ある日の将希とマリー
100話記念episode
第100.5話 ある日の将希とマリー
「私もサンディについて行きたかったなー」
玉座ではなく執務室に監禁されているマリアが呟く。すでに30分拘束され集中力が途切れ飽きてきた。先ほどから『お菓子〜』と叫んでいる
「陛下、サンディ様は陛下とは違い仕事でリベリシュに向かっただけです。」
鞭を持ち。監視任務にあたるペルシアは早く仕事しろと催促する。
「それじゃまるで私が仕事してないみたいじゃん、ちゃんとやってるっーの」
「実際問題仕事していないのでは?」
「じゃ、この書類の山は何?」
マリーの目の前には二つの箱が置かれている。
片方には 確認済み
片方には 未処理
とラベルが貼られている
やっと確認済みの箱に入れられている書類が未処理の箱の書類を背を追い越してきた。
「私は頑張ってここまで減らしたわ、ペルちゃんが鞭でMの扉開いている間ね、」
「仕事、しているのは事実ですね、少し休みますか」
実際マリアを鞭で打って居る時のペルシアの表情は愉快そのものであり少し頬も紅潮し女王様気質が見えていた。
「ほんと!ケーキ食べに行こう!」
「待ってください。」
目を光り輝かせて立ちあがろうとしたマリアの肩を掴まれ椅子にお座りさせられる。
「何よ〜」
「ギムレットあなたも何か言ってください。」
そう言い、気配を断ち空気となっていたギムレットに呼びかけるが反応なし。無関係を装う。
「では将希殿お菓子を買ってきてください」
ギムレットでは話にならないと見切りをつけたペルシアは何故か同席して仕事をやらされている将希に話を振る。何故将希がここで仕事をしているのだろう。不思議だ。
「ギムレット助けて!私の忠実な部下よ。ケーキ買いに行こうデートしよう!」
デート。それはモテない男子にとっては死後である。
そんなこと言われたら行くしかない!ギムレットの心が揺れるしかし日頃からサンディに躾けられているギムレットはその柔な心でどうにか交わす。
「・・・陛下、申し訳ありませんが政務と職務は別で。頑張ってください」
「将希!助けて。助けてくれたら婚約者にしてあげる。王冠もあげるから!」
「うっ、・・・そ、それは良いかも」
王冠という言葉に心が少し揺らぐ。
『将希国王万歳‼︎!』
『マリア女王万歳‼︎!』
国王・・・いいかも。将希国王 いい響き。
国王に 俺はなる!
ニヤケている。だが国王になると言うことは諸々の悪夢も背負う事になることをわかっているのだろうか。無理だな。わかってないない
「政務もあげるから!」
「それは結構ですマリー」
おーあのヘタレ将希が名前で呼んだもうそこまでいってんだな。
「では将希殿お菓子を買ってきてください。」
「わかりました。種類は?」
「私も連れて行って!」
「将希殿の好きで結構です。」
「裏メニューがあるの!」
「どうします?」
「裏メニュー!私しか知らない合言葉が!お願い連れて行って!。将希殿あとであれこれ、遊んだあげますのでお願いします。」
マリアの視線は双丘に向き暗にこれだと示す。馬鹿な将希も同じように目線が釘付けとなると。
「・・・って言ってますけど」
「陛下、それを実行するおつもりで?」
「いくらでもあげるわ、お菓子のためなら恥じらいも捨てる!」
堂々と、した立ち振る舞いでもないな。拘束されながらも女王としての威厳を見せる。
「声を大にしていうことではないですね。わかりました。陛下のお身体を屑に触れさせないためにも連れて行きましょう。」
「ありがとうペルちゃん」
こうしてスイーツリナへお菓子を食べに行くことが決まった。疲れたら糖分である!。
だが今日。執務室にマリアが戻ることはなかった。
そして午後過ぎペルシアの叫び声が王城に響く。
『陛下!どちらへ!また脱走ですか!』
その頃マリアは城内に併設されている独身メイド宿舎の1番上のフロアにある庭園にいた。
「マリア、お茶でも如何ですか?」
今日は休みの黒髪ショートの年齢不詳のメイド。マリアが見るに30代前半メイド室長アリシアが紅茶の茶葉が入った密封式の缶とティーポット、そしてマリア用に常備されているティーカップを台車に乗せてやってくる。
「ありがとう、もらうわアリちゃん」
アリシアは『わかりました』と一礼すると、手早くポッドに適量の茶葉とお湯を注ぎ紅茶を抽出する。
いつもながらに見事な手捌きである。永遠に見てられる・・・
この一手間が美味しい紅茶の味を格段に美味しくするのだろう。
「今日は何分、蒸らしましょうか」
「うーん、・・・長めに5分にして」
「かしこまりました」
そして5分、マリアは何も考えずに夏の風に晒されて、流れる雲と花の匂い。紅茶が鼻腔をくすぐる。
「こんな、時間もいいわね」
「今頃ペルシア様が探していますでしょうね、先ほどから『陛下』と叫んでいる声が聞こえます。ニコラウス様の時はここもバレてましたが、ペルシア様にはまだバレていませんね。」
せっかく仕事を放り出し暢気にまったりとした空気を味わっていたマリアだが現実に引き戻される。
「アリちゃん仕事の話は無し」
「飲み終わったら、仕事に戻ってあげては如何ですか?。仕事が終わったらまた、ここに来てください。上手くいけばおやつの時間には戻ってこられるかと」
「でも仕事が増える〜」
「であれば、これ以上増やさないでと最初に釘を刺しておけば今日の分は増えませなん」
まぁ。ペルシアも流石にそこまでの鬼とは思いたくはない。頑張っている姿を見せれなば少しは考えてくれるだろう。
「明日の分が増える〜」
「そうであれば、ギムレット様や将希様、ペルシア様を巻き添えにしてやらせれば如何ですか」
「わかったわ、おやつの時間には必ず帰ってくる!」
「お待ちしております。」
そしてちょうどアリシアの勘が5分を告げる。
「5分経ちましたね」
アリシアは慣れた手つきで蓋を少しずらしてカップに紅茶を注ぐ。
「いい匂いね、いつきても最高の逸品だわ」
「ありがとうございます。マリア」
明日もこんな平和な日々が続いて紅茶とお菓子を頬張れればとマリアは思う。
●
紅茶を飲み終え決心がついたマリアはゆっくりとメイド用宿舎から外に出て王城に向かう。
「はぁ、」
ため息をつき少し足取りが重い。
「陛下!!やっと見つけました!」
しかし時間は待ってくれない。ずっとマリアのことを捜索していたペルシアに突然出くわす。
「ペルちゃん・・・」
陛下と呼んだペルシアの目には涙が浮かぶ。
ペルシアは急いで走ってくるとマリアに抱きつく。
「ごめん」
ボソッとマリアは本心を漏らす。
「私こそ申し訳ございません。陛下の御心もわからず仕事ばかり押し付け。負担を与えてしまって」
「ペルちゃん・・・」
「・・・ペルちゃん、仕事に戻るわ」
マリアは再度決心しペルシアに明かす。
「いえ、今日は全て休みにしました。少し外出でもしましょう。王城に閉じこもっているだけでは身体に悪いです。私はサンディ様とは違いますが、気持ちはサンディ様と同じです。
サンディ様がいない間の世話係を任されました。陛下の心を守るのも私の勤めです。」
マリアはペルシアの背中に手を回して呟く。
「ありがとう」
「行きましょう。」
記念でもなかったと思う。
まぁ暢気な2人ですね




