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怒りの首投げとゴブリンキング

ついにビーズがホブゴブリンの本拠地らしき洞窟を発見した。


追い詰められたゴブリン達も強敵を前にして殺気立っている。


「数が増えてきたな!整列し!喊声(バトルクライ)を上げろっ!!」


ゴブリン達と距離を取った傭兵達が横隊で整列し直し、剣と盾を打ち鳴らし、地揺れを起こさんばかりに足踏みを始めた。


「「「おう!おう!フーアー!!おう!おう!フーアー!!!」」」


洞窟の奥から数人の盗賊が姿を現した。


「おいおい、いったいなんで騎士さまがいらっしゃいやがりますなんだぁ??ゲヘヘ・・・」


「ぷひーーっひひひひ!!こいつら、正義の味方気取って死にに来やがったのかよ!!笑っちゃうよ!!」


驚愕する黒騎士達。


「な!?賊とゴブリンが手を組んだだと!?お前ら正気か!?」


ゴブリンに捕まった人間などエサでしかない。


「かぁんちがいしちゃいけねぇよぉ??俺らはキング様に仕えてんのさ!!王だよ王!!この国境の王となるお方さ!!」


「ゴブリンキング・・・」


傭兵の誰かが呟いた魔物の強さは、1体で騎士数十人を蹴散らすと呼ばれている。


「動くんじゃあねぇよ!!コイツがどうなっても良いのかぁ?えぇ??」


「いやっ!!離して!!」


裸に剥かれた女の髪を掴み、首筋に刃を当てる盗賊。


騎士達にも動揺が走った。


「グヘヘ!!そうだ!良い子でちゅね〜??へへへ、そのまま嬲り殺しにしてやる!!俺はそれを見ながらこの女をおかブ!!??・・・・・」


盗賊の頭が弾け飛んだ。


殺ったのは俺だ。


盗賊とゴブリン達は何が起こったか分からなくてパニクっている。


「聞いてられんな。次に何か喋った奴から順番に殺してやる。」


盗賊が切れた。


「てんめーー!!!殺りやがっ!ごばっ!?」


「殺すと言っただろう?」


胴体に風穴が空いた盗賊は斃れた。


「今だ!!生存者を救出しろ!!」


ウルヴリヒト子爵が鋭く叫ぶと傭兵と騎士達は突撃した。


女性を素早く回収したタイケンが彼女を岩陰で休ませると後方からアスゲルト中隊長やマルチェロ達が合流した。


「遅くなった!!こっちに生存者は居ない!!」


「分かった!この女性を頼む!!」


アスゲルト中隊長は持ち物から布を取り出して女性に被せポーションを飲ませた。


「すまない。今はこれしか出来ない。」


「あり、、、がとう、、、」


女性は気を失った。


「クゥ〜ン」


ビーズは生存者の体温が下がらないように寄り添う事を決めた様だ。



俺は怒りを込め、右腕に『身体強化』を限界までかけて、大量のゴブリンの首を投げ付けていた。


折れたって構うものか。


添え木で縛ってポーション飲んで寝とけば治る。


こんな下等生物の相手を真面目にする必要は無い。


ゴブリンに与した盗賊達も人とは思えなかった。


奴らの股間にも必殺のゴブリンヘッド砲弾をお見舞いしてやる。


マルチェロは慄いていた。


「ゼ、ゼッドの奴ブチ切れてやがんな。」


「マルチェロ、領主館事件の時以来だな。あいつが首を投げて貴族の館をめちゃくちゃにしたのを思い出したよ。」


(ゼーレ坊も我慢の限界じゃったか。。。まぁ赤子の霊を見た瞬間からおかしくなっとったがな。。。流石に使役契約の話は幼子には出来んかったのじゃよ。。。)




「ブルルルル!!!ナニゴトダ!!??」


次々とホブゴブリンが討伐される中、ついに巨体のゴブリンキングが現れた。


「お、王よ!!アイツでさぁ!!アイツが俺達の獲物を横取りしたんでさぁ!!!」


ギロリと俺を睨んだゴブリンキング。


「へへへ・・・おめーはもう終わりだぁっ!?!?あ!!!」


キングが盗賊を掴むと俺にぶん投げて来た。


「避けろ!!!」


「「「ぐわああぁあっっ!!??」」」


盾を構えた騎士達は吹き飛ばされ、盗賊は身体が変な方向に色々と曲がっていた。


「ソコノチョットデカイニンゲン。ナゲルノツヨイナ!ダカラマネシテヤッタ!!」


「ぐ!こちらを観察する余裕があるのか!!!」


(ゼーレ坊、頭は少し冷えたかのぅ?)


(いや、全然。)


爺はやれやれといった感じで眉間を指で抑えた。


(見えとるか?)


(指輪の事だろ??アレを壊せば良いんだな?)


ゴブリンキングの親指には赤い宝石をあしらった魔法の指環が嵌められていた。


「ようやく見つけたぞ。災厄の原因を。」


青筋を浮かばせたウルヴリヒト子爵がバスタードソードをゴブリンキングに突き付けた。


「おい、そこの。」

「へ?な、なんだ?」

「本気でやる。両手剣を貸せ。」


俺は盾と片手剣、兜を騎士に預け、代わりに両手剣を手に取った。


俺もゴブリンキングに剣を突き付ける。


「悪いが俺もこのゴミクズを殺したくて仕方がない。」


ウルヴリヒトはニヤリと笑った。


「良いだろう。共和国と王国、どちらが先にコイツを殺れるかな?」


「チョウシニノルナヨ!!ニンゲン!!!」


奴は俺達を屠るべき敵と認識し、魔力の槍を召喚したのだった。

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