グランド
サンディは話を切り上げ佇まいを治すとドアがノックされる。
「サンディ様。ギルド支部長グランドです宜しいでしょうか」
ドア越しに低い男の声が聞こえる。
「グランド殿、どうぞ」
「失礼します、」
入ってきたのは黒で統一されたスーツを着た見た目は若そうだが、歴戦の戦士という筋肉量の戦士。その右目は2本の傷が入る。すでに見えていないのだろう。
「将希殿、紹介します、この方がここ湾岸都市リベリシュのギルド支部長マギル・グランド」
サンディは立ち上がりグランドの方を手で示す、将希もつられて立ち上がるとグランドは手を差し出す。
「今、紹介されましたマギル・グランドです、今はギルド支部長という立場ですが兼任して冒険者も続けております。将希殿。よろしくお願いいたします。」
「ど、どうも、こちらこそよろしくお願いします」
グランドの手を握っている将希だがグランドはほとんど手に力を入れていない。
掴みどころが無い、可もなく不可もない受け答えだ。サンディさんにとってはやり難い相手か、それにギルド支部長になれるまでの実力。
「それでサンディ殿今日の要件はお変わりなくですか?」
将希の腕を離し、サンディの方へ向かう。
「ええ、先日出した手紙と変わりありません」
「わかりました、お掛けください立ち話もなんですし、」
グランドは椅子を進め自分は先に座る。
「では失礼します、……将希殿もお座り」
「躾か何かですか?」
「いいえ、常識を教えているの」
なぜ怒られているのかわからないが渋々座る。
「がはは、愉快ですな、」
グランドは独特の笑い声を出す。
「昔を思い出しますな若い頃、私もよく先輩にしごかれたものです。そうだ申し訳ありませんがお茶などは出ません、要請に基づいて、人払い中なので。しかしサンディ殿あまりやりすぎると逆に怪しまれるのでは?」
「そうですが、この将希殿はジョーカーです。」
「こんなひ弱そうな青年が?」
そうグランドら首をかしげる。まぁ俺もなんでギルドにいるんだろうって思ってるもん、騎士団長にそんな力力はあるんだなオドロイター。
「私にも勝つ力を持っています。」
「そうは見えませんな、サンディ殿が本気を出せば指一本動かす前に切り刻まれると思いますがね」
なんか嫌な感じ。特に切り刻まれるってところがね。
「ええ。私も最初はそう思いました、しかし、私の最速の剣が止められたので、それだけの力があると思います。」
グランドは少し目を見開き将希を睨む。
「サンディ殿の最速を止めたですか、あれはは私でも厄介なのに。」
グランドはサンディの剣を受けたことがあるのか何か。探すような目をする。
「そうですか。うん〜話を聞いただけではなんとも言えませんな後で試験を受けでもらう必要があると思いますね」
「ええ、そうですねコテンパンに千切りにしてあげてください」
2人は将希を、置いてきぼりにして話を進める。千切り?斬り刻む?物騒だなぁ。ほんとマフィアのボスか?この人たち。
「話を聞いただけではランク的にはBランク、騎士団長に勝てるのであればAを超えて来るかもしれませんな、そうなると処理が面倒ですね」
「そこでグランド殿のお力の登場というわけです。」
サンディは満面の笑みでグランドを見つめる。
「その眼、猫が獲物を見つけた時のような眼ですな。」
借りてきた猫、今の将希にはそれが1番似合うほど。固まっている。まぁ。わかる。
「そんな〜私は可愛い猫ですよ」
「猫かぶってますな、」
「そんな話は置いといて、」
サンディは箱を持ち上げる仕草を見せる。
「Bランクを超えてくると魔物討伐に駆り出されるます、なのでCランクにして欲しいんですよ、」
「一応ルールはありますけどね。まぁ、ここ最近高ランク冒険者への招集をかけた事は無いですけどね、そもそも拒否も可能ですし、」
サンディがああ言えばグランドがこう言い返す。そんやりとりが続く。
「しかし。拒否をする場合、正当な理由が必要です、毎回考えるのも大変ですし」
「まぁ、そうですな、そもそも陛下直属の料理人に冒険者資格が必要なんですか?」
「ええ。必要ですこの将希殿は自分で魔物を狩りたいと喚いてまして、煩いのです。」
「喚いてないぞ」
「お座り」
「チッ!しつけかよ、」
なんだよ。お手?
「本人の意志かどうかは知りませんがでは場所を地下に移し臨時試験をしますか、まぁランク的にはサンディ殿の懸念通りCランクにしますが、一応今の実力を知る必要がありますので、良いですか」
「ええ、それで大丈夫です。」
「あと、一つだけ。将希殿、冒険者として登録された場合、年に5回以上討伐または採取のクエストを成功してください、それが達成されない場合ランク降格や除名などの措置をとる場合があります、サンディ殿も、」
グランドはそう言うが目はサンディの方を向いてる。
「なんの話かな?」
「まぁ、いいでしょう、それは後でみっちりと、では地下に行きましょう、細かい説明はその後で」
グランドは立ち上がりそれに続くようにサンディも立ち上がる。
人物紹介 グランド
身長203cm
体重98kg
ギルド内で事務仕事をしている時には筋肉が強調されるスーツを着て
『筋肉は裏切らねぇ。』
そう冒険者達に言いまわっている。
普段は荒くれ冒険者を取りまとめるためにマフィアのボス・・・ではなく規律にうるさい支部長と立場として、冒険者をまとめている。
現役当時は冒険ランク最高位のS
当時全世界のギルドで3人しか居なかったギルド最高位である。
その実力は現役を引退した今でも時より冒険者稼業に出てBランク程度ならば単独で討伐できるほどである。
右目の傷はまだ冒険者を始めた頃に出来た傷である。過去の経験から新人に対しても厳しく。ベテランであろうと容赦なく指導する。慣れてきた頃の新人に対してはより厳しく接しているが嫌われることはなく、逆に自身の経験に裏打ちされた歴戦の支部長として冒険者からは信頼を得ている。




