤児院の会長も裏でやってよく顔を出している。


「まぁ。陛下のしている事は知っています。大臣たちには黙ってますがうるさいので」


 サンディもマリアが裏でしている事は知っているのかそれ以上は口にしない。


「そうなのよね〜あの大臣たちいまだに貴族主義だからね。私の前じゃそんな事、口にしないけど。貴族なんて人口の10%にも満たないのに、残りの90%のダイヤの原石をドブに捨ててるようなものなのにね」


 だからこそマリアは貴族ではなく市民に目を向けている。大臣たちに女王権限で無理やり法案を通らせ異世界人が提唱した学校という施設を作り、低年齢での就労の禁止なども打ち出した。


 まだ開始して5年も経っていないが国民の意識といった点では成果が見え始めている。


「では、お昼にしましょう。あそこですね」


 サンディの指差す先にはサンドイッチと書かれた看板とサンドイッチと思われるものの絵が描いてある。


「並んでるね」


 マリアと言う通り、店の入り口には10人ほどが列をなしている。ほとんど女性客であるが・・・。


「大丈夫です予約を取りましたので」

「お手が早いわね、」


「予約したフォレストです」

「フォレスト様ですね。お席に案内します。」


 サンディたちは列の真横を見せるように歩き少しばかしの死線を浴びせられたが無視して店員にそう告げる。店員はすぐに奥の予約席に案内しメニュー表を持ってくる。


「何がおすすめ?」


 マリアがすかさず聞く。


「はい。本日はフルーツサンドがおすすめです。スイーツリナ監修の生クリームをふんだんに使ったサンドイッチです。中の具材は、苺、葡萄、蜜柑から選べます。」


「それでお願い、中身は苺で」

「では、私も同じものを。それとブレンドコーヒーも二つ。」


「かしこまりました。」


 店員はメニュー表を取り奥に向かう。


「で、フォレストって何?オレストじゃないの?」


 サンディの本名はオレストだとマリアは認識している。


次話 サンディの本当の名前が明かされる。


ヒントは森かな、ほとんど答えだな❔

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