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血塗れの手紙と勇者一行

電光石火アロー・アンド・スレイ!!!」


「シッ!」


短い号令に合わせ、弓兵が矢を放った瞬間と同時に俺達はホブ・ゴブリンに向かって走り出す。


「グギョッ!」「グエッ!」「アギャッ!!」


厳しい修練を重ねた傭兵の一撃は野良のホブゴブリンなどものともしない。


俺達が片付けた死体から、後から駆け付けた弓兵が素早く矢を回収して再び前進する。


先導はビーズだ。


「バウッ!!」


俺がいる部隊の指揮官である、エクラベイン共和国のアルヴリヒト子爵はビーズの追跡能力をいたく気に入っていた。


既に奴らの集団を同じ要領で3つ潰している。


「優秀な犬だな。元の品種は狩猟犬だろうが、狩人の訓練でも受けているのか??」


「違いますよ。俺がこのビーズの飼い主です。傭兵稼業を3年前に手伝い始めてから頭角を現したんです。今や階級は俺より上ですよ。我が国の傭兵ギルドで唯一の突撃隊長ですからね。」


「バウバウ!!」


アルヴリヒト子爵が破顔した。


「はっはっは!それは良い!わたしよりも隊での階級が上だったか!!!ではこの調子で行くとしよう。ゼッドとやら、ビーズ突撃隊長の身辺はわたし達に任せるのだ!」


「子爵!!後ろに!!」


死んだフリをしたホブゴブリンがムクリと起き上がった。


焼け死ね(フランベ)


アルヴリヒト子爵が見もせずに振り切ったバスタードソードがホブゴブリンの肩口を切り飛ばすと、断面から炎が上がりゆっくりと身体を炙り始めた。


「アギャギャギャギャギャ!!!」


「もっと苦しめて殺せないのが残念だ。騎士の情けなどかける価値もないゴミクズめが!!」


炭化した死体を蹴り砕くと怒りの形相で歩き始めた。


(爺、子爵の後ろにいるお嬢さんは?)


(うむ。ちと話したが、姪御さんじゃの。彼の守護霊じゃ。つい最近この辺りで旅行中に殺されたそうじゃ。。。遺体は、、、)


(なるほどね。。)


闘う理由がまた増えた。


コイツらは絶対にぶっ殺す。


たとえ金が貰えなくても殺す。


子爵は熱い男で、信頼出来る指揮官だ。


雀蜂大群(ホーネット・ネスト)!!!」


要は取り囲み、盾で押し潰して、滅多刺し、という意味だ。


(ほっほっほ!!穢らわしいゴブリンの魂がザックザクじゃのう!!!)


(爺、魂魄集めで喜んでないで何か手掛かりを探してくれ!!)


(ぬっ?そうじゃのう。手掛かりならそこのゴブリンが持っとる短剣じゃな。アパムとかいうコソ泥の小僧の持ち物もあるんじゃないかのう?)


隊が前進してしまう前に回収しなければならない。


俺はシンプルな短剣と、ゴブリンの持っていたポシェットから血塗れの手紙を見つけた。


(あった!!!)


(ゼーレ坊、、、開けてはならんぞ)


(いや、開けないし。内容は大体アパムから聞いたから。)


『銀狐』ヴィレミナの救出の成功率を高めるにはこの手紙が必須なのだ。


「ゼッド!食べ物でもあるのかい?」


「タイケン、これは食い物じゃなくて遺留品だ。」


タイケンよ、戦闘中にご飯の事考えられるとは図太くなったな、、、


〜〜〜〜〜〜


その頃、アスゲルト中隊長の指揮下にあったマルチェロもゴブリンの集落にたどり着いていた。


「おりゃっ!!」


「グブゲェ!?」「アブゲェア!!??」


ゴブリン達の首が咲き終わりの椿の様にポロポロ落ちる。


マルチェロのお手本の様な盾と剣の素早いスウェイとパリィによるカウンター攻撃でゴブリンは反撃する前に死ぬ。


「マルチェロ!その調子で押し出して食い破れ!」


脇から騎士達が槍で猛攻撃を仕掛け、マルチェロ達黒騎士の傭兵は真っ直ぐにゴブリンの集落の中心地に突撃した。


「ヌギギギギ!!ニンゲン!!ワガマホウニテシネ!!」


「ゴブリン・シャーマン!!??盾で防げッ!!」


火炎がマルチェロ達傭兵隊を襲う。


「ゲゲゲゲ・・・コノママヤキ、、コロシ、、、テ、、、エ?」


音もなく飛んできた数本のナイフがゴブリンシャーマンの胸を貫いていた。


マルチェロお得意の投げナイフだ。


「小鬼風情が調子に乗ってんじゃねーよ。鎧の塗装が剥げるだろーがボケ!!」


「アギャッ!?」


マルチェロが首を落とすとゴブリンの集落は静かになった。


「げほっげほっ!!馬鹿みたいに火なんか使いやがって!!くっせーな!」


「マルチェロ!もう行くぞ!生存者はいない。」


「あぁ。そうだ。生存者はいない。赤子はバラされてたし、母親はその釜ん中で煮込まれてるな。言われなくても行くよ。」


〜〜〜〜〜〜


一方、エクラベイン共和国から来たある冒険者達がゴブリン達の死体を見下ろしていた。


「エイマール様。このゴブリンどもを鑑定したところ、どの個体も隠密スキルを保持しておりました。レベルは低いですが、一般人を殺すには十分かと。」


「違和感しかないね。僕も悪い予感が止まらない。『彼』が居る可能性は高いよ?」


「そうでしょうか?死霊魔術士(ネクロマンサー)はこれらスキル付与に関して専門的とは言えません。」


「ただ当てもなく探すよりは良いでしょ。」


彼(?)の名はエイマール・フォン・アガスターシェ。


教会が認めた勇者で、聖魔法剣の使い手だ。


付き人は魔法使いのアルーノ・クワンツ・フェ・フェトゥ。


女傑『エルフェン・ヴァルキリー』、クワンツ・フェの子孫の1人だ。


彼女の子孫は共和国、王国の両国にいて、貴族や商家に多く存在する。


クワンツを名乗れば商取引は大体上手くいく、と言われるくらい有名な氏である。



「フェフェ、さっきから何か精霊が騒がしいね。急ぐよ!!」


「わ、、わたしの名前はフェトゥですぅ!!」


フェトゥはプリプリと怒りながらエイマールを追いかけた。

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