第二十三話 白い糸と新たな化身!
作者も少し体調が回復しました。
蜘蛛怪人の糸が全身に絡み、徐々に動きを封じられる京児。
「クソ!でぇれぇやり辛れぇ……」
まだ完全に拘束はされていないが、このままでは時間の問題だ。
「これを使うしかないか……」
そう言うと、一枚の【変化札】を取り出す京児。
「お疲れ様」
そう言って吉備津彦命の隠れ神社の境内に、優美子と共に入る神宝。
「あっ!?凄い! 入った瞬間に身体が少し楽になった!」
と、宣明と同じ反応をする優美子。
「そりゃここは神域ですから」
そうドヤ顔で応える神宝。
「確かに、魔族との戦闘のダメージは、病院よりココの方が、早く癒えますね……」
思わず呟く優美子。
「それは間違い無いね」
と、答える神宝。
「おっ?お帰り」
二人に気付いて声を掛ける宣明。
「ただいま」
と、神宝が返す。
「おかえりって……ずっとここに居たみたいに……」
そう言葉にしながら、冷たい視線を宣明に向ける優美子。
「あ、いや、先に居たからさ……」
これまでの事があるので、少し動揺する宣明。
「まあまあ……仲良くね。ね?身体が楽になったでしょう?」
仲裁して宣明に聞く神宝。
「ああ、間違い無いね。教えてくれて助かったよ。あれ?あいつは?」
白神が居ない事に気が付いて聞く宣明。
「「・・・」」
神宝と優美子は、互いに顔を見合わせて、神宝が口を開く。
「白神さんは、四人の中で一番 ダメージが大きくて、一日は入院した方が良いって事で、病院に残っています」
ため息を吐きながら、残念そうに言う神宝。
「ここの方が回復が早いと思うんだけどね……」
更にため息を吐きながら言う神宝。
「そうなんだ?そうか……」
少しホッとしてしまう宣明。
「もうケンカとか止めてよ!?」
優美子が苛立ちを込めて宣明に告げる。
「いや……ケンカとかじゃねぇーし……」
そう返す宣明。
「あ、あのさ……やっぱりあいつみたいに複数の【変化札】を使った方が、強くなれるよな?」
話題を変える様に神宝に問う宣明。
「そうですね。でも、【化身帯】は、そもそも霊獣の位の【変化札】までしか使えないので、大幅な戦闘力の増強は望めませんけど、今 化身に使っている【碧亀】の【変化札】は、防御に特化した物ですから、攻撃力の高い霊獣の【変化札】との併用は、有効かも、知れません」
そう説明する神宝。
「でも…… 家族の為にしか化身をされない人には、防御特化の【変化札】だけで十分だと思います」
間を置いて、そう付け加える神宝。
「それに…… 今 浄化済みの【変化札】は、世界を救おうと、一生懸命になってくれている白神さんの手元に、全て預けてありますしね……」
間を置いて、更にそう付け加える神宝。
「うっ…… それは……」
何も言い返せず、顔をしかめるだけの宣明。
「それなら、私も複数枚 【変化札】を使い分けた方が良いのかな?」
そう神宝に問い掛ける優美子。
「そうね。それに、日幡さんになら、白神さんは他の【変化札】を預けてくれると思うわ」
そう優美子に応える神宝。
「世界の為に戦う意志が有るのなら……だけど、ここ以外で他の【変化札】を手に入れる方法を、一つ教えてあげる」
宣明に告げる神宝。
「色んな神社を巡ると、力を貸してくれる神様が、【変化札】を授けてくれる……かも……知れないわね……」
そう宣明に教える神宝。
「神社を……」
そう呟く宣明。
「これでどうだ!?」
【化身帯】の【紺狼】を、新しく手に入れた【変化札】に入れ替える京児。
《マスカレイド ケイジ ヒコウ》
言霊と同時に、京児は【紺狼】モードから、【翡蝗】モードに変わる。
顔に二重に着けている半面は、バッタの顔の意匠の形状に変わる。
複眼と触覚を持つ翡色の半面だ。
京児の面の下半分のガスマスクの様な形状に、凄く合っている。
防具も全体的に翡色だ。形状的に昆虫を連想させる形で、肩当てや両の拳や足の爪先や踵も含め、両手両足全体の防具には、バッタの様にノコギリ状の突起、【破邪翡蝗鋸】が付いている。
右手の手甲に、カードスラッシュの機構も付いている。
【マスカレイド 京児 翡蝗モード】だ。
「おおおおおぉぉぉぉっっっっ!」
ブチッ!ブチブチッ!
ブチッブチッブチッ!
京児が全身に力を込めると、両手両足のノコギリ状の突起 【破邪翡蝗鋸】が、絡み付いていた糸を切り裂く。
「さあ、第二ラウンドだな!」
右手の拳を蜘蛛怪人に突き出しながら叫ぶ京児。
ガシャガシャガシャガシャガシャン!
一体の怪人が多数の鬼達と街を徘徊している。
丁度 ホームセンターのタイム大安寺店やニトリ岡山大安寺店の付近だ。
青い色の陶磁器の怪人だ。
「うわっ!にっ!逃げろ!」
「きゃーーーーっ!」
「鬼だ!魔族が現れたぞ!」
大規模な店舗の多い一帯は、パニックになっている。
一方 その頃の白神は……
「はい。ちゃんと体温を計ってね」
可愛い女性看護師さんに体温計を渡されていた。
「(早く退院して戦いに復帰しなきゃ!だけど……可愛いなぁ……)」
心の声が表情に駄々漏れのデレデレした白神だった。
怪人が二体 同時には初です。




