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将希の異世界日誌  作者: 雄太
リベリシュ編
31/139

30話 カフェで

 

 その後も言い合いを続けていたサンディとグランドだが飽きたのか闘技場から出てギルドに併設されているカフェで将希RX計画についてゆっくりコーヒーと紅茶を飲みながらテラスで会議をしている。


 コーヒーをひと口口に含ませてからグランドは本題に入る。


「で、将希の奴、どうするつもりだ、なんかのスキル持ってんだろ?」


「グランドならそのぐらい簡単にわかるかと」


 サンディの嫌味な言い返しに舌打ちで答えるグランド


「分かってたら楽だよ、妨害されてわかんないんだよ、こんな事初めてだよ、俺のスキル鑑定は俺の任意でそいつが持っている全てのことがわかる、だが今回は『不明』って出やがった、不明だせ、不明、流石にな真正面からスキルなんですか〜?なんて聞いたら殺されても文句は言えないからよ」


「どの口が言うのやら、勝手にスキルを見るのに人に対しては聞けない、本当、どの口が言うのやら」


「俺だって好きで見てるわけじゃない。」

「あらら、そんなご冗談をおっしゃらないでくださいなグランド」


 サンディはわざとらしくそう応戦する。


 グランドが攻めの剣


 だとするならば


 サンディは躱の剣


 サンディはグランドの攻めを躱しているが、手数ではグランドが有利、言葉遊びではサンディの方に分がある、2人の口喧嘩はそんな所と言ったところだろ。


「その顔、胡散くせ〜な、急にお嬢様ぶってよ、エルフの王女さんよ」


「え!?王女?エルフの」

「なんだサンディ言ってなかったのか、言っちゃ不味かったな、あははあははは。まぁ気にするな」


 グランドの突然の爆弾発言に将希は思わず声を上げて、サンディの纏う冷たい空気がより一層、極寒のように冷え、グランドの愛想笑いが誰もいないギルドに響く、


 刹那の間だが、場の空気が一変した。


「今のなしな」


「はい、そうですか・・・なんて言うと思いますか?グランド」


 サンディは「グランド」と言う部分を最大限威嚇するように低い声で言う。


「隠してるお前が悪い」

「人が隠している事を全て知ってるのにそれ言う普通?。グランドあなたがやっていることは人のお風呂を盗撮するようなものじゃないかしら?」


「俺は俺のスキルを最大限生かしてるだけだ。そもそも他人の風呂になんか興味ない、俺が興味あるのは」


 グランドは力こぶを右手で叩く。


「これだけだ、筋肉は裏切らねぇ、女は裏切るけどな」


「何それ。すっごい現実感がある、怖い・・・」


 つい、将希がそう呟くと、待ってましたとばかりにグランドは将希の肩を引き寄せる。


「な、なんですか?」


「いいから話しきけ」

「長くなるからやめて」


 将希はグランドを手で跳ね除けようとするがガッチリと肩を持たれ、サンディは嫌と言ってはいるがグランドは聞く耳を持たない。


(そんな耳なら切り落とせばいいのに)サンディの本心が見え隠れする。


「まぁ、いいから聞け、将希。」


 グランドは深みのある違和感しか覚えない声を出す。


「え?あのその・・・」


「まぁ、冒険者って仕事は大変だ、将希。


 毎回、魔物と命のやり取りをする、わかるだろ異世界の旅人ならよ、」


「まぁ分からないことはないですけど、だけどアレっすよ、俺の世界には魔物なんていませんでしたよ、」


「まぁ。そうだろな。ライトノベル?だっけ、フィクションの話なんだろ」


 将希が目を見開く、


「何でそれを?見えないんじゃないの?」


 その声には驚きが滲んでいるが。サンディとグランドは逆に なぜ と言う表情をしている。


「最初に言ったろ 全部 わかるって、俺の鑑定で見えないのはスキルとパワーとか素早さだ。だが記憶は少し読める、流石に記憶全部は読めないけど、ある程度わかる、その一つがラノベ?って話だ、だからサンディの隠したい過去もわかる、サンディにもな。あっ、止めとくか、いつか本人から聞け、」


「気になる。なんて酷い切り方すんだ、ほんと気持ち悪い。」

「まぁ、気にすん、がはは」


 将希は嫌悪感を露わにするがこの状態のグランドにはそこまで効果はないようだ。グランドはサンディの恋愛歴を言うとしたかサンディの冷酷なそれ以上言ったらその首は胴体から離れると言う、冒険者特有の勘でヤバい気配を感じ取り、それ以上はオブラートに包む。


「まぁ、冒険者ってのは大変だ。一瞬の油断が全てを奪いとる。まぁ魔物にとってもそれは同じだがな、考えてみれば当たり前か。


 普通に生活し、

 生きてる魔物、

 その魔物のテリトリーに人間が入り込み、

 自分の住処を守る為に戦うと、

 人間達が勝手討伐クエストとか名付けて、

 大人数で、

 一方的に狩られて、

 殺され、

 皮を剥がされ、

 肉を断ち、

 飾りやら、服、食べ物、

 まぁ、生きるために狩ることは仕方ねぇ、人だって飯を食わんといけん。

 まぁ、そう考えて見れば、


 ある意味、


 魔物より悪なのかもな人間は。


 でさ、俺はこう思うんだよ人間が魔物に襲われるとすぐ討伐クエストが出るだろ、王家の特別クエストかギルドのクエストか知らんけどさ、まぁそんなこと置いといて。


 俺は別に人間が食われてもいいと思うんだよ、だってよ人間は魔物であったり動物を食べる、そうだろ。ならその逆も無いと不公平じゃ無いか、俺はそう思うんだ、まぁ、誰かの意見が欲しいって話じゃ無い、勝手な独り言だと思ってくれればいいけどよ、


 自分たちの身を守るために戦うのは仕方ないと思う、そりゃ当たり前だ抵抗もなく死ねと言われて死ぬわけにはいかない、だがよ。理由もねぇのに殺す必要があるか、まぁな襲われたら、そりゃ身を守るために戦わないといけない時はザラにあるさ、魔物達は俺たちを貧弱な狩りやすい餌だって思ってるわけだよな、サンディはどう思う、エルフは森で生活をする。そう言うこともよくあるだろ」


 グランドはサンディに意見を求める。

 サンディは少し。考えるそぶりを見せる。


「・・・私、個人の意見としては、間違ってはいないと思います。結果は同じですけど理由は違いますが、エルフの森でも理由のない狩はしないので、それは来年以降、食料となる魔物が減る事を防ぐ意味合いもあります。だけど何かが胸の奥につっかえています。」


「俺の言った事が正しい事じゃ無い。


 サンディの言ってのことも正しいのかも知れないが、正しく無いかもしれない。


 そう言うことだな、


 人がいれば全員の意見は違うものだ

 だからこそ人は人を求める。自分の答えが合っているか分からないから不安だから

 自分の意見が肯定される所にいたがる、


 そういや何でこんな話したんだっけ?」


 将希はある種グランドのお茶目な?言い草にポカンとなり、サンディは額に手を当てる。


「冒険者の心得、ではありませんでしたかグランド」

「あぁ、そうだ、そうだった、ありがとなサンディ。つい話が脱線する気にすんな、こう言う脱線が面白いんだ真っ直ぐ進んでもつまらん。」


「グランド、また話がおかしくなってきましたよ」


 嫌になったサンディは長くなる事を嫌ったのか素早く指摘する。


「はいはい、そうだな冒険者としての心得だ


 いつも自分の答えが正しいと思うな、時に間違うこともある。


 仲間の意見が正解だと思うな、時に間違うこともある。


 その時、正しい判断だと思っても後々違っていたこともある、それを悔やむな、過去には戻れない、今、最善の策を選べ。


 誰しもがミスをするそれを許せとは言わない、だがリスタートの機会は与えろ。


 単身で動くな、必ず3人一体で動け、そうすれば背中の死角は限りなくなくなる


 これが冒険者として1番重要だ。


 引き際を間違えるな、自分がこれ以上危険だと判断したら逃げろ、

 たとえ仲間がまだ大丈夫だとか言ってら置いて逃げろ、考えもなしに突っ込むな、頭を使え。冒険者ってのは脳筋の馬鹿どもの集まりだと思われているが本質は違う。いかに早く判断できる頭脳があるかだ、それが無ければいかに歴戦だろうと死ぬ、たまたま生きて戻って来ることもないとは言えないがな。


 そう言う事だ最後は自分の判断それ以外は信じるな。


 もし仲間が負傷し助かる見込みがないなら楽にしてやれ、足手纏いにもなるし。何より無駄な苦痛を与えるな、たとえ連れて帰って来れても手脚がなくなるなんてザラだ。そうなれば一生の生活に苦労する。


 時間には気をつけろ、特に早朝と夕方だこの時間は魔物が1番よく動く、索敵で逃したら死が待っている。


 自分の身の丈に合う魔物を狩れ。冒険者ランクは正確だ自分のランクより強いものを狩ろうとすると9割が死ぬ残りの1割は上に行く実力を持っているものだ。それは現場にいないと分からない。


 最後だ、これだけは絶対守れ。


 胸と尻のでかい女には気をつけろ。パーティをめちゃくちゃにする、俺は昔それをやられた、その当時のパーティの団長が何処からか女を拾ってきて実力も測らないで団長代理にしやがった、俺はそのパーティの中堅どころだったからよ、若い連中から不満がひどかった、


 女共から『あんな胸が太てってるのなんか邪魔で使えないとか』


 男共も『自分に実力があるのになぜあんな実力もわからない新人がいきなり副団長だ!俺だってあんな彼女欲しいだとか』


 よく分からん願望で、散々な目に遭ったよ。


 あとの細かいことはギルドの受付て売ってる新人冒険者マニュアルを買ってくれ

 新人なら割引が効く。俺の懐にも金が入る。win-winだ」


 グランドは最後宣伝まで入れ締める。

 これが結構売れると本人は語る。

(ウホウホだぜ。)


 後世に発表された数十部部売り上げた自叙伝に書かれた。


「なんか最後ので全部吹っ飛んだな、」

「ええ。真面目に冒険者の心得を言ってるのだろうと感心しましたが、その感心を返して欲しいですね。」


「最後の結局。自分が嫉妬して辞めたって話だし、受付カウンターに売ってる?宣伝だし、それも売れてる・・・」

「嫌な商売ですね、投げるだけ投げて疑問答えないまま、宣伝、買う以外の方法がないですね」


 などと2人はズタボロに評価する。


「良いんだよ売れれば、2000マキシアだ買ってくれ支部長権限で割り引いてやるぞ1000マキシアだ、俺の収入がギルドとの契約で2割貰うことになってんだ。」


「なんか安いような気がするけど、内容なんてあるけど無いみたいなものだな。」

「ええ、そうですねどうせ、碌でもないことでしょう。」


「まぁ、良いぜ買わなくても、他のやつが買う」


 ここで将希の空気を読まない悲しいスキルが発動する。


「そういえば、サンディさんとグランドさん戦ったらどっちが強いの?」


 そう言うと場の空気がひんやりから極寒に変わる。


「おう、良いこと言うじゃねぇか、ギャハハ」


 いつでも殺れる、そう言っているようにグランドら笑う。


「隠居支部長に負けたなんて部下に笑われるわね」


 そのいらない口を右目と同じようにしてあげるそう言外に言う。


「おうおう、騎士団長、俺が勝ったらその座、貰い受ける。」


 先ほども聞いたことあるやり取りが繰り返され、2人は立ち上がり地下闘技場にお互いを先に行かせないように早歩きで向かう。それを1人が走って追いかける。



本当はここに三馬鹿日誌なんて書こうとしましたが。かなり下品なこと書いたんでやめました。団長に三馬鹿がプレゼント贈るって話です。


で話を変えて。


団長ってエルフの末裔と判明しました。

だからところどころ変なところがあったんだな、

見た目20代なのにね無駄に人生経験豊富だとなんでだろうって思った。これで謎が解けた。

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