大酒飲み大会Part2
「では途中になりましたが、お二方は今大会最有力候補は誰思いますか?」
「やはりサンディさんが有力ですね、前回大会も勝ち2連覇を果たしました。3連覇して殿堂入りして欲しいですね。」
サンディを近くで見ていた将希はサンディに賭ける。
「私もそうですね。ぜひ3連覇を果たして欲しいです。」
「お二方の意見が一致しましたね、今回は公式の賭け試合です。左手ご覧くださいナナサお願い。」
サムウェルが左手を向けるとお二方も同じように目線を向ける。
「はーい。こちら副団長ギムレットが胴元の公式賭け場になります。ギムレットさん今の倍率は?」
「はい。見ての通り」
『カール 38.5倍
サンディ 4.3倍
ブラム 7.1倍
エリシア 20.5倍』
「と、なっております。現在1番人気は前回大会覇者のサンディ団長です。今大会も勝てば3連覇を果たし殿堂入りします。
一方のブラム選手も倍率では離されていますが杯数では追走しています。」
ギムレットは余裕があるのか特設ステージに設置された電光掲示板を確認する。
そこに選手たちに動きがあったのかサムウェルが割り込む。
「おっとすいません。サンディ選手、ブラム選手、エリシア選手全員にカラージョッキが来ました。カール選手に遅れる事2杯ほかの3選手も追走を開始しました。ギムレットさんどうぞ。」
3人の前にはカラージャッキカールは7杯目に手をつけるがその勢いは遅い。
「はい、ブラム選手は倍率的には離されていますが、この程度ひっくり返すことが出るかと思います。一方エリシア選手はその実力は未知数、カール選手は噛ませ犬なのでいまいち倍率が伸び悩んでいます。」
「では副団長、今の勝負見ていてどう思いますか」
レポーターとしてこの場に招集されたナナサが聞く。
「ええ、やはり当初の予想通りカールが大逃げ、ほかの3人が追う展開となっています。3人の中ではサンディが一歩出ていますがほとんど差がないでしょう。一瞬の油断一瞬の駆け引きが勝負を分けるでしょう。」
「はい、ありがとうございました、なんか普通のことを言ったような気がしますが・・・まぁ、置いときましょう。」
リポート役であるナナサはそう締めマイクを返そうとするがギムレットの声がそのマイクに乗る。
「急に言えって言われて言えって無理だろ。」
「まぁとの事ですね」
実況兼進行役であるサムウェルは放送事故を無視し話を続ける。
「解説のワジルさん。見てみて、4人の様子などどうですか?」
そう問われたワジルはじっくりと4人の顔や仕草をみている。
「・・・・・・噛ませ犬カールはすでにペースがダウンしていますし顔が紅潮し始めています、かなり限界が近いでしよう。
団長はまだまだ余裕がありそうに酒を飲んでいます。今回の優勝ラインは25杯前後ですのでそれは超えそうですね。
ブラムはみた感じ少しペースはゆっくりですか確実に飲んでいます。
エリシアはやはりスイーツ目的とのとこもありやる気はほかの3人より薄いですね。」
「では、優勢なのはサンディ団長と言うとこでしょうか?」
「ええ。そうです」
「ありがとうございました。将希殿からみてサンディ団長の様子などどうですか?」
「そこまでハイペースじゃないけど結構飲んでるね。これで9杯目を手をつけるところ。今回も制限時間30分だっけ?」
将希は何も聞かされていないのかそう聞く。
「今回も30分です今約10分経過していますので単純計算で27杯。やはり優勝ラインは25杯前後ということになりそうです。」
聞かれてサムウェルそう説明口調で答える。
「現在カールが9杯飲みきりGOLDジャッキが持ってこられました」
ギムレットがそう言うと黄金ジャッキの綺麗さに観客とら解説陣からある種のため息が上がる。
「本物の金を使用した特注品となります」
そこで将希が気づく。
「ねぇすこしちいさくない?」
「そうですね、普通のジョッキは約300ml入りますがあれは150も入らないかもしれませんね」
「お二人とも良くぞお気づきに、あのジョッキは完全純金制作費がかなりかかるのでサイズを小さくしました」
「「「夢がねぇ!・・・」」」
盗む隙があったら盗んでやろうと考える聞き耳を立てたた馬鹿たちが一切に声を上げる。
「あと、お前らに言っとくが、盗んだらすぐバレるぞ。専用のケース以外に入れて出さないと・・・・」
「「・・・出さないと」」
何故かわからないがサムウェルの言葉の続きを固唾を飲み込みながら見つめる。
「さぁな?俺も試したことはない。」
「「なんだよ!」」
「お前ら仲いいな」
「「三馬鹿よりマシだ!」」
「まぁ、無意味なことはやめとけ」
「ほぉ、これそんなに高いものなんだな・・・少し借りていくか、溶かせばバレないだろ」
団長の呟きがマイクによってかき消される。しかし参加者席に座っていた、カールとブラムには聞こえていた。「うわー」と2人は声を重なる。
「団長も持って帰ろうとか馬鹿なこと・・・GOLDジョッキは?」
「うふふ、?どこだろうな・・・わかったよ」
サムウェルに問い詰められた団長は渋々とテーブルの下からGOLDジョッキを取り上げる。
「チッ、ほらよ!」
そして投げつけるようにテーブルにドンと音を立て置く。
「まだ勝負中だと思いましが。まぁ、偉いですね良くできました」
「殺すぞ!」
そして酒の酔いが一気に覚める。
「・・・あっーそうだカール選手も懐に隠さないようにして下さい」
団長からの殺気が溢れ出す。
会場全体が逃げ出そうとするが団長の殺気がそれを許さない。
サムウェルは新たな生贄を見つけ出す。
「へぇ?何の事?俺酔っててよくわかんない」
そうわかりやすい言い訳をし肩をすくめる。
「GOLDジョッキ返せ。」
「チッ、フン!ほらよ」
カールは逆ギレ気味に立ち上がるとそれを見せつけるようにGOLDジョッキをズボンの中から取り出す
「汚ねー、よくそんなこと出来るな廃棄だな」
サムウェルは会場全体の意見を堂々と述べる。サンディ団長なんか、どうせこんな事だろと予想していたのか見向きもせず酒を飲み始める。
「ならもらってあげよう、サムウェル?要らねーんだろ」
「お前ごと廃棄だ。お前ごと溶かしてもう一回作り直すよ」
そんなもの触りたくないといった感じであそこから取り出し置いたGOLDジョッキをサムウェルは取りに向かう。
「汚ねぇーな、」
サムウェルはそう言うとどこからともなく太めの木の棒を取り出し持ち手に引っ掛ける。
「これ、どうしようか?」
「見たくもない」
「左に同じく」
「私は何も見ていない。」
サムウェルの苦情にブラム、団長、そして先ほどからずっと目を瞑っているエリシアの3人が口を揃える。
「わかった、カールには罰として振り出しに戻る。そんなもんでいいだろ」
解説席で座っていた唯一の殿堂入り者ワジルがそう首を突っ込む。
「そうですね、でばペナルティとしてカール選手のジョッキカウンターはゼロとします。そしてこの後飲んだジョッキも同じくゼロとします。」
サムウェルがその意見を口取り裁定を下すカールが飛び出してくる。
「何でだよ!重すぎだろ!」
「剥がし屋さんお願いします。」
問い詰めに来たカールを避けるとサムウェルは剥がし屋と言う聞きなれない言葉を口にする。
「なんだよそれ!」
カールがそう言うと入り口から大柄な騎士団員2人が現れたカールに向かって一直線に歩きその両脇を抱え持ち上げる。カールは足をばたつかせ逃げようとするが脚が地面に届くことは2度と無く。連行されていった。そして特設会場脇に設置された牢獄に収監された。
「覚えてろっ!!」
「さて、異物は排除しました。気を取り直して飲みましょう・・・ねぇ、言う前に飲まないでくれる?」
「ああ、サムウェル、ブラックジョッキを出すぞ」
両団長、と副団長はサムウェルに促される前にすでに飲み始めるそしてサンディがブラックジョッキを使用すると宣告した。
「わかりました、では将希殿お願いします。」
「え?俺」
「はい。それと例の物準備もお願いします」
「わかりました。」
「そうだサムウェル。そのブラックジョッキは私が飲むために使用しない」
団長は徐に不思議なことを言い出す、会場全体が『は?』と言った表情である。実際一部の奴らは言っていた。
「どう言うことですか?」
流石のサムウェルでもその真意を測り損ねているようだ。
「そのジョッキはカールに飲ませる。もしカールが飲み切ったらそこから出してやれ」
団長は鬼のようなことを言い始めた、その瞬間カールは笑顔になったがすぐあの液体を目に入れた瞬間地獄に落ちた。
「ポイント誰に入れます?」
「もちろん私だ」
すぐさまカールの脳みそが回転を始める。
ここで団長の意見を汲み取りカールを死に追いやるか、団長の意見は無視しカールを助けるか。答えは思いの外すぐに出る。
「わかりましたそうしましょう、
特別ルールの新設です!カールがブラックジョッキを飲み切ったらカールは解放されます!ギムレットの公式賭け場では今現在カールが飲み切るかの賭けをしてます。どんどん賭けてください
では将希殿お願いします。」
その将希は顔を白くして気持ち悪そうにブラックジョッキを運んでくる。
「これ・・・・なに、入ってるの?自分で入れたんだけど・・うぅ気持ち悪い」
将希はジョッキを置くとすぐ離れる。
自分で適当に調合したのだが本人がダウン寸前だ
「では説明しましょう一回時間を止めてください。選手の方も一時休戦です。」
サムウェルがそう言うとし時計の時間が止まり参加者はジョッキから手を話す。
「ではこれに何が入っているかの説明です。
ます入っているお酒はアルコール度数60度の物となります。
そのお酒をショウガ、タカノツメ、トウガラシ、タマネギのみじん切り、ハチミツそして、北の高原地帯に伝わる精力剤を入れて煮詰めた特製酒となっております。その配合量は企業秘密です。
一応飲んでもらう量は安全配慮し100mlになっています。」
「おれしぬかも」
カールの死に瀕した呟きが誰にも聞こえる事なく呟かれる。
100mlまでは安全つまり誰か死者が出たのか・・・
さて、カールは無事に生還できたのか、もうその目で太陽の下を歩けないのかもしれない




