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傭兵ギルドと愛犬ビーズ

俺とマルチェロは傭兵ギルドで次の仕事の打診を待っていた。


俺達は2人一緒に同じ現場に派遣される時もあれば、別々の現場に派遣される時もある。


傭兵ギルドに加入した時の顔見知りはもう少しいたが、既に契約を解除したか、別の国の傭兵ギルドで活動しているか、仕事中に死んだかしたので俺たち2人は自然とタッグを組んだ。


マルチェロは壁に背を預けてナイフをくるくると弄びながら暇を持て余している。


俺はベンチに座り、ここ一番の大あくびをかましながら膝に頭を乗せた愛犬・ビーズを撫でていた。


「バウ!バウ!」

「どうどう、ビーズ。遊びたいか?腹が減ったのか??」


俺はビーズを撫でて言った。


「ゼッド、ビーズはこう、なんだ、あれだ、そろそろ芸とか出来ないのか?」


マルチェロはナイフ2本を器用にジャグリングしながら言った。


「何度か餌で釣ってやらせてみようとしたが、そっぽを向かれてばかりだ。分かった上で、やらないみたいなんだ。」


「ふん。なかなか強情なやつだ。こいつめ!」


マルチェロはわしわしと撫でる。

ビーズは嬉しそうだ。


「悪党を嗅ぎつけて、喉笛を噛み切る勇敢さがあれば十分さ。」




「マルチェロとゼッドはいるか??」


傭兵ギルドの副官、アスゲルト中隊長が俺達を探しているようだった。


ビーズがテクテクとアスゲルト中隊長に近付き目を輝かせて尻尾を振っている。


「よし!ビーズ特攻隊長は元気でよろしい!報酬はこの骨だ!」


「バウ!」


ビーズは傭兵ギルドにいる誰よりも果報者だった。


犯罪の証拠品や、敵やお宝の所在、食料品の隠し場所、強襲、重要人物の殺害。


どの仕事も人間より完璧にこなした。


アスゲルト中隊長が敵に捕縛、監禁され拷問されていた時に発見したのもビーズだ。


俺たちよりビーズの方が、この傭兵ギルドでは立場が上なのだ。


アスゲルト中隊長曰く、彼自身含め、俺たちは犬以下の存在であり、報酬が欲しければ謙虚に仕事に当たるべきだと常に説教が始まる。


俺が死んだらビーズは彼が引き取ると言うくらいにはビーズを溺愛しているのだ。


「犬以下のお前たち2人には資金としてこれを渡そうじゃないか。次の仕事は検問所だ。ゼッドが始末したゴロツキのせいで通行規制が始まる。衛兵隊の仕事の追加人員だ。せいぜい励むと良い。」


俺とマルチェロはそれぞれ金貨が2枚入った皮袋を渡された。


「金貨2枚か。何か押収して酒代を稼がないとな。」


「違いない。」


「ビーズの可愛さに、通行人がおひねりをくれるかもしれん。なぁ?ビーズ。やっぱり芸を覚えないか?」


「ガルルルルルル・・・・」


ビーズは牙を剥いて唸り出した。


「だよなぁ、、、」


俺とマルチェロはがっくりと肩を落とすのだった。

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