賭け
その頃、将希は・・・素直にランニングしていた。何故かわからないが身体が軽い、いつもなら一周する前にへばって地面に倒れ込んでいるが、って言うかいつもも無いが、今日は騎士団員のスピードと同等で走っている、見た目まだまだ余力があるみたいだ。
「うお〜身体が軽い!飛べる!飛べないけど、」
将希は走りながらポップしステップしジャンプし着地に失敗する。
「痛い、」
「大丈夫ですかい?」
そう声をかけたのはランニング中に仲良くなったサムウェルと言う見た目見た目20代のおっさん。
「おっさん。ありがとう」
差し伸べられた手に、将希は右手を差し出し、サムウェルは一気に将希を引き上げる。
「大丈夫ですかい?無駄なことやるから転ぶんですよ、」
「やってみたくなるじゃないか」
「まぁ、わからなくはないですけどね、若気の至りと言うところですかい。あはは、まぁ。無茶したら団長に殺されますよ」
「マジ?」
将希は内心もう殺されることは確定しているが、また殺される事も確定した。
「ええ。だってランニング終わったら団長と決闘するんでしょ?、団長の座を争って勝っーー」
将希は普段聞き慣れない「決闘」との言葉を聞き、サムウェルの話を途中で遮る。
「ちょっと待て?何が決闘だ?俺はそんなことしない。」
「え?しかし先ほど騎士団長とタイマンを張るって、」
「そんなことしない、ただ稽古をつけられるだけだ、それも一方的に狩られるだけの」
「あぁなら納得です、」
「まぁ、1回勝ったことあるんだけどね、」
2人はそんな井戸端会議をしていると、ワザと2人を泳がせて、様子を見ていた、団長だが2人が走らないのをみて団長は弓矢を構え、タイミングを測り放たれた矢が高速で将希の頬を掠る。耳には「シュ!」と言う音が反響する。
「ヒェ!死んだ!」
将希は矢が掠り少し血が流れている頬を手で押さえる。恐る恐る、その血を見て顔色がより悪くなる
「何してるんだっ!早く走れ次はその使わない脚に当てるぞ!」
『はい!』
「それは当てて欲しいの「はい」か?」
「いいえ!違います」
サムウェルはそう調教されたように敬礼し将希を置いて走り出す。
「置いて行かないで〜〜」
将希は走っていったサムウェルの手で追いかけるが。
「将希殿走ってください」
サンディは背中の矢筒から矢を取り出し弓矢を再度構える。
「ちょ、ちょっとヒィ!」
放たれた矢は正確に将希の靴の前2センチに着弾する。
「ちょっと。なんだ?そのあとは」
「いえ何も!走ります!」
将希は逃げるように走り出す。
(何故私は当てなかったか?別に当てても良かったんだかな、)
その後サンディに発破をかけられた将希はサムウェルと話をしながら時々団長の檄に晒されながら。5周走り切った、ボロボロとまでは行かないが。かなり疲れている様子だった。
将希は5周走り切りすぐに地面に倒れてよくわからないことを呟く。
(空って青いな〜。白い雲、微風。空って青いな〜)
「将希殿10分休憩ですそのあと稽古をしましょう真剣使って」
そこに団長が真剣を帯剣しヘルム以外の装備をフル装備したサンディがカチャカチャ金属音を鳴らしながら、現れる。
「そ。それって斬られるの?俺」
「いえいえ、斬ることはしませんもしかしたらかすり傷を負うかもしれませんが」
「冗談ですよ、そこまでなりませんもしなったとしても回復スキル師に回復して貰えばたとえ首が飛んでも回復させる事が出来ます。」
「それって首が飛ぶって話?」
将希はその姿を想像してしまったのか。どんどん顔色が悪くなる。
「大丈夫です、たとえ首がなくても死んで間もない頃でしたら新たな首が生えて。自分で自分の飛んだ首を見ると言うわけわからないことが起きますが問題ありません。」
「?自分で自分の飛んだ首を見る?もうそれが訳わからないよ、」
「大丈夫です、その前に止めますので。もしこれが若い騎士なら首の半分くらいのところで剣が止まり、半切れ状態になりますが、私は歴戦の騎士なのでそういったミスはしません。なので任せてください。」
サンディは鎧の胸の部分をグーで叩く。
「では。私は失礼、準備があるので」
サンディは建物内に入っていく、それと入れ代わるように後ろで盗み聞きをしていた
サムウェルと他の騎士団員たちが寄ってくる。
「将希、無事を祈る俺らは助太刀には入れないけど、遠目から応援している。」
「チッ!こいつ自分は安全圏に居るからって、なら俺がサンディを倒せばいいんだろそうしたらお前たちを辞めさせる!」
「賭けですな。いいでしよう受けて立ちましょう。私は将希が負けるに1000マキシマ」
「俺も500だ!」
「団長が負けるに1000!」
「相打ち2000!」
『ずるいぞ!どっちが勝ってもせこいぞ!』
「将希が勝つに3000!」
「おぉ!でたな団員一の負け癖!」
「うるさいんだよ!」
「なんだと!やるか!」
「やってやる!かかってこい!」
「お前らやめろ、」
「うるさいんだよハゲ!」
「お前ら!殺してやる!」
「いいぞ!やれ!ダノンが勝つに500だ!」
「俺はカイルが勝つに1000!」
「相打ち2000!」
「またかよ!団員一の負け癖!」
「うるさい!勝てば総取りなんだよ!」
「・・・!何をしている!!!!」
「「はい、」」
窓から顔を出して団長の怒鳴り声が庭中を駆け巡る。
「まぁ。将希、頑張れよ。」
そうサムウェルが言うと。団員たちは蜘蛛の子を散らしたかのようにどこかに去っていく。
その後いつになくイライラしているサンディがヘルムも着用し騎士団員達が面白半分で制作した円形の紐を伸ばしただけの簡易闘技場広さは20m程度しかし完全な円形ではなく所々、歪んでいる。
それを取り囲む野次馬つまり騎士団員、金を賭けただけあってボルテージは最高潮となっている。
闘技場の中心にはサムウェルが刀の鞘をマイク代わりに観客を煽る。
「赤コーナー、若き宮廷料理人!・・・
ま〜さ〜き!」
『『わぁぁぁぁ!!!!!』』
「金賭けたんだ負けるな!」
「青コーナー!騎士団団長〜!・・・サンディ!」
「お前らいい加減にしろ」
「負けたら!引退を表明!」
「おい!お前死ぬ前に言うことは!」
「ではルールの説明です」
「後で殺してやる!」
サンディはサムウェルに近寄り剣を向けるが防御結界に阻まれ、剣が止まる。
「まず!殺しは無しだ!反則負けとする
2つ!この闘技場から外に出たら負け!
3つ!降参又はそれに近い言葉を言ったら負け!
4つ首元、心臓など致命傷になりうる箇所に剣が当たっら負け
以上!その他なんでもあり!しかし野次馬が手出しすることは禁止だ!」
サムウェルが叫び切った瞬間、目の前に立ち団長の姿が影を残し消える。
「かい?し、」
キィーン!
激しく火花を散らす2本の剣。
「やっぱり、速いですね」
「これを受け止めるだけでもなかなかだ。騎士団の中でもこれを止めれるのは副団長のみだそれでも剣は折るがな。」
そりゃこえーな。
団長はルール無用と聞いた時点で次の10手を考えすぐさま実行に移した。
この場合相手は「始め!」の合図を聞いてから動くしかし今回はルール無用、その隙をつき団長は一気に勝負を決めようとしたがそれを意図も簡単に止められた。
団長はタイミングを測り1番効果的なタイミングで将希の懐へ最速の剣を入れたがそれを将希のスキル、オートモードが反応し寸分の狂いなく団長の剣筋を読み的確に団長の剣をいなした。
「将希殿はやはり強い、しかし人を斬ったことがないと見るどうだ?」
「ああ、斬ったことがない、そもそも俺のいた世界はとっくの昔に剣で斬り合う時代は終わってた」
「ほう、将希殿世界はそんな世界なのですか、また違った面白みがありそうだ」
「そうでもないぞ、どこいっても金だ下手したら全員、貴族共見たいに気持ち悪かったよ、」
「この世界よりもある意味ひどいですね将希殿世界は」
剣が目の前で交差し火花がいまだに飛び散りながら2人は小手調べと言った感じに会話をする。
「なぁ、将希殿このままでは埒が開かない、どの道どちらかの剣が折れるのを待つだけになる」
力は拮抗している、もしここで反撃のために剣を引いた瞬間負ける。そのことは両者わかり斬っている。だからわざと2人は力をかけて動かないように小細工をした。
「そうだなどうするんだ?」
「一回仕切り直しと行きましょう」
「わかった、」
将希はそう言い剣にかけて力を抜く。
「え?いいんすっかそんなの?普通なしでは?」
自称審判役のサムウェルはそう呟くが2人は先ほどと同じ達立ち位置に戻り剣を構える。
「では仕切り直しといきましょう」
「そうだな。どうする?今度は待つか?サムウェルを」
「サムウェルなど放置で構いません、どうぞ来て下さい、切り捨てるのです。」
「あらら、怖いな。ではお言葉に甘えて」
微風か耳元を掠る、木々が揺れる音が聞こえる。刹那、瞬きをした瞬間将希の姿が目の前から消え影が1人でに動く。
「速い、でも甘い」
団長はそう呟き一歩二歩と左に動くと先ほどまでいた位置に剣が瞬間移動したように現れる。
「よく、見えますね。サンディさん」
「影は必ず1つです2つはありません。影を見ればどこにいるかわかります、そこからどこに動くのか予想は可能です。」
ふつうならそんなことできないと思うけど、チッ、厄介な影で動きがバレるか。雲は少しあるが、太陽を隠すほどはないな、
「どうしました?将希殿来ないなら行きますよ」
団長はよそ見をしている将希の返事を聞く前に動き、
「将希殿、戦闘中によそ見ですか?死にますよ」
将希急いで視線を戻すとサンディの姿はなく。剣の腹が太陽光で反射する。
キュイーン!
「これも止めますか。やはり将希殿は速い。」
「いや、たまたまだ剣の腹に太陽光が反射して見えただけだ。もしそれがなかったら斬られてたよ、ラッキーだなぁ」
「よく喋る口ですね、全てわかっていたくせに」
それは将希にとっては図星だった、将希は先ほど完全に反射も目で捉えてはいなかった。何故か知らないが、頭の中で。『オートモード作動。危機回避』と言う声が聞こえ、身体が勝手に動き剣を被せただけであった。だから自分がどう動いたかわかってない。
「すげ〜あの新人、団長とやり合ってるよ」
「イカれてるんじゃぇねか?団長とサシでやり合えるのは陛下だけと聞いたことがあるぜ」
「王国最強騎士を完全に封じ込めてる。この国も終わりだ〜〜」
『『あははは!あははは!』』
『終わりだー!』
野次馬騎士達は好き勝手感想を言っているの。
「今の見えたか?サムウェル、お前1番近いところにいるんだからわかるだろ」
「わかる訳ないだろ!!」
「副団長がいれば見えたかもな、まぁ、今はスカウトに行ってるがな」
「副団長でも見えないんじゃないか?」
「俺は聞いたことがある!副団長は綺麗な攻撃に囚われなければ団長を超えるって。」
「あれは汚すぎるぜ、足元にG投げつけて団長を怯ませる、まぁ、つい忘れるが団長はレディなんだよな、強すぎて忘れるよがはは」
「うるさいぞ!お前ら。」
団長は部下からの野次を力に変え全力で将希の剣を跳ね上げる。
「手元がガラ空きですよ将希殿」
「降参だ」
将希は巻き上げられた剣を見ながら両手をを上に上げる、
カラン、跳ね上げられた剣が地面に落ちる。
「サムウェル。早くしろ」
「あ。はい。勝者〜団〜長〜!」
「金返せ!!」
「おい。いくらだ俺、賭けに勝ったぞ!金だ〜!金よこせ!ほらほら金だ金だ、ひゃーはああ」
先ほど団長に賭けていた騎士か仲間から金を巻き上げる。
「お前達もやるか?」
「「いえ。結構」」
全員が逃げるように立ち去るが、
「勝ったら副団長にしてやる。どうだ、」
「え、いい話?か」
「いいんじゃないか」
「私はもう一戦本気でやった手負だ勝てるかもな、そうだ。副団長になれるのは1人だけだ」
団長がそう言った瞬間団員達の目の色が変わる。
「俺がやる!」
「良いわよ、ハモンド、かかっておいで。みじん切りにするから」
団長は冷たい殺気を伴った笑みを浮かべる。ゆっくりと左足を前に出す。
「おー、おれ。腹痛いわ、ちょっとトイレに!」
将希よりも高速で逃げ去る。
「はぁ、なんでこんなに貧弱なのかしらね〜、もっと厳しくする必要があるみたい。」
俺はこの時だけは騎士団って大変だな〜て思った、まぁ!関係ないけど。
「将希殿も今後騎士団の訓練に参加してもらいますので。」
「へぇ?、なんで?俺騎士団じゃない俺一般人、」
回れ右!将希はスルッと回転して逃げようとするが既に肩には手が置かれている。
「将希殿は仮にも陛下の料理人です、最悪、暗殺者に狙われる可能性もあります。」
「おれただの料理人だよそんなことないでしょ」
「いえ。あります。殺されはしないけど脅され陛下のお食事に毒を入れるよう脅迫される可能性も、もしそうなったら将希殿はどうしますか?」
そうなったら?んなの答えは1つ。
「入れるに決まってる、それで俺の命が助かるなら入れるな。」
「たとえ毒を入れたところで、将希殿が助かる見込みはないですが、」
「大丈夫だよ、サンディさん、捕まる前に逃げれば捕まらない。」
「もしそう言ったことがあれば将希殿はカイブロスに踏まれることになるのですがね。」
「じゃあやんないな、」
「そうですか。なら安心ですね私も監視していますので。」
流石に何をとは聞けなかった。
「それで。他に挑みたい奴はいる?」
サンディがそう脅迫すると誰も目を合わせようとしない。
「そう、居ないのね、正しい選択ね、私に勝てると思っていた不届きものは居ないみたいね。ハモンド以外は、うふふ、」
サンディはそう含み笑いしながら建物内に向かう。
「そうだ、サムウェル、全部片付けて置いてね。」
「了解しました!」
サムウェルは調教されたように敬礼する。
うわ〜騎士団って凄いな。俺もお暇するか。
「じゃ。俺も用事があるから、な〜」
後ろから殺気を感じるが気にしない気にしない。
「将希殿手伝っていただけませんか?」
無視、後ろ向いたら永遠コースだからな、
かなり儲けた?名前決めてないな、まぁ、いいかモブキャラだし




