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将希の異世界日誌  作者: 雄太
リベリシュ編
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王都への帰還

「当日の褒賞について。」


 団長がそう言った瞬間歓声が上がる。


「なしだ!」


 歓声が常夏のハワイから北極の氷のように冷たくなる


「まぁ多少は出る。」


 歓声が少しだけ出る冬山でカイロをもらった感じ程度には。


「2日の護衛で20万マキシアを当日現ナマで支給する」


 団長が配布した冊子が宙を舞う。


「お前ら!それ破ったら金払ってもらうぞ5000マキシアだ」


 そう言った瞬間、床に落ちた冊子を我先にと奪い合い自分のを確保し他人のを破り捨てる。


「お前らバカか?どうせ、お前たちが金払うなどとこれっぽっちも思ってない・・・ってだからって破るな!」


 団長にそう言われて安堵した団員たちは結局それを破り捨てる。


「・・・廃棄する手間が省けたよお前たちのおかげで、拾う手間が増えたがな!」


 団員に向かって雷が落ちる。


「全部回収しろ文字通り紙の一欠片すら残すな!」


 団長はそう言い階段を降りる。


「ギムレットあとは任す、回収した紙は全て私のところに持ってこい、全て回収させるまでここを出すな」


 ギムレットにマイクを渡して、外に向かうがその前にしれっと外に向かおうとする3人の膝裏に優しく蹴りを入れる。


「お前たちは別用がある少し着いてこい。」


 ●


 団長に誘拐された3人は別々のところで解放される。


「カールお前はここで各部屋の床をモップで清掃しろその後、乾拭きしろ」


 団長にモップ2本とモップ用水切りを渡された立ち竦む。


「で、でも、」

「黙ってろ、あとの2人は着いてこい」


 ●


「ブラッドリー」

「ブラットリーです」

「どっちでも良い。お前は全廊下をモップで拭け終わったら汚れ防止のワックスをかけろ」


 団長はまたモップと水切り、ワックスの缶と雑巾3枚を置いて。ブラットリーに有無を言わさずサムウェルを連れて行く。


「サムウェルお前はこい」


 ●


 最後残されたサムウェルはトイレの前に立つ。


「お前は男子トイレの掃除しろくれぐれも女子トイレには入らないように。それとこれ持ってろ」


 団長はサムウェルに小さな箱のような物を手渡す


「これは?」

「これは持ち主から1m離れたら警報が鳴る、それと女子トイレには入ってもな、この意味がわかるな」


 何も言えないサムウェルにブラシとトイレ用洗剤を渡し、そこを立ち去る。


 ●


 団長が三馬鹿をバラバラにし今日1番の大仕事をおえ、一息つくためにデッキにいた。部下に紅茶と将希が愛を込めたと言うクッキーなる物を食べている。


 太陽が地面を照らす、雲が光を遮ることすらない。まるで空はサンディのためにあるとでも言うように空は青く遠いものであった。


「愛、ですか、親愛な者が作るのであれば美味しいのでしょうね、たとえ不味くても愛の力で苦味を甘みに変えることができる。」


 適当なクッキーを一枚取り上げ空に翳す。


「これはこれで美味しいですね、愛など邪魔ですがそれがなければもっとおいしかった事でしょう。」


 サクッと言う軽い音と共にクッキーが半分口の中に消える。


「将希殿もう少し持ってきてください」


 目の前に座る将希本人に聞こえるように指示を出す。


「俺いつからサンディさんの部下に?」

「今日からでは?」


 突っ込まれたサンディがあっけらかんと言い放つ。


「将希殿早く」

「時間かかりますよ30分ぐらいは」

「ええ、大丈夫です私は暇なので」


 舌打ちをし将希はゆっくりと立ちあがろうとするか体が勝手に動く。


「早く行ってください」


 将希は口を開くことさえ許されず扉を開けて階段を飛ばし飛ばし落ちて行く。


 ●


「持ってきましたよ。どうぞお食べください、心が痛まないのでしたら、」


 クッキーの乗った皿をサンディの顔の前に持って行く。


「将希殿、私は生きている蛇の首を切り火で炙り食べたことがあります。その蛇は自分の体が焼けるのを見ていました、心が痛まない訳ないですが、その蛇を食べました生きるためについでに頭も炙りましたがって将希殿?なぜシャツが赤くなっているのですか?」


 不審に思ったサンディが指摘する通り将希が着ているシャツの肘の部分赤く滲む。将希は皿を置き、肘の部分をつまむ。


「さっき誰かさんに階段から落とされたんですよ」


「それはそれは不幸でした。しかし不幸が訪れたのならば次は幸せがきっと舞い込むでしょう。」


「俺宗教はお断りです」

「この陛下直轄騎士団は宗教みたいな物ですよウフフ」


「なら俺は退団する」

「将希殿は騎士団員ではないのではなく?」


「こいづッ」

「冗談ですよ、子猫ちゃん」


 団長はそう冗談を言い将希を弄ぶ。


「気持ち悪い」

「ならお手洗いはあちらです」


 団長はそう冗談を言い将希を弄ぶ。


「違う!そっちじゃない」

「そうですか」


「食べますか?」


 サンディが将希が持ってきたクッキーを一枚差し出す。


「俺が持ってきたんですよ!・・・皿ごともらいますけど」


「でなんで俺をここに呼んだんですか?まさかクッキー作らせる為だけにじゃないでしょうね」


 風が耳元で囁く?


「・・・・・正解」


 たっぷりと時間をかける。


「なら帰りますよ」


「将希殿、王都が見えてきました。」

「だから」

「これでお別れです。最後にクッキー食べれて良かったです」


 サンディは将希の横を通り過ぎ室内に戻る。


 残された将希は先ほどまで座っていた椅子に腰掛け冷めた紅茶と冷めたクッキーを何も言わずに手に取る。


 ●


 カイブロスは王城壁から目と鼻の先までの位置に近づく、手を伸ばせば触れれると錯覚するほど近く高く厚みがある。 壁 と言う言葉では表現することが烏滸がましいほどである。


 いつの間にかデッキ戻ってきたサンディは城壁から飛ばされた伝書魔法便を受け取り中身を確認するとそれに持ってきた封筒を込め魔力を込めて送り返す。


「何しに戻ってきたんですか?」


 目の前でその様子を見ていたはずだがわざわざそう質問する。

 それにサンディは嫌味も込めず、業務連絡だと言う


「郵便を送っただけです。」

「誰に?」

「城壁の守衛にです」


 サンディがそう言うと伝書魔法がすぐに帰ってくる。


「入城許可が出ましたね」


 届いた伝書魔法をすぐ開封し中身を確認する。


「私は前に行きます着いて来ますか?、」

「行かないわけないだろ指定席が俺を待ってる。」


 将希はそう言い立ちあがろうとするがその前に白く細い手が目線を遮る。


 それを将希は何も言わず取り立ち上がるしれっと谷と山を見ながら。


「どこをご覧で?」


 その声には羞恥心などなく殺すと言う殺気が伴う。


「いや、その無駄に高そうな鎧だなって」

「褒められたのか貶されたのかわかりませんね」


 そして、2人は横並びで歩き出し何か話しているが、ここまで聞こえることはなかった。


かわいそうにちょっとぐらいあげても。あげたくないな


なしで当然だ!


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