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将希の異世界日誌  作者: 雄太
リベリシュ編
33/139

酒豪


 グランドは上から力づくで剣を振り下ろしサンディはグランドの剣を滑らすようにして流すが流しきれない。その勢いからかどちらの剣からわからないがミシミシと言う甲高い嫌な音が響くと


 ほぼ同時にサンディの剣が折れ、サンディは折られた剣と共に地面に膝をつくと同時にグランドの剣の柄が裂くように折れた。


「負けですね」

「いや、同時だ」


 グランドは柄の裂けた剣を地面に突き刺し左手を差し出す、それをサンディは握り立ち上がる。


「剣の弁償してくれる?」


 立ち上がり一言目が金の話。それにはグランドも呆れている。


「なら俺の剣も弁償して欲しいな、知り合いのドワーフに作ってもらった一点品なんだよな」


 いつもの事なのかグランドもサンディに付き合う。


「私の剣も私の体格に合わせた特注品なんだけどね、かなり高かったのだけれどね、グラ〜ンド」


「なら、自分の剣は自分で払うそれでいいか?」


 結局ありふれた結論に2人は辿り着く。


「何も変わっていないじゃない」

「ギャハハ、いいんだよ」


「あの?俺は?」


 すっかり姿形共に消えていた将希がか弱い声を出す。


「あれ?お前さんいつから居たんだ?」

「そう言えばいつでしょう?」

「まぁ良いじゃねぇか居てもいなくても」


「そうだサンディ、なんか飲むか上のテラスで、勝負の後の一杯は美味い」


 グランドはそう間髪入れずに歩き出す。


「良いですね、たまにはビールでも飲みましょうか、」


「おぉ、サンディ飲める口か、ギルドの若い連中はビールは飲めるけどアホみたいには飲まないんだ」


 そのせいで俺も最近は飲まなくなっちまった。グランドは酔ってもいないのに愚痴をつく。


「私もそこまで飲みませんよせいぜい1、2杯程度です。」


「でもあれだろ。飲み始めたら永遠に飲むんだろ」

「グランドとは違います自制してますので」

「そうかよ」


 2人はぐだぐだ言いながら上に向かう階段を上がっていく、


 一方1人残された将希は誰もいない闘技場で立ち尽くし、2人の姿が階段から消えた頃思い出したかのように走り出す。


「待ってくださいよ!サンディさ〜んグランドさ〜ん」


「早く走ってこい将希!」


 グランドの声だけが闘技場に響く。


 ●


「ギャハハハ。ほらもっと飲めサンディ!将希も飲めや、何にもやってないような気がするするが、いや〜ぁ。うめーな酒、酒は水だな潤滑油とかじゃねぇ、俺が生きるのには酒が必要だぜぇ〜」


 サンディと将希と飲み始めたグランドは店員を呼び出し早速3杯注文し困らせていた。「姉ちゃんビール3杯!」



 サンディもそれなりに付き合うつもりなのか、焼き鳥と言うシブいチョイスをしていた。

「ビールと焼き鳥」


「何だサンディ、シブいチョイスだなもっと、何って言ったら良いんだろうなもっとカロリー低いもん食べると思ってたぜギャハハハハハ、カロリー取んないとデカくなれねぇぞ」


 グランドはまだ酒の一滴も入っていないが酔っている。


「死ねうるさい黙れ」


 グランドは酔っているのかそんなことはお構い無しに無視する。


「将希は何食う?」


 そして話を将希に振る。


「えっ、そのビールで」


「お子ちゃま、だなギャハハハハハ」



「痛いって叩かないでつーかアンタだってビール飲んでるだろ」


「気にすんな気にすんなそんなチンケなこと気にすると大成出来ねえぞ、ギャハハハハ」


 自分のことは棚に上げて、酔っているのか急に笑い出す。


「飲んでもないのに酔ってんですか?」

 将希は真顔でつっこむ。


「何だ将希お前まだ飲んで無かったのか?」


『ビール〜と焼き鳥とです〜』


 姉ちゃんがビールを5杯と焼き鳥を盆に乗せて運んでくる。


「ありがとう姉ちゃん」

「ありがとうございます。支部長、代金どうします、」

「負けてくれ」

「かしこまりました、来月の給料から引きます」


 店員の姉ちゃんはそうギリギリ聞こえないように言い立ち去る。


 そんな事、露知らずのグランドはジョッキを両手に持ち上げ乾杯の音頭を取る。


「さぁ!飲むぞ!今日は店の奢りだ!」

「「奢りだ!」」


 サンディは付き合うようにジョッキを天高く突き上げビールを日々の恨みからかグランドにわざと掛ける、一方将希は恥ずかしいのか、中途半端な位置でジョッキが止まる。


「おい、サンディ!」

「ごめん〜不慮の事故」

「そうかよ、将希、もっとちゃんとやれ、いくぞ!いいか」

「いいぞ!」


「今日は店の奢りだ!」

「「お、奢りだ!」」

「ノリが悪いな。まぁいい。酒が温くなる、」


 グランドは一気にジョッキを飲み干す、


「くは〜ぁ、うまい、やっぱ、一仕事終えた後の酒は美味いだろサンディ」


 飲み干したジョッキはテーブルに叩きつける。


「そうですね、」

「何だ、サンディもノリが悪いな、酒が不味くなるぞ」


 サンディが注文した焼き鳥を鳶のように掻っ攫う。


「これも美味いな、案外ビールに合う」

「食べるなら。自分で頼めば」

「おぉ、そうだな姉ちゃん!焼き鳥3皿追加だ」


「ほら。将希も食え食え、冷めたら不味くなるぞ!」


 サンディが注文した焼き鳥を皿ごと鳶のように掻っ攫い、将希の前でぶらぶらさせる。


「じゃ。一本」


 そう言い適当な串を取るがグランドは止まらない。


「男なら全部いけ!」

「だから自分で頼め!!」


「はい」「あぁ、もう来るだろ俺の焼き鳥」


 サンディの喝に1人、酔いが醒めた。その時姉ちゃんが焼き鳥を持ってくる。


「焼き鳥追加3皿お待ち!」

「姉ちゃんどうもな!ほら食え将希!ギャハハハハハ」


 グランドは姉ちゃんから皿を鳶のように掻っ攫いテーブルに乱雑に置く。


「食べろ食べろ、サンディ!将希!店の奢りだ!ギャハハハ」


「なら、店員さ〜ん」


 サンディはまだそこに居る店員を呼び止める。


「何でしょう?」


「特上ビステッカ、3つ!塩で」

「えっ・・・おいサンディやめろ高い」

「かしこまりました!」

「流石に負けてくれねぇぞ、・・・・」


 グランドは必死に止めようとしたが誰も聞いてはいなかった。

 店員の姉ちゃんはすぐに厨房に向かう。


「ビステッカって?何ですか」


 将希は店員が厨房に向かった後に少しだけ手を上げる。


「簡単に言えばムッカルと言う牛型の魔物を家畜化したものがムッカルガでビステッカとはそのステーキです」


「うまい?」


「ええ、グランドの目を見てください」


 サンディの答えは理由になってはいないが将希はサンディに促され、グランドの方をチラ見するとグランドは白目を剥いて力無く背もたれに寄りかかる。理由を知らない人が見たら悲鳴を上げるだろう。


「・・・うわー、どうしたの?」

「特上ムッカルガのステーキはこの店で1番高いメニューです流石に負けてはくれないでしょう。そもそも全額自腹ですけど。」


 うわー、大変だ〜あはは・・・あはは・・・俺、知らない、じゃあ俺も食うか。


「なんか他に美味いのってある」

「あとはリベリシュでしか食べられないかアトピロスと言う海獣型の魔物の刺身ですね」

「美味そうじゃん、それお願い」

「店員さん〜追加!アトギリスの刺身!頭つき!」

「はい!かしこまりした」


 厨房にから声が聞こえ、サンディは小声で話す。


「アトギリスの刺身は美味しいのです何せ見た目が凶悪そうな見た目な為敬遠される事が多いですね、」


「見ない方が良さそうだな」


 そんな事よくあるし。よく『白身魚のフライ』何て昔メルルーサとか言う、格安の魚が使われてるって聞いたし、実際、ネットで調べたら、・・・・・こんな見た目なんだって思ったけどどの道ほとんど弁当の揚げ物で入ってるイメージだからね、まぁ美味いから食べるけど。


「どの道、頭が付いてきますよ、口で説明するならば額に2本角があり、体格的はひし形に近い体格をしています。サイズは50センチ程度なんですけど。」


「ふーん、よくわからん」

「見た方がわかりやすいですよ、今、捌いていると思うので」


「頭がついてくるんだろそれだけでけっこう、」

「そうですか、」


「そう言えばそこの人どうするのか?」

「放置して美味しい物、頼みましょう、」


 サンディは悪魔のような提案をする、その後グランドの意識が戻った頃には2人の姿はなく。テーブルは綺麗に吹き上げられていて。伝票もなくグランドは安心して帰って行ったが翌日ギルド支部長と札が置かれて支部長室に前日の伝票が置かれれていてそれに目を通したグランドはつい、テーブルを2つに割った。


「ムッカルガのステーキ3つとアトギリスの刺身頭つき!」


 店員の姉ちゃんが台車に乗せて持ってくる。


「凄い、ほんとツノだな」


 将希は台車の上に乗せられたアトギリスの頭を見て少し体が後ろに下がる。


「これがアトギリスです」


 サンディは店員の姉ちゃんから皿を受け取り将希の前に置く、


「美味しんですけどね」

「そうなんですよサンディ様美味しいのに食べる人が少ないんですよ」

「あれ?マリン?店員が喋っていいの?」


 店員の姉ちゃん改めてマリンと呼ばれた赤毛ロングの若い女性。


「私?これから休憩」

「そうなの?じゃあ食べる?」

「その言葉待ってました!」


 サンディは体を奥に少しずらして店員の姉ちゃんを座らせる。


「支部長大丈夫?」

「ん?大丈夫じゃない?知らんけど」


 サンディはいつもの口調と打って変わってラフなものになる。これが素なのか?サンディさんの。


「雑〜、そもそも店の奢りじゃないけどね、そんなことできない」


 マリンはさっきから3人が騒いでたのを聞いていたようだ。


「だよね〜ありえないと思った、いくらここがギルド直轄でもそんな負けてくれなんて」


「少しならギルドの経費にすれば出来るけど全額は無理」


「じゃ。これ全部支部長が払うの?」


 マリンはテーブルの伝票置きから伝票をするりと取り出す。


「でしょ?。知らない、全部でビールが5、焼き鳥4、ムッカルガが3、アトギリスで〆て25600マキシアね、」


 マリンを自分が書いた伝票を見ながらそう言う。


「まだ増えるね」

「支部長の奢り?」

「そうでしょ?」


 またも将希を置き去りにして2人は話し込む。

人物紹介 マリン


年齢25


ギルド直営のカフェでウェイターを勤める。


サンディの知り合い。


店では薄い青を基調とした戦闘服(ウェイター衣装)を着ているが休みにはおしゃれする。

休みが合えばマリアとサンディの買い物に同行する。


マリンはマリアが女王だと思ってなくサンディの知り合いだと思っていて、普通に接している。


時より酔った支部長と一緒に酒を飲み支部長が起きた頃には姿を消し伝票だけを残す。

グランドはこれをギルドの三大七不思議として解決しようとしているが何故かいつも酔って寝てしまい解決不可能。ついでに酔った支部長に代金をつけようと他の職員達も飲んでいる。

いつも最後には


「俺、こんなに飲んだっけ」


と言うのがお決まり。


支部長割引は一切効かない。

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