神界から見下ろす者
そういえば何だこんな話してたんだっけな?なんでエルフがうんたら、まぁ、良いか。でくまちゃんに何作ろうかな。
だけど眠い、わぁーあ、朝は酷い目にあったあのお飾り騎士団長め。恨み殺してやる。
●
早朝将希は何故か王城の庭にて騎士団と共に素振りの稽古をしていた。
「1!2!3!もっと早く!遅い!」
「1!2!3!もっと早く!遅い!」
サンディの手拍子と罵声が庭に響く、「魔物は待てと言っても待たない!もっと早く!」
『『はい!』』
1人以外の返事する。その1人はすでにへばっている。
「死ぬ!」
「その程度では人は死にません。」
『ブーぶー〜!!」
「豚か?テメーら」
今度は騎士団員も込みの不満の声が飛ぶ。
しかし撃沈。
「なら、もし!魔物が現れて、我々は寝ていた魔物は襲うのを待ってくれると思うか!どうだ、待たないだろ、それが現実だ。我々の準備が出来てなくても魔物は襲ってくる、下手をしたら生身で戦う事もある!その時のために我々騎士団は己の身を武器とする必要がある!それが出来なければ家族を失うこととなる、我々が盾となり剣となる、市民にとったら我々騎士団は最後の防波堤だ、どんな事かあっても市民を守り抜く!良いか!」
『『はい!!』』
1人以外はそう返事をする。
●
将希は慣れないベット、慣れない枕
慣れない部屋、慣れない環境のオンパレード、さらにはクマリアとのデートのせいで寝付けないでてそのまま一夜を明かし、寝ようと思った頃には日の出を迎えていた、陽があがる手前からサンディと騎士団がうるさく朝稽古をつけていたため。さらに眠れなくなってしまい、仕方なく、表に散歩しに行ったらあら不思議。何故か薄着姿のある部分がより強調される服を着ている。サンディが待ち構えていた予備の木刀を渡された、騎士団と共に稽古をしていた。
「将希殿。どうです一本。眠れないんでしょ、」
「いえ。自分はその……」
将希は一応拒否はしたが……。
「よし!まずはランニング10週!行け!」
『『はい!!』』
サンディの掛け声と共に騎士団員達は木刀を丁寧に鞘に戻し走り出す。
「将希殿もウォーミングアップしてきて下さい。5週で結構ですそのあとは私が直々に稽古をつけます。」
「え、でもそのアレですよね」
「私の指示が聞けないと」
「なんでもありません!行ってきます」
将希はそう、何かに怯えて走り出す。
本人は気づいてはいないがこの世界に来る時あのロリ女神が少しばかり身体を弄って遊んでた。
「あははあははは、このぐらい良いよね、まぁ、私のせいじゃない。大変そうだね〜将希も」
そのロリ女神は自室に設置された炬燵の上に置いてある籠から蜜柑を盗み、将希が映ってる映像を眺めて大笑いしている。
「また、やってるのアレス?転生神が覗き見?悪趣味ね、」
「ゲェ、マリアお姉ちゃん、げ、元気?痩せた?疲れてる?」
マリアお姉ちゃんと呼ばれた、アレスよりも豊かな身体をしたマリアは「はぁ、」と憂鬱そうなため息をつく、そのため息さえも世の男たちを落とせる最終兵器レベルの破壊力がある。幸いなのは、ここ神々に集う家には女性しかいない事だろう。
「ゲェって何かしらね、はぁあ、アレス、毎回思うけど良くここまで部屋を改造するわよね、魔法で温度まで変えて、どこからか炬燵?だっけ持ち込んで、みかんもわざわざ下界に買いに行って、良くここまでやって大女神様はアレスを追放しないのかしらね。私は本当アレスのせいでいつも疲れているわ、」
自分に都合のいい部分ははっきり覚えている転生神はいつも通り言い訳をする。
「私は何も悪いことやってないもん、
だって〜炬燵だって持ち込んだらダメって書いてないし〜。
下界に降りたらダメだって言われてないし〜。
神界で魔法禁止なんて言われてない〜。
私は追放されない〜ちゃんと仕事してるし〜、お土産も渡してるし。喜んでるよ大女神様も。美味しいって〜だから問題無し。」
アレスは独特の口調で喋りながら、ミカンの皮を魔法で消去し、一房口に入れる。
「これ美味しい、マリアお姉ちゃんも食べる〜?」
そう言い手に持ってる。ミカンをマリアに差し出す、
「もらうわよ」
「そんなに食べると太るよ〜」
ビキッ、と言う幻聴が聞こえる。
「……アレス、少し黙れば?」
「ん?ダイエット中だった?修正神が?」
「大丈夫よ過去を修正してアレスが居なかったことにすればなんの問題もないわ、」
「も、問題あると思うけど。だって私が今までにやった事全部修正されちゃうし。歴史が大変なことになるよ。」
もしマリアが歴史の修正に走れば、いつの時代のアレスを修正するによって結末は大きく変わる、アレスが産まれるまで前に前に修正をかければ生まれなかったことになりその後の世界史は大きく変わる。主に3通りだが。
1、アレスが産まれないのでアレスの居た悠久の遥かなる時の歴史が全てなくなる。
つまりアレスがやったことは全て無しになる善も悪も。過去に人を異世界に送った事も無しとなり、将希も転生することがなくなり来世は蚊として生後2日で人間に叩かれて死ぬと言う運命が無くなる。
2、アレスは産まれないが転生の神アレスに代わる他の神が産まれる。
がしかし今とは違う歴史が刻まれる。その場合、将希とくまちゃんの物語はなくなる可能性がある。
3、修正をし過ぎると時間連動性運動つまりタイムパラドックスが働きその結果世界が崩壊する又は強制的に時間軸が戻され何も起きなかったことにされる。
過去に何度も起きているが観測したものはいない。時間軸が直される結果、たとえ観測できても、観測前に戻されるため無かったことになる。
「少しなら大丈夫よ、例えば今アレスを消せばこの先の未来は、変わるけど過去の事実は変わらない、アレスに代わる別の転生の神が産まれて、今アレスちゃんがやってる業務は全部引き継いでくれるし、アレスちゃんよりももっと有能な神が産まれるかもね、」
「そ、それだけはちょっとやめて下さい、
ちょっと待ってそもそも、もしそれやったら消されるのマリアお姉ちゃん、でしょ。なら、私のこと消せないんじゃないの?」
「アレスも消えて私も消えるだけね、いい気味」
「愛が重い、心中なんて、そんなに私のこと好きだったの?マリア〜」
「やめて。ほんとに消すよ」
「アレス!あははくすづったいってあはは足やめて」
マリアはいつの間にか靴を魔法で消し床でゴロゴロしているアレスの脇腹をつまむ。
「つまめるよ。太ったね、アレス。タプタプ」
「魔法で隠せば良いだけだから問題無し。イヒヒ、やれたらやり返す!」
アレスはマリアの脚を掴み魔法で細い棒を取り出す。
「ちょ、アレス!や。やめな。やめなさいアレス」
マリアは逃げようと脚を引くが魔法で浮いたアレスも一緒に足に絡んで付いてくる。
「イヒヒ。」
「や、やめて……ギャ!あはははあははは!」
その後何があったかマリアは語ろうとはしなかった。
風のうわさによれば神界には怒鳴り声と笑い声が響いたそうだ。




