第二話 必殺!破邪乱舞魔滅斬!
戦闘のシーンです。
【変化札】の邪悪側のランクの名称が変わります。
変更前 → 変更後
【魔化】→【魔器】
【魔物】→【魔獣】
この様に変更します。
勢いで書き始めたので、まだまだ設定の詰めが足りませんでした。
ご愛読頂いている方々には、ご迷惑をお掛けします。
m(_ _)m
「目覚めよ!破邪牙斬刀!」
【聖獣 犬王】のカードで化身した彼は、右手に持った刀に力を込めた。
刀身の輝きを増す破邪牙斬刀は、まるで命を持っているかの様に感じる。
事実 その日本刀は、命を持っている。
【聖獣 犬王】の魔を滅ぼす破邪の力が具現化した物が、破邪牙斬刀だからだ。
襲い掛かる真っ黒な姿の鬼を数人 斬り伏せると、巫女を捕まえていた鬼を斬り倒す。
「大丈夫ですか?オレの名前は……」
「はい。大丈夫です!白神 英雄さんですよね?吉備津彦命様から教えて頂いてます」
「えっ?吉備津彦命様?」
「そうです。吉備津彦命様です。私は吉備津彦命様の神託を受ける巫女の神宝 咲希です」
「吉備津彦命様より、あなたを助ける様にと神託を受け、聖獣の変化札を持って来ました」
「そうなんですか?ありがとうございます」
「いえ、お礼は要りません。何故ならあなたに世界を救って貰う為にやった事ですから」
「えっ?オレがですか?」
「そうです」
「おっと……」
世界を救えと言われて、動揺している所に、鬼が斬り掛かって来た。
鬼に変えられた女の子だ。
「ガァーーーーッ!」
威嚇をしながら、何度も斬りつける。
「話しの邪魔だ!」
攻撃を避けながら、破邪牙斬刀で斬りつける。
「あなたは鬼神 温羅の一族の末裔の一人です」
「えっ!?そうなんですか?」
「はい。そうです。だから、聖獣犬王様の霊力に体が耐えられるのです」
「犬王……」
魔神帯のバックルの部分に挿さった変化札を見る。
そして、鬼達の群れを睨み、破邪牙斬刀を構え斬り込んで行く。
「破邪!!!」
確実に一斬りで一体を倒して、鬼の群れを討伐する。
「後はお前達だけだ!」
そう言うと、破邪牙斬刀を構え、真っ黒な姿の鬼のリーダーと思われる一体と……
変化帯で鬼に変えられた女の子を睨む。
「死ねぇーーーっ!」
と、襲い掛かる真っ黒な姿の鬼。
その攻撃をひらりと舞う様に躱すと
「破邪魔滅斬!」
と、頭から真っ二つに斬り滅す。
「残りはお前だけだ!」
「ガァーーーーッ!」
破邪牙斬刀と腕が変化した刀状の部分で斬り交える二人。
しかし、人としての意識の無い、魔器の変化札から溢れる破壊衝動だけで動いているに過ぎない、鬼の動きは単調で……
「これで終わりだ!破邪乱舞魔滅斬!」
舞でも舞うかの様に軽やかに、瞬間的に何度も斬りつける。
「ガァーーーーッ!」
叫び声をあげ倒れ、体を纏っていた鬼の衣装が黒い霧に変わり、霧散して行く。
後には、白神 英雄に詫びて走り去った女の子が、元の姿に戻って倒れている。
「えっ!?日幡さん!?」
「日幡さん!大丈夫ですか!?」
白神 英雄も化身を解いて女の子を抱き起こす。
「ん…… うっ…… こっ……ここは?」
意識を取り戻す日幡と呼ばれた女の子。
「大丈夫ですか?鬼達に怪人に変えられてたんです!」
「は……はい。薄っすらと記憶に残っています」
自分で体を起こす日幡。
「怪人に変えられていても、意識は有ったんです。まるで覗き窓から外を見ている感じで、意識が有って見えていても、自分の体は動かせなかったんです」
怪人に変えられていた時の状況を説明する日幡。
「そうだったんですね。助けられて良かったです」
「ありがとうございます」
そこに神宝が話に割って入る。
「もう大丈夫だろうと思うけど、この破邪の札を持っていて。もし魔が体に残っていても祓ってくれるから」
と、日幡に破邪の札を渡す。
「あっありがとうございます」
と、日幡は受け取る。
「それと、白神さんにはコレね」
と、神宝が2枚のカードを差し出す。
「それは何ですか?」
と、問う白神。
「これも聖獣の変化札よ」
「最初に渡したのは、犬王様の変化札で、この2枚は猿王様と雉王様の変化札よ」
「はい」
と、白神に渡す神宝。
「わかりました」
と、受け取る白神。
「使い方も吉備津彦命様から教わってるから、後で教えるわね」
「はい。宜しくお願いします」
「さて、この日幡さんが怪人に変えられていた変化札を回収して…と……」
「じゃあ、取り敢えず移動しようか?立ち話もなんだから……」
と、神宝は日幡を怪人に変えた変化札を拾うと、二人と移動を始めた。
「(ふぅーー…… 何だか知らない間に、世界を救う事になったぞ……)」
と、白神は心の中で呟く。
しばらく歩くと小さな小さな神社に着く。
「ここよ」
と、神宝。
「オレの家は近くだけど、こんな所に神社が在るなんて知らなかった……」
と、不思議そうに白神が呟くと
「当たり前でしょう。認識を阻害する結界を常に張ってあるからね」
と、誇らしげ(偉そう)に胸を張る神宝。
「「へーーっ!?そうなんだ?」」
二人同時に驚きの声をあげる。
「さっ こっちよ」
と、境内の中の小さな小屋に案内する神宝
「じゃあ、説明をするから、そこに座ってね」
かわいい巫女さんと好きな日幡さんの両手に花の白神君でした。