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童話・児童書などまとめ

一つの謎だけがある本の「?」

作者: リィズ・ブランディシュカ



 謎が謎を呼ぶのは。


 謎が孤独を嫌がるからだ。


 その謎は、特に一人が嫌だった。


 だから「?」の姿になった「謎」は、本の外に出て冒険をすることにした。






 世界には、様々な事がある。


 謎や、謎でない物。すぐわからないものや、すぐわかるもの。


 それ以外もたくさん。


 本の外に出た「?」は新鮮な気持ちを抱いていた。


 白でも黒でもない灰色の世界。


 物事をはっきりと決めなくても良い世界がそこにあった。


 今まで謎が住んでいたミステリーの世界は、何でもはっきりしていた。


 絶対に正解があった。


 正解がある事が本の目的だったから、なければ成り立たなかったのだ。


 けれど、外の世界には「正解はなくてもいい」のだと知った。






 誰かにとっては、真実は二つある。


 誰かにとっては、嘘の方が大事。


 誰かにとっては、あいまいな方が都合がいい。


 それは必ず最後までに全てがひもとかれる、本の世界とは違うものすぎた。


 だから「?」は少し疲れてしまった。


 大冒険を終えた「?」は、自分の世界へと帰っていく。


 謎が謎を呼ぶ世界でありながら、謎は謎にしかなれない、一人だけの世界に。



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