第四話 一閃!破邪閃牙突!
デニム怪人強し!
デニム生地は強いのです!
【変化札】の邪悪側のランクの名称が変わります。
変更前 → 変更後
【魔化】→【魔器】
【魔物】→【魔獣】
この様に変更します。
勢いで書き始めたので、まだまだ設定の詰めが足りませんでした。
ご愛読頂いている方々には、ご迷惑をお掛けします。
m(_ _)m
「流石 デニム生地ね。半端ない強度だわね」
薙刀で何度か斬りつけて、ダメージをあまり与えられずに、デニム生地の強さを褒めてしまう神宝。
「そうですね。って、大好きなデニム生地が褒められて、嬉しいけれど、倒せないんじゃ困りますよね」
困惑する白神。
「そうね。でも、解決策はあるのよ」
くすりと笑い呟く神宝。
「おっと……どうするんですか?」
デニム生地の怪人の攻撃を避けながら、神宝に問う白神。
「渡した三枚の【変化札】には特性が有ってね」
「今 使っている【雉王】様の【変化札】は、攻撃力は三枚の中で一番低くて、防御力も一番低いのよ。でも、移動する速さは一番 高くなり、回避の能力は中間で、遠距離攻撃に特化していて、離れた位置から多数の敵を同時に相手するのに向いているの」
「まだ使っていない【猿王】様の【変化札】は、三枚の中で、回避の能力が一番 高く、攻撃力や防御力は中間で、移動する速さは一番 低いけど、接近戦に特化したもので……」
「そして、最初に使った【犬王】様の【変化札】は、三枚の中で、回避の能力は一番 低くて、移動する速さも中間だけど、攻撃力や防御力は一番 高いのよ」
と、白神の持っている【変化札】の特性を説明する神宝。
「なるほどね……」
デニム怪人の相手をしながら、神宝の話に納得する白神。
「じゃあ、今 必要な能力は何かな?」
にやりと笑う神宝。
「貫通する攻撃力ですね」
にやりと笑い返す白神。
シャッ!
シュッ!
と、バックルの【変化札】を【雉王】から【犬王】に挿れ替える白神。
《マスカレイド ウラ ケンオウ》
黒を基調とした白の半面に白の防具の犬王モードに化身する温羅。
右手には破邪牙斬刀が握られている。
「更に、手数を増やせる様に、右側の補助の【変化札】を挿れる所に、【雉王】様の【変化札】を挿れるのよ」
と、白神にアドバイスする神宝。
「わかった!」
行動に移す白神。
《レイド チオウ》
『ケッケーーーーーッ!』
雉の鳴き声と共に、【変化札】から巨大な雉の幻が現れ、温羅の右肩に集まり、雉王モードの面の形を成すと、肩当ての防具に変化した。
左手を顔の上半分の面にやり、デニム怪人に右手の人差し指で指差して……
「面の裏の怒りを受けてみろ!」
と、叫ぶ温羅。
「行くぞ!」
デニム怪人に走り寄る温羅。
【犬王】の【変化札】だけの時とは、スピードが全く違う。
その勢いに乗せて、破邪牙斬刀にて突きを行う。
「破邪閃牙突!」
デニム怪人を貫く破邪牙斬刀。
「ウォーーーーーーーーーッ!!!!!」
断末魔をあげて、デニム怪人の全身から黒い霧が湧き上がり、霧散して行く。
後には一人の男が現れ、その場に倒れる。
「終わったわね」
【魔器】のランクの【変化札】の【織物 デニム】を拾いながら呟く神宝。
「あっ!貫いたけど大丈夫ですか!?」
男に走り寄る化身を解いた白神。
「大丈夫よ。貫いたのは破邪の聖なる力で、魔族の瘴気は祓われるけど、人間には無害だから」
と、説明する神宝。
「良かった……」
ほっと安心する白神。
「うっ………」
デニム怪人だった男が意識を取り戻す。
「何が有ったか覚えているのよね?取り敢えず一緒に来て欲しいの」
と、男に告げる神宝。
「わかった……」
同意するデニム怪人だった男。
三人で吉備津彦命の隠れ神社に向かう。
徐々にモードを変えての戦いを覚えて行く白神君。
なかなかスパルタな神宝さん。
そして……助けられた男の正体は?