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将希の異世界日誌  作者: 雄太
リベリシュ編
34/139

料理バトル

 


「じゃ。これ全部支部長が払うの?」


 マリンはテーブルの伝票置きから伝票をするりと取り出す。


「でしょ?。知らない、全部でビールが5焼き鳥4、ムッカルガが3、アトギリスで〆て25600マキシアね、」


 マリンを自分が書いた伝票を見ながらそう言う。


「まだ増えるね」

「支部長の奢り?」

「そうでしょ?」


 またも将希を置き去りにして2人は話し込む。


「そう言えばこの男誰だと思う?」

「彼氏?」

「訳ないこんなヒョロガリが」


 酷い、何で俺流れ弾喰らってるの?痛い身体じゃなくて心が・・・


「なんと〜陛下のね新しい宮廷料理人!」


 サンディはお酒が回ってきたのか正常な判断力を失っているようだ。


「何か作ってもらわないと厨房空いてるよ、」


「そうなの?、でも〜将希殿ねこの世界に来てから一回も料理らしきもの作ってないの〜だから私、たまにね本当に料理なんてできるのって思ってる。」


 流石にここまでディスれるた将希は立ち上がる。


「作れますよ!」

「勝負だ!」


 サンディは将希を指差す。


「何でそうなるの?」


 酔いの回っていないマリンは1人正常な判断を下す。


「厨房貸して」


 サンディの立ち上がりマリンを跳ね除けるように押し出し将希と共に意地を張るように歩き出す。


 ●


「で、ルールは、」


 包丁を持ったサンディは切先を見ながらそう呟く。


「制限時間1時間、作る物は一品まで、それ以外は無し、あと全部支部長払い審判は私マリンがするから良い」


「良いよやってやる」


 サンディは本当に正常な判断力を失い始めたようだ。


「じゃあ始め!作るのは何でも良いよ食べれるのなら」


 マリンの話など聞かずに2人は厨房にを物色する。


 そして決闘のゴングが鳴らされる。


 ●


 って言っても何作ろう。そんなことを考えている将希の背後を取るようにサンディが行きを殺して近づく。


「将希殿何を作るおつもりで」

「うぉ!、」


 将希は跳ね上がりすぐ後ろを向く。


「もっと気配を感じる練習もした方が良いですね」


 将希が怒鳴る前に口を挟み、怒鳴るタイミングを潰す。


「さ、サンディさん脅かさないでくれ、」

「脅してるなんて〜失礼な私はただ情報の交換の為に来たのですから、」


 口元に手を当て「うふふ」と笑みを浮かべる。


「情報交換?殺しの?」

「食材のです例えば何使うんですか?」


 本当に情報交換をするのか、いつにもなく意味深な笑顔を浮かべる。


「ふーんそう、ならまず聞く方から言わないとフェアではないかと思いますが如何でしょうサンディさん」


 対する将希も本心を隠すように拙い敬語を使い、相手の情報を聞き出そうとする。


「そうですね、では、私から、」


 ほろ酔い気分のサンディは面白そうに、喋り出す。


「私はエルフなのでエルフの里に伝わる二日酔いに効く薬膳などを作るつもりですわ」


 本人は気づいていないがそれはブーメランだ。


「それわかって言ってる?」


 将希は思わずつっこんででしまう。流石にどストレートできたら人間心配になるみたいだ。


「何をです?」


 本人全くわかっていないようだ。


「まぁ、良いや面倒だ、と俺は・・・」


 将希時間を稼ぐように周りを見渡す。

 何がある肉、あるでしょ、何の肉か知らんけど、玉ねぎ見たいのあるな、


 野菜も結構ある見慣れた感じのものあるしあの系統で行くか、そうしよう。



「肉じゃがで行こう」

「肉じゃが?それは何ですか」

「さぁ〜〜〜?何でしょうかね?」


 間延びした今にも殴りたくなるような不愉快な口調で地味に挑発する。


「良いでしょう、将希殿、貴方を料理してやりますよ!この包丁であはは」


「さ、サンディさん、それやばいん・・・じゃ?・・・ってどこ行った。」


 将希は恐怖に駆られるて目を話した隙にすでにサンディはすでに姿を消していた、


「サンディなら奥へ」


 マリンの声が聞こえる。


「そ。そう、本当に酔ってんだなあの人」

「酔ってません!」

「はーいそうですか」


「っ!そうだスキルだ!」


 本人はすっかり忘れていたが将希のスキルは補助系統とされている。つまり何でも補助できる?。


(そうだよあの変な機械音にやってもらえば)と喜んでいる将希に残念なお知らせが脳内に響く。


『正式な決闘にスキルは使用できません』


「何でだよ!」


 将希はつい口を開く、それをマリアが不思議そうな目で見つめる。


「な、何でもない、あはは、あははは」


 恥ずかしくなって退散した。


(で。何でだよ)

『スキルに頼るだけでは強くはなれません』

(スキルの分際でちくしょ!)


 何でスキルに説教されてるんだ俺は!


『スキルは全て自我を持っています、使用者の性格が悪ければ力を貸すことはなく。今回のような単に料理のスキルを争う場ではスキルは使用できません、尚、家庭などでの料理の場合は使用可能です。』


(何だよ!細かいな)


『・・・・・』


(ダンマリかよ。ならやってやるよ)


 ●


 スキルの使用を諦めた将希は自分の力でやる事にした。


 まず手始めに醤油、味醂、砂糖、塩、酒に近い調味料を探している、酒と塩と砂糖は簡単に見つけられたが醤油を探すのに苦労している。


 酒だけは無駄に種類が豊富にあった。


「似てる味はあるんだけどな〜」


 将希は拾ってきた、醤油に近い味のする調味料の瓶を並べて味比べをしているが将希の慣れ切った日本の醤油とはどれも僅かに違うと文句を言ってる。でしょうね、そりゃ全く同じものがあったら逆に怖いよ。


「1番近いのはこのBの醤油擬き、色は薄いけど味は良かった。で、一方全く違うのはEの黄色い奴、スキルによればこれは魚醤に近いものみたい、よく知らんから却下。」


 将希はEの醤油を棚に戻し次は日本の醤油に近い色をした醤油を取り一滴手のひらに垂らし舐める


「Aの醤油は色はいい感じだけどちょっと酸っぱい感じがする」


 Aの醤油は保留にしたのかテーブルに置き次を品定めする。


「このCの醤油も美味いんだけど何か違う、その何かがわからない、」


 と言うことでAの醤油共々棚に戻された。


「これしかないか1番美味いし」


 将希はBの醤油を顔の前で振る。


 調味料は集まった!


 あとは材料探しである。


「ってもあの変な肉何だよな、ニラストだっけか?鳥に近い感じがする。」


 冷蔵庫を物色していると後ろから気配を完全に消したサンディが近づく。


「まーさき殿」

「ぎゃ⁉︎さ、サンディさん」


 将希は心臓を押さえつける。


「脅かさないでくれ、」

「あははあははは、大丈夫、ですか将希殿」


 サンディは酔いがさらに回ったのか腹を抱えて大笑いする。


「邪魔するなら帰ってください」


「そんな〜ひどい〜私邪魔なんてしないわよ。ちょっとした情報交換しに来ただけ。」


 サンディはいまだに酔っているのかさっきと同じことを言い出す?


「それさっき聞きましたよ」


「気にしない、気にしない気にし過ぎは良くないよ、もっと大らかに生きていかないと。」サンディはそう言い、「うふふ」と不敵な笑みを漏らす。


「で、サンディさんは薬膳でも作るんですか」


「なんで、知ってるの?」


 将希に当てられたサンディはポカンとなる。


「さっき聞きました全く同じ話を」


「将希殿〜人の話を潰してはいけませんよ、不敬です」


「酔ったエルフに絡まれる俺の身にもなってくださいよ」


「酔ってないわよ、」

「そうですか、では失礼」


 将希は逃げるように立ち去る。


「逃げるのですか」


 サンディの声が聞こえたが無視した。


 ●


「何で酔っ払いに絡まれねぇといけねぇんだよ」


 サンディから逃げてきた将希そう吐き捨てるように言い、次に野菜が置いてある倉庫を鮮やかな手口で物色する。その手つきはまるで熟練の空き巣のように素早く無駄がない。


「さて、いるのはじゃがいもに玉ねぎにんじん、しらたきなんてあるとは思えないし、いんげんもないと思うし、ありそうなの入れるか。」



「玉ねぎ見たいの見つけたけど・・・これ俗に言うサラダ用だな」 


 将希が見つけた玉ねぎは色が赤みがかったサラダ用の玉ねぎに近いものであった、


「まぁ、あと試しに焼いてみて使えるかだな」


 その後も。日本のじゃがいもよりももう2回りでかいじゃがいものようなものと

 でかいにんじんを見つけた。


「材料はいい感じだなサイズ感が違うけど」


 ●


「じゃがいもは一口大少し大きめにと。

 にんじんも適当に薄くすれば良いや。

 玉ねぎも薄く。

 で問題は肉か、ニラストだっけあれで鳥肉じゃがにするかこの世界豚に近いのがあるかわからんし。」


 将希は慣れた手つきでじゃがいもの皮を剥き一口大に切って水に沈めていく、


「次はにんじんか」


 面倒・・・


 ●


 具材切り終わり少し鍋で焼いて味見をしていた。


「そんなわけで今日は用意したものがってないな頑張って切りましたよ」


 全部切り終わった将希は誰もいない厨房に向かいそう言い。多分、将希の脳内では隣にアシスタントでも居るのだろう。


「そしてこれが調味料適当にです


 今日使っている行くのがこちら」


 将希は目の前に置いてある具材と調味料を手で示す。


「ニラストのもも肉 100g

 じゃがいも 多めに 300g

 にんじん      50g

 玉ねぎ       100g


 醤油        大さじ3.5

 味醂        大さじ2

 砂糖 大さじ2

 塩 少々

 名産のリベリ酒   気分


 アレンジなどはお好みに」


「レッツ、クッキング!」


 将希は誰もいない厨房で1人悲しく調理を始める。将希の脳内ではスキルを活用しあの有名な音楽に近いものが流れる。


「なんかこの曲イライラする」


 脳内デッキプレーヤーはオフにされた。


「さてまずは鍋に油大さじ2程度入れ熱します。適当に熱くなったら火を止めて油を冷まします。今回は冷ましたものが用意されています」


 将希はしゃがみ込み何かを取り出す。


「冷ましたのがこちらです」


 そう言い下から鍋を取り出す。


「これに肉入れて油を馴染ませます、この時に肉を鍋の側面に当てないように油を馴染ませます。そして馴染んだらじゃがいも、にんじん、玉ねぎに同じように油を馴染ませます」


 将希は肉を入れて油を馴染ませ、具材を全部入れる。


「そうしたら中火で火をつけ炒めていきます、怪我はさせません。炒めます。」


 将希は誰も笑わない冗談を言ってからレバーを回し火をつける。


「ここで注意ポイント、

『かき混ぜ過ぎない』に注意。かき混ぜすぎると表面が削れカスが出てきます。そうすると見た目が悪くなりす。」


「適度に火が入ったら水を400ml入れて、沸騰後中火に落としアクを取ります、約10分煮込みます、10分煮込んだ物がこちら。」


 将希の目にはあるはずもないカメラが左側に置いてある鍋を映す。


「じゃがいもに串が刺さったら大丈夫です、」


 将希は串を取り出しじゃがいもに刺すとなめらかに入っていく。


「うん、大丈夫ですね。次は調味料を入れていきます、醤油 砂糖 塩 酒は全部入れてもらって大丈夫です。味醂だけは半分入れて残りは最後に入れます。」


(俺は何やってんだろ・・・)


「味の方は薄いと感じられたらお好みで醤油など足してください。このあとは一煮立ちさせて落ち着いたら残しておいた味醂を入れます。」


 将希がそう言っている間にも汁はゆっくりと沸騰し始める。



「沸騰してきましたね、そしてここで残しておいた味醂を入れ少し煮詰めます。」


「これで完成です」


 皿を取り出し、その皿に肉じゃがを掬い入れる。


「今日の一品 肉じゃが です。


 注意ポイントは最初にかき混ぜすぎない事です。


 ではまた来週、」


 そしてカメラ映像はブツっと切れる。




この人達何やってんだろ・・・


明日ベット上でこれ思い出して悲惨な事になるんだろうな。


『お嫁に行かない〜』って

ん?そもそもそんな恋バナサンディさんにないか。


それで言うなら一番可哀想なの支部長かなんでもない酒代払わされて。



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