夜明け
「団長、後ろの確認は取れました、今のところ野盗の姿は確認できません」
後方で警戒していたワジルがついさっき団長が立ち上げだ臨時指揮所に入って来る。
「ありがとうワジル、次は上の見張り台で見張り、2人連れて行って」
「わかりました」
若干不満そうな顔をするが「団長命令」と言われ諦めて上へ向かう。
机の上には地図が置いてありますそこにはカイブロスの模型が置かれている。
「ここで無駄な時間を喰ったな、予定ではあと100kmほどは動くつもりだったけれど、もう日が暮れる、」
サンディは立ち上がりテントから出て自分の目で太陽を確認すると太陽は下斜めに来ている。
「この先のライフド大河は越えたかったけど、夜中に川を越えるのは危険ね、あと10kmぐらい進んで野宿するしかないか、予定よりも手前だけど仕方ない、野盗の生き残りもいる可能性があるし長居はしたくない。明日の朝、大河越えをしないと」
サンディはそう言い魔法通信を使う。
「全団員に次ぐ。我々はあと10km前進し、そこで今日は野宿となる詳細は以上文句は言わせない」
魔法通信を一方的に切りアレクに繋げる。
「アレク、聞こえる」
『ええ。聞こえますぞサンディ様、予定よりも手前ですな』
「もう日が暮れるこれ以上進むのは危険が伴うかと言ってここで野宿したら野盗の残党どもに出くわす可能性もある、ここに居座る理由がない特に寝入りは危険だ」
サンディは歩きならが周りの安全を確認している、
『ですねやはり油断は禁物それでサンディ様、もう出ますか?」
「……あぁ、出る地上部隊の撤収は済んだ、あと上で確認取れば動けるタイミングは指示する」
『了解』
騎士団員をカイブロスに引き上げ、最後に登ろうとした団員達にテントを片付けさせる。
「将希殿は放置であとで説明すれば問題なしと、」
(そう言えば将希殿はどちらへ?)
その頃将希は医務室で屈強な看護班の治療を受けていた、上から戦場を見ていたがある野盗がサンディの剣によって半分ににされた瞬間、気を失い搬送された。
「う。う〜、」
「起きたか将希、大丈夫そうだな」
その後の光景は想像したくない
●
「ニハムスに伝書魔法でボスの首を贈らないと、ついでに他の野党も贈るか邪魔だし臭うし、埋めるのもキモいし」
そんな理由で野盗の死体はサンディの部下によって箱に詰められ魔法空輸されて行った目的地はニハムスの邸宅の執務室。
翌朝。ニハムスの執務室の窓は血で真っ赤に染まり、窓の下の地面には野盗の無数の半身にされた遺体が転がっていた、朝、それを発見したメイドは卒倒し誤って遺体と一緒に処理されかけていたが、どうにか免れたと言われているが見たものは語ろうとしない、そんな話は置いといて。後日市民の間で噂が広がる、その名も『鮮血の呪い』と言われてニハムスは相当頭を悩ませたそうだ、
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騎士団はその後目立った魔物との遭遇もな野営地に到着そこで見張り番が決められた。
「では、見張り番を発表する」
夕食が出来たタイミングで皆を集めてサンディは見張り番を発表する。団員の目はかなり死んでいる、楽しいはずの食事が深夜のきつい見張り番と言う必要不可欠な。悪夢に捕まったせいで。
「なお時間帯により人を入れ替えることも許す、」
つまり1人なら3時間やってないといけない事を6人なら1人当たり30分、18人なら10分で済むという事。
「9時から0時まで2番隊隊長ワジル、ワジルは2番隊の一部隊員を引き連れ警戒にあたれ、」
「……了解、・・俺の美味い飯が、団長人数はこちらで決めて良いですか?」
そう、全団員の心情を表現する。
「あぁ構わん、だか30分交代だそれより短くなると引き継ぎが面倒だ、」
「わかりました。」
「続いて」
「0時から3時 臨時副団長マクリアスだ」
「は、初めて名前を呼ばれた!」
「よかったなマクリアス」
隣に座るワジルがマクリアスの肩をおもっきり叩く。
「痛いってワジルさん」
「がはは、飲め飲め!今日は飲め!!奢りだ!」
「元からタダ酒だろが、死ぬまで飲め!」
そんな楽しそうな声に冷たい声が混ざる。
「おい!まだ終わってない。最後の晩餐ならあとでやれ、」
団長の一喝で浮かれていた団員は一気に酔いが醒めた。
「次だ、3時から6時は私と適当に選ぶ誰かで見張り役をする。カール!サムウェル!ブラットリー以上!3名は見張り番だ」
その3人からは返事すら来なかった。
「起きて来い、起きてこなかったら、永遠の眠りについてもらう、いいな!」
「「了解です……」」
まぁ、流石に殺される事はないと思うが、3人の顔は死んでいる、その後ヤケ酒し過ぎて団長にしばかれたそうだ。
要約すると
21時から24時のまだ楽な時間帯は
2番隊隊長ワジルとその配下。
24時から3時の諦めがついた時間帯は
副団長マクリアスの道連れにしても心が痛まない友人達。
3時から6時の1番きつい時間帯は
騎士団長サンディとその仲間達(強制)カール、サムウェル、ブラットリー。
その方々は騎士団のための勇敢な犠牲となってもらった。
まだ日が登る前、将希はなぜか目が覚めてしまった、二度寝しようとしたが出来ず諦めてデッキに出ていった。ランタンが一個テーブルの上に置かれている。
「将希殿?」
ふと後ろを振り返ったサンディは絶対にいるはずのない存在将希がここにいる事に珍しく驚くがすぐにいつも通りに戻る。
「えらく早起きですね、何かありましたか?くまちゃんの子守唄が恋しいのですか?」
にっこり笑みを浮かべ、おちょくる。
「眠れないんだよ!」
「そうですか、私の部下はこの通り寝ているので丁度人手が欲しかったのです。」
と、脈路のない発言をするサンディの視線の先には床に倒れている3人ヤケ酒のせいでここに来てすぐ、おねんねしたようだ。
「俺、やっぱ寝るわ」
そう言い。機微を返してそうとするが何故か上半身が回らない。
「何もしませんよ将希殿、お手伝いお願いします。」
サンディの冷たい声と共に肩を掴む細い指。
「そ、その手は?」
「これ?、これですね、引き留めようとしています、やはり夜中に1人では寂しいので」
「で、手伝いって?」
将希は落ちた。サンディの悲しそうな演技に心打たれたのか、振り返ってしまった。
「これであそこにいるブロリアの群れを見張っていてください」
双眼鏡を渡されたサンディの指差した方を見るがなんとなくだか姿は見える。
「何もいないけど」
「そうでしたね、私は目が良いんですよ、残念ですが交代できなさそうですね」
よほど交代したかったのかシュンとする。
「ほらねどうせこうだと思った」
将希はそう、威張るがどの口が言うのだろうか。
「わかりました見張りは結構です、まもなく夜が明けますもう少し居ては?」
「日の出見ろって?」
「ええ。ここら辺は人が住んでなく綺麗な日の出が見れますクマちゃんとのデートにも役立つかと」
クマちゃん。まさきにとっては最高のパワーワード。
「だけどここ魔物がうろちょろしてるんだろ?」
「大丈夫です、日の出を見るためだけのツアーも以外もありますのでパルクから湾岸都市リベリシュに向かいリベリシュの海で月を見る一泊2日リベリシュ解散の海尽くしの旅行などもあります。」
ん?何が大丈夫なの?
「面白そうだけど。現地解散なんだ、」
心は動きかけたが、現地解散という言葉を聞いて止まった。
「リベリシュに住んでいてパルクに用がある人がよく使いますね、それこそデートであったり老夫婦の旅など使い方は様々です。それを一応。王都を観光しパルクに帰るツアーもあります、」
「売れるんだなそんだけ」
「大人気ですよ予約は一年待ちが普通、時期によれば3年待ちもあります。」
「3年、朝日に、」
……3年、待つ方もすごいな、俺なら待てない絶対に美味いラーメン屋でも並ばなかった俺が言ってんだだからそうだ。
「リベリシュでも朝日は見れますよ。それこそリベリシュは朝日と月が名物でそこでカップルが告白なんてする事もあります、朝日に告白したらその日は海で遊びまくる、月に告白したらホテルで満喫なんてする風習なども存在します。多くの男共は夜告白するゲスい奴が多いですね。」
サンディはそう言ったこと経験が少ないのか嫌そうな顔をする。もしくはかなり振ってきた熟練の経験者の二択だか。サンディの場合前者であろうと推測される。
「大変ですね、」
「夜告白してきた奴の6割は振られて終わりますけど。それと、今回は観れることはないですけど。」
酷い、頑張って……ないな。ゲスイ考えの元やってんだから振られて当然だ。って言うか観てもいいと思うけど夕陽。まぁ観たところで凄い〜しか言えないけど。
「見てください」
そう言うとサンディ前に向かい指を指した。それに釣られて将希が同じ方向を見ると太陽の光が地平線から姿を覗かせる。
「もう、朝日が昇ります」
屈強な男たちに介抱される将希、
想像したくない・・・想像してしまった。
俺は何も知らない見ていない。




