25話 王国の秘密
「では将希殿行きます」
「どこに?」
「それは教えられません、」
「え?」
将希の腕はサンディの細い腕に掴まれ誘拐された。将希はサンディから逃れようとしたが何故か全く腕が抜けない。
リベリシュに着いたのちすぐに将希はサンディに馬車で誘拐されギルドに連行されていた。
ギルド内部の貴賓室、サンディは着くなり支部長を呼び出し、貴賓室に案内させた、その後部屋に入るなりすぐにサンディが盗聴対策を警戒して王家支給の簡易式魔法防御結界を張っていた。
貴賓室のある2階への周囲の目を気にしたのかギルド支部長に2階への立ち入りを制限しろと問い詰め。支部長は自分以外の立ち入りを制限した。
支部長曰く常時、役持ちギルド職員以外の立ち入り禁止だそうだ。役持ちでも理由を支部長に申告しないといけないそうだ。ってことは支部長なら好き勝手入れる。
「で、結局何しにここへ」
将希のなぜ自分が誘拐されたのか全く聞かされていないのか、そう嫌味たっぷりに聞くがサンディの答えは将希の思っていたものとは全く違った。
「将希殿今後あのよう、事態に襲われた場合、将希殿は何もできません。」
唐突にサンディは告げる。「将希殿は冒険者でも国家騎士や貴族騎士、地方騎士ではありません。我が国では一般市民の非常時以外魔物の討伐と野盗の討伐など危険を伴うは禁止されております。将希殿が王家直属の料理人としてもこのルールは適応されます、例外もありますが」
サンディは最初からこうなることがわかっていたのか。ただ淡々と説明する。
「そんなルールが有るのか?その、あの冒険者と?国家と?貴族の騎士?それ以外は魔物討伐出来ないって?」
「ええ、このルールは市民の安全のためにあります、力のない者が自分の力を見誤り自分の力に見合わない魔物との戦闘を避けるためにあります。私的には自分の力もわからない奴らは死んで当然ですけど。」
サンディは、口を酸っぱくしてそう言う。
過去にこんな案件でも担当したのかな?サンディさん大変だな、ってこの人いくつだ?
「ふ〜ん、そんなもん、なのかな、まぁ、わからなくはねぇな。ギルドにとっても市民にとっても馬鹿な奴らのせいで無駄に命散らすより、ちゃんとルール決めた方がやり易いのか」
将希は誤魔化しながら呟く、それにサンディは頷く。
「ええ。昔はそのせいで馬鹿な奴らが大勢死にました。そのおかげでギルドは大変な事になりました、行方不明事件の続出で私の駆り出され冒険者と共に遺体の捜索をさせたり。今でも地方では成人の証として自分の父親が成人の証として狩った魔物よりも強い魔物を狩らないといけないと言う訳のわからない風習が残る地域もあります。
いつしかギルドか定める最高ランク
ドラゴン を狩る事になるんじゃないですかね、そう私は危惧していますが、ドラゴンの目撃事例はありますが我が国では秘密裏にドラゴン達と王家は契約を結び人間に手出しをしないと言う事になっています、それは私たちもそうで人間から手を出した場合、国一つが半日かからず滅ぶと言われています。」
うわー、なんだよそれ、この数十秒で色んな情報が詰め込まれすぎておかしくなりそうだ、
待てよ、地方の風習でそんなイかれた風習が残ってるのかよ、親が倒した魔物よりも強い魔物を倒さないといけない、本当にサンディさんが言った通りいつしかドラゴンクラスを倒す事に?うわー、嫌だ。ん?待てよ
「ん?ちょっと待って?一般人にはドラゴンと王家の契約は知られてないの?」
「あぁ、そうでしたね、秘密裏に、です他国ではドラゴンスレイヤーが過去に居ました。我が国では一応法律でドラゴン狩りは禁止されています、まぁ、勝てる人間も存在しないので、国民には秘密裏なので知らせてはいませんがやはり外交問題になるのであまり大々的に公表する事はできません。
簡単に言えばドラゴン達を手なづけている
それだけでも他国にとっては存亡の危機ですので。」
それだけドラゴンはやばいって事かだからこの国の王家は盟約を秘密裏に結んでる。
「まぁ。そうか、国を半日で滅ぼすことの出来るドラゴンを手なづける王家。それだけ聞いたら他国にとっては恐怖だわな、最悪戦争に発展する可能性もあるのか。」
「えぇ。そうです我々はドラゴンと友好関係ではありますが敵を殲滅しろと言った指示をすると言う関係ではありません。もし全世界戦争が起きればドラゴンうんたらの前に我が国が滅びます、なので公表は控えています。」
全世界戦争……
「恐ろしいって言葉じゃまだ甘いな」
将希はそう呟くが呟やいた事に本人は気づいていない。
「えぇ、まだ甘いです最悪国民皆殺しなどあり得ます、考えてみれば簡単です相手から見れば今までドラゴンの盟約を結んでいると知らなかったつまりいつの日か終焉の時を迎える可能性があったと我々にはそう言った考えはなくとも他国から見ればそうなります。そうすれば国家だけではなく国民も殺戮の対象となり得ます、同じように隠していたと、」
サンディの?目は本気でそれを言っている。殺戮劇が起きると。
全世界戦争、つまり全世界からの攻撃。マキシア王国はドラゴンと友好関係はありますが部下などでは決してない無関心の対等な関係です。もし攻め込まれたらそもそもドラゴンの力などないマキシア王国は数分も持たないうちに滅ぶ、文字通り更地と化す。
サンディはそのように言う。
簡単に言えばこの国はドラゴンと秘密裏に盟約を結んでいる。それは他国には一切の告知なく、もしそれがバレたらこの国は全世界から目の敵にされ滅びる……
なんて厄介な状態だよ嘘だろ。そんな。デカ過ぎる秘密持ってどうするんだよ、全世界戦争かよそれってどんな感じなんだろうな、
「なぁ、その盟約っていつから結んでるんだ?」
「確かこの国の歴史を記した歴史書ではこの国の初代国王が盟約を結びその後ドラゴン達の力を借り、マキシア王国を作ったとされていますが我々にはそれ以上の資料は残されていません。もしかしたらドラゴンの長ならば知っているかもしれませんが何せこの国の歴史よりも長く生きていますから、彼は。」
「この国よりも長く生きてるドラゴン?」
「ええ、ドラゴンの寿命ははっきりしていません最低でも1000年生きるとされています、」
「1000年も途方もないなエルフもそのぐらい生きるんだっけ?」
「ええ。そうです、しかしドラゴンは最低でもです、つまり、1万年、10万年、はたまた寿命というものを超越していてもおかしくありません。人間はそれだけの長期になると観測できませんので。」
最低ね。だからそれ以上の可能性もある。そう言う事。人間が観測出来ないから不明すごいな。
「盟約を解消したらドラゴン達から国を滅ばされる。
他国にバレたら全世界戦争が起きる。
詰んでるな」
「ええ。その通りです、なので放置ですねこのままバレないように徹する。将希殿、もしバレたら将希殿が1番最初に疑われるので注意を」
「へぇ?!騙したな!こいつ!」
「なんのことでしょう?」
何も意図はないそんな顔をする。
「まぁ、何も意図がないと聞かれたら無いとは……来ましたね」
サンディは話を切り上げ佇まいを治すとドアがノックされる。
湾岸都市リベリシュはマキシア王国がかなりの金をかけて整備した軍港であり交易港。
リベリシュ市場は世界最大の市場として全世界で認知されている。毎月200万人近い商人が商機を求めて出入りし王国はその税金でボロ儲け。ウホウホである。
世界各国はその利権を奪おうと躍起にやっているが思っているようにはならない。何せここリベリシュの位置関係が良すぎるから。
さて、ドラゴンとの盟約は秘密裏に結ばれてます。なので各国はその事を知りません。




