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将希の異世界日誌  作者: 雄太
リベリシュ編
35/139

クッキングバトル

 


 特設会場ではすでにサンディが不敵な笑みを浮かべ待ち構えている。テーブルに置かれているクローシュの中にはサンディ作の料理が置かれていると思われる。


「出来ましたか、将希殿、遅かったですね。負ける準備は出来ましたか?」


 サンディは結果がわかっているかのように頭ごなしな態度をとる。


「サンディさんこそ今までどこに?」

「教えられません。」

「何を作ったんですか?」

「教えられません。」


(本当、酔ってんだなこの様子だと)


「まぁ良いや、審査員は?」


「マリン!準備完了!」


 未だ酔っているサンディはフラフラしながら奥の控室に向かう。


「本当これ着ないとダメ?」

「つまんないじゃん」


 そう不穏な喋り声が聞こえる。


「なんか嫌な予感がする」


 嫌な予感は当たるものだ。


 サンディに腕を掴まれ引き摺られてきたマリアは真っ赤で所々(主に胸と脇腹が)際どいキラキラドレスを着ている。そして一際目立つ赤髪ロングはポニーテールに纏められている。


「は、恥ずかしいんだけど」

「気にしな〜い、気にしな〜い」


「では審査員マリンお願い」


 椅子に座らされたマリアはぐだぐだ言いながらもやる気になったみたいだ。


「将希殿お先に」

「いえ、サンディ殿お先に」

「いえいえ、将希殿お先に」

「いえいえいえ、サンディ殿お先に」

「いえいえいえいえ、将希殿お先に」

「いえいえいえ」

「どっちでも良い!早くして」


 痺れを切らしたマリンが首を突っ込む。


「わかりましたか、将希殿」

「チッ、そうかよ負けても悔しがるなよ、そうだ賭けるか?」

「いえ、私はそう言うことはしません」



 サンディは酔っていても乗ってはこなかった。


「そう、俺の料理はこれだ」


 台車の上にはクローシュで被せられた肉じゃがを持ってくる。


「これは何ですか?」


 マリンは初めてみた世界のように目を好奇心で輝かせる。


「これな、俺の世界のポピュラーな料理だまぁ、調味料を探すのが大変だったよ、そう言えばあの黄色い醤油見たいのなんだよ」


「さぁ?何でしょう」


 サンディは知らないのかそう本音を漏らす。


「え?知らないの」

「あれはブロリアの油ですよ」

「マジ?」

 マリンは頷く。


「まぁ良いや食べてみて」


 将希に促され、マリンはフォークでじゃがいもとお肉を突き刺して口元に持って行くと、耳元のおろした髪を掻き上げ一口だべる。


(綺麗結婚したい。)

(可愛い、私のプロデュースは間違ってないもっと盛って良いと思うけど。)


 2人のため息が重なるが考えていることは全く違った。


「美味しい」


 一言つぶやく。


「勝った」


 一言つぶやく。


「賄賂?」


 一言つぶやく?


「おい、そんな事してない。」

「何にも言ってないけど?」

「で、サンディさんのは?」


「今持ってくる、」


 と言い、持ってきたのは前哨戦で明言した通りの薬膳であった。


「二日酔いに効く薬膳!」

「それブーメランだってわかってーー」

「うるさい。」

「さぁ、食べてひれ伏せ、それし私の奴隷になれ」


「中身は?」

「ん?もやしと塩、胡椒、醤油あとなんかの海藻で上に柑橘削ったの」

「チョイスは間違ってないのに不味そうに感じる。ふ、」

「今笑った?」

「いえ、何も。」


 2人が言い争っている間にマリンはサンディの薬膳を食べる。


「これも美味しい」


 一言つぶやく。


「勝った」


 一言つぶやく。


「これも、だよ、やらせ?」


 一言つぶやく。


「負け惜しみ?」


 一言つぶやく。


「で。どっちが美味しいマリン」


 将希との口喧嘩などどうでも良くなったのかさっさと結論出せと脅す。


「え?その・・・」


 大変、すっかり忘れてた。どっちを勝者にしても後が大変そうね。


「ドロー」


 そうして 第1回サンディvs将希の料理決戦はドローで幕を閉じた。


「何でよ!」


 酔ったサンディが喚き散らかして居たがマリンは仕事があるとか言い逃げていった。


「私、仕事があるから!」



 その後。やっと目を覚ましたギルド支部長グランドはテーブルに置かれた伝票を見て、言葉を失った。


「・・・・・サンディ!!!」


 しかしすでにサンディと将希は退散した後、グランドは騎士団の滞在しているホテルに押し入ったがサンディには逃げられた、グランドは今月の給料から飲食費、クッキングバトルの材料費、闘技場の弁償、使用料などなど天引きされた。


「俺の金が!サンディ!どこ行った!」


 ギルドの中で騒ぎ、その後諸々の請求書は騎士団に請求されどうにか返ってきた。



 その張本人 サンディはそのままふらふらと千鳥足でホテルに向かい就寝。


 翌日、起きてきたサンディは前日何があったか、思い出してしまった。


 穴があったら、入って蓋して完全防音して叫びたいところだろ、しかし叶わぬ夢であった。


 将希は最初から勝負にこだわる気はなく、翌日、サンディから逃げるように男どもと観光に出て居た。


後にクッキングバトルと呼ばれるリベリシュの文化に革新をもたらすこととなる。


クッキングバトル管理委員会 初代会長に将希が選出された。

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