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将希の異世界日誌  作者: 雄太
リベリシュ編
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50話 サンディの後悔 前編



 そして夜、ギムレットが予約した酒屋にて団員のほとんどが集まった。その数およそ50。


 団長はいつも通り誰も座っていない丸テーブルの上座にゆっくりと腰掛ける。その左回りにナナサ、ギアラ、リナの順で座り、ナナサと対面する形で3人をスカウトしたギムレットがマイクを持ち座る。団長とギムレットに挟まれるように将希が座る。


「なぜ俺がここに?」


「将希殿は我々騎士団のお客様です。お客様が一般兵と一緒にいるなどあってはなりません。」


 団長はそう、正論っぽい正論を並べるが簡単に言えば将希を自由にさせたら磁石のように三馬鹿のところに向かい永遠に飲む続ける事が目に見えていた。もしそうなったら団長とギムレットのところに入るお金が減る、だから将希は隔離された。ついでに三馬鹿も解体された。


 他にもテーブルがあり各テーブルは部隊別に座っているようだ。割愛。


 ギムレットはマイクを持ち立ち上がりゆっくりと特設ステージに向かう。この場にいる全騎士団員の視線が全て一点に集まる。


「ふうー、ふうー」


 マイクに息が被らないように深呼吸をし、ギムレットは自分を照らすスポットライトを存分に浴びる。一息吐く。


「では、これより新入団員歓迎会を始めます。」


「「いえーーぇい!!!!」」


 ギムレットが合図を出すとギムレットが仕込んだサクラがジョッキの中身を撒き散らす。


「黙ってろ!」

「・・・いえーぃ・・・」


 自分で仕込んだサクラに文句を言い話を戻す。


「さて今回の新入団員は3人!まず1人目ナナサ・ソーラ!2人目、ギアラ!3人目リナ・グブラ!3人とも前へ」


「行って来な、3人とも」


 テーブルでは団長が3人に指示を出すと3人は立ち上がりギムレットのところに向かう。


 ギムレットはもう一回3人の名前を言い1人1人頭を少し下げる。


「今回は時間がないので紹介は省略。明日王都に戻るカイブロスの中で懇談会でも勝手にやってろ。今日はこいつらが乾杯の合図をとる。」


「俺が新入団員に、って言ったら乾杯って叫んでジョッキの中身が出るほどに持ち上げろ」


 マイクに乗らないように小さな声で指示を出す。それに3人は頷く。


「新入団員に!」

「「乾杯!!」」

『『『『乾杯!!!!!酒だ!酒よこせ!』』』』

 3人のジョッキの中身が指示通り溢れ重力と共に床に飛び散る。そのすぐ後にそこら中で酒が噴水のように湧き上がる。


「酒だーぁダァダぁ!!!!!!!!」

「うるさいぞ!カール!」

「!冷ッて!おい!」


 カールはこの興に乗って隣に座るカブラの頭に向かってジョッキの口を逆さまに傾ける


「やるのか!カール!」

「やってやろうじゃねーか!」


 ビールでは頭は冷えないのか頭に血が上ったカブラはカールの襟元を掴み上げカールはカブラの襟元を握り、両者襟元を掴み一触即発の状態である。


「「酒だ!酒もってこい!」」


 2人の怒号がハモる。


「第一回騎士団大酒飲み選手権の開催・・・だ〜〜〜!!参加者はこいつら以外にいるか!」


 マイクを持ったギムレットが金の匂いを嗅ぎつけすぐさま訳のわからぬ大会が開催される。


 そして1人の人物にスポットライトが当たるりその影が颯爽とギムレットの前を通過する。その影からは長い髪が靡くのがわかる。光が当たりブロンズの髪が光る。


「だ、団長・・・」


 ギムレットは一瞬予期せぬ乱入者に目を奪われたがすぐマイクを持ち直す。


「なんと!ここで乱入者現る!!その名も・・・騎士団長〜〜サンディ!!さて三つ巴の戦いだ!左にはカール!真ん中にカブラ!そして大トリを務める〜〜サンディ!」


 会場の熱気はこれでもかというほど一気に湧き上がる。全団員が3人が座るテーブルに集まりヤジを飛ばす。


「さてルールは簡単!このジョッキを1番多く飲み干した方の勝ち!以上!

 賭けだ!賭けだ!1番飲む奴に賭〜け〜ろ!!」


「まず先鋒カール!いくら賭ける!」

「500!」

「250!」


 時々ポツポツ声はするがそれ以上の声は上がらなかった。

 そしてギムレットはそいつらから金を回収する。


「おいなんだよもっと賭けろ!」

「本人が言うな!」


 どこからかヤジが飛ぶ。


「それだけの価値もないって事だよギャハハ」

 カブラの嫌味が飛ぶ。

「なんだと!」


「はい!次!カブラ」


「700!」

「5000!」


「おっ!出ました騎士団1の負け癖!」

「100だ!」

「弱虫!」

「わかったよ!10000だ!」


 少し声が裏返りながら誰か叫ぶ。


 ギムレットが金を別カゴに回収し戻ってくると会場の熱気がさらに上昇する。


「最後は〜〜〜サンディ!!!」


「8000!」

「15000!」

「20000!」


「団長が1番人気だ!もっと出すやついるか!」


 その声と共にさらに賭ける奴らは増える団長と書かれてカゴにはどんどん金が貯まる。


「50000!」

「最高額が飛び出たぞ!これ以上!以上!」

「いないな!締め切った!」


 ギムレットは手を振り下ろしテープを切る真似をする。


 そしてその結果。


 カールのカゴは半分程度が埋まり

 カブラのカゴは8分目まで埋まる。


 団長のカゴは三つに分けられた。


「お前ら!賭けるだけ賭けたなぁぁ!」


 会場が揺れるほどの声援と罵声と怒号がそこら中から内臓を撃つように響き渡る。


「改めて!世紀の一戦の開幕だ!!今回の出場者は3人だ!


 まず1人目!カール〜!」


 なんやら不穏な罵声が飛んでいるがギムレットは無視して再度マイクに力を入れる。


「2人目!カブラァ!!」


 カールの時よりも歓声が多くなったがそれでも罵声が飛ぶ。その中には死ねだとかヤラセだとかの声もちらほら。


「そして!お待ちかねのこの人物・・・」


 ギムレットが視線を向けると全団員の視線も同じところに向かう。

 カールの隣に座る人影。ギムレットは全員の視線が向くのを確認すると。


「ライトON!!」


 ギムレットがそう言うと、わざと暗くなっていた団長のところにだけ全てのスポットライトが全方向から団長の下に集まる。点いた瞬間ブーイングと歓声が入り混じったポクシングのゴング前のような雰囲気に似た罵声が飛ぶ。






「3!」


 ギムレットが叫ぶと群衆もカエルのように叫び出す。

『『3!!』』

「2!」

『『2!』』

「1」

『『1』』


「開始だッッッ!!!」


サンディが勝てば総取り。

胴元として暗躍し

挑戦者としても暗躍する。

1番せこいやつだな


賭け事は胴元になれば儲けられる。かもしれない。

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