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将希の異世界日誌  作者: 雄太
勇者編
62/139

王城謁見の間

 

 王城内謁見の間 控室


「将希殿はどうなさいます?」


 王城内に用意された控室には

 騎士団長サンディ

 副団長ギムレット

 と各部隊長と副隊長、そして将希を加えた陛下直轄騎士団の役持ち総勢31人が集まっている。


「どうって?」

「将希殿は客人扱いです、我々騎士団は陛下の御前ですので跪きこれから正装に着替えます、将希殿はいつも通りその格好で問題ありませんか?」


「うん、どうせ服はこれしかないし」


 将希は今来ているシャツをつまむ。

 将希愛用のここに転生した時から来ているYシャツとズボンは固っ苦しいのが嫌だったのでリベリシュの街で買ったラフなズボンである。


「それで俺も跪かないとダメ?嫌だ」


 あからさまに嫌そうな顔を見せるついでに声にも滲み出ている。嫌だと声に出る。


「いえ、将希殿は客人です一応、今回は将希殿が帰還したことを示すための謁見なので我々は跪きますが将希殿は中央で少しお辞儀して貰えば構いません。」


「え?俺真ん中?」


 サンディが想像していた文句とは少し違ったようだその証拠にサンディは一瞬受け答えに間が開く。


「・・ええ、言いましたが今回は将希殿が帰還した事を陛下に報告するので真ん中です。

 私が左をギムレットが右を固めます。その後ろに部隊長達が続きます。細かいことは現場で指示します。」


「うわー現場で失敗したら斬首なんて言わないよね」


「・・・・・多分大丈夫かと」

「否定して!」


 将希の悲鳴が上がる。サンディはそれに対して何も言わず微笑むだけであった過去に何かあったのかもしれない。


「大丈夫です、そんなことにはなりません。陛下は寛大なお方です、もしかしたら側近がうるさいかもしれませんが・・・」


「一応、一応ねどんな感じに」


「まず、もしかしたら跪つかないと。無礼だとかあーだこーだ言ってくるかと、それにもし失敗したら側近の貴族から不満が出るかもしれまぜが命までは・・・大丈夫でしよう。」


 不自然な間が開いたがサンディは言い切った。しかし将希の目は誤魔化せない。


「何その間?」

「将希殿は陛下の側近扱いなので、すこーし立場から悪くなるかもしれませんが最悪陛下の威厳を利用すれば黙らせることができると思いますよ。」


「将希殿、杞憂ですよ、杞憂」


 後ろで盗み聞きしていたギムレットがふらっと会話の輪に入ってくる。


「ギムレット、盗み聞き?いい度胸ね、」

「いえ、聞こえるように喋られているのがいけないかと、」


 自分のせいではない団長のせいであるとギムレットは言い逃れ出来ないのに言い訳をする。


「なら、その耳削げば何も聴こえないわよねどぉ?削いでみる」


 手には何も持っていない団長だがこの場にいる全員の目には完全防備でギムレットの耳元にレイピアを突きつける幻覚が本物のように音声付きで見える。


「そ、それはこの後の仕事に影響が出るので遠慮します・・・」


 ギムレットはすぐさま団長の間合いから逃れるとその幻は消えた。


「で、俺は?」


 忘れられていた将希。


「先ほども言いました通り、将希殿は真ん中を堂々と歩いてください、あとは成り行きに任せれば大丈夫です。」


「大丈夫です?全く大丈夫じゃないけど?」


 流石に不安があるのか将希は文句を言っているが。時間もないし、将希のそこまでの教養があるとも思えない、団長も最善策を述べているが、将希は相当不安な様子である。失敗したら殺されると暗に言われたら不安にならない奴がいないが。


「全て、時が解決してくれます。安心してください

 では、私たちは正装に着替えてきます。」


 サンディはそう言い部屋を出て行くと副団長以下の男組が着替え始める。


「なぁ俺、男の筋肉見る趣味はないんだけど。みるなら双丘の方がよっぽど目にいいんだけど」


「将希殿、もし団長の双丘を見たいのであれば命を後99個用意しとかないといけません」




 ギムレットは鎧に外しながらその筋肉を露わにする。

 マ◯オかっうーの。


「将希殿殿いいですか過去に見た人物はいましたしかしその全てが帰ってきませんでし。」


 意味深な発言をする。つまり帰らぬ人ではなく何か理由があり帰ってこなかった。


 ●


 男組の着替えが終わると正装に着替えたサンディが控室に戻って来る。


「女性って化粧、長いですよね」

「無頓着な将希殿よりましかと、普段から自分の体に興味がないのですから」

「おい、」


 将希が文句を言おうと口を開こうとするとそれを邪魔するように、扉がノックされる。


「来たわね、どうぞ」


 団長がそう言うと『失礼します』と言う声と共に2人の衛兵が入ってくる。


「王立騎士団 団長 ブラム・ギズリーですそして後の2人が」


 王立騎士団 団長ブラム

 見た目は40代後半といった感じで黒を基調とした特注の鎧を身に纏う。


 ブラムは少し頭を下げ、後ろの2人に目線を送る。


「副団長エリシア・ルーズウェルです」


 エリシアは露出を最小限にした赤のラインが入る鎧を自己流に着ている。

 2人が自己紹介をするとサンディが立ち上がる。


「陛下直轄騎士団 団長サンディ・オレスト」


「副団長ギムレット・リクスです」


 団長が指示する前にギムレットは答える。


「サンディ、久しぶりだな」


 ブラムがサンディに手を差し出す。


「ブラムもお元気そうで何より、エリちゃんも久しぶりね老けた?」


 この一言で2人以外の場が凍る。

 エリシアの額には怒りに満ちている。


「そう言えばサンディさんも4000歳でしたっけ?化け物ですね」


 エリシアはサンディのように剣を抜くことはないが言葉の剣が飛んでるように錯覚する。


「エリシアそのぐらいにしとけ。サンディあんまりエリシアをいじめないでくれ、怒り出すと止めるのが厄介だ」


 普段のエリシアを将希達は知らないが騎士団長が止めるのが厄介だと言うことは相当やばいと言うことだろう。


「あら?誰しも年齢を重ねるものよ」


 団長はさも当然といった感じで自分は悪くないと言う、


「だからそれをやめてくれって言ってるんだよ、お前さんは永久不滅、いつまでもその若い体で獲物を落としてるんだろうけどな美味しいか?」


「私だって寿命はあるは、いつかはわからないけれど、最低でもあなた達が死ぬまでは生きているわもしかしたら孫曾孫の代まで生きているかもねその時はもう貴方達はいないから食べてあげようか?」


 団長は爪を立てて齧り付くような姿勢を見せる。


「サンディ、後ろを見てみろ、お前の配下が酷い顔してるぞ」


 サンディはそう言われて後ろを振り返るが『どこが酷い顔?』と言った表情で見ている、ついでに声にも出ている。


「・・・これは普段通りよ、酷い時はもっと酷い。」

「これでも普段通りかよ・・・まぁいい話してる暇はねぇんだ、謁見の間に向かうが用意は良いか?」


「ええ、大丈夫よ、」


 問題ないと付け加える


「それでそいつが将希殿か、」

「ええ、これが将希殿、」


 サンディは将希を指差す。


「え?あっそうです、将希です。」

「まぁこの通り、仕来たりとは対極に居るわ」


 ブラムは嫌そうな顔をしたが、


「まぁ。オレには関係ないや、準備できたなら行くか」


 ブラムとエリシアは先導するように部屋から出ていくと、サンディは将希を押し出しその後ろを歩いていく。その後ろをギムレット以下騎士団員達がゾロゾロと縄で繋がれているように歩いていく。


「え?ちょ、ちょっと」


話は将希主体から騎士団の王家に移ります。

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