第十九話 四人全滅!温羅 最後の手段!
力技で四人を叩き伏せるサルヴァさん。
異様な空気に包まれた空間だった。
妖艶で美しいサルヴァが、その美貌に合わぬ威圧感を撒き散らしている。
「えいっ!」
重苦しい空気の中、護姫が優雅に、それでいて鋭くサルヴァに突っ込んで行き、【破邪白鶴剣】で突く。
「遊んで欲しいのか?」
と、馬鹿にする様に薄く笑い、護姫の突きを軽くいなすサルヴァ。
「そりゃっ!」
そこに京児が横薙に【破邪紺狼剣】を振るう。
「本当に懲りん奴じゃな」
と右手で剣を軽く払う。
そして
「そんな男は嫌いでは無いぞ」
と、隙きの出来た京児の首を左手を回して拘束する。
「はっ!離せ!」
と、京児が全力で逃れようともがくが、全く力を入れている様子の無いサルヴァから、逃れ出る事が出来ない。
「おりゃっ!」
と、武がサルヴァの顔面に向けて、右手の【破邪碧亀盾】を叩き付けようとする。
「無粋な奴じゃな」
と、武の攻撃を左手で受け止める。
それにより、京児はサルヴァから逃れ、体制を立て直す。
そこに……
ドゴッ!
サルヴァの右手の拳で殴り飛ばされた武が、激しく京児にぶつかり、その衝撃で二人が一緒に勢いよく転がって行く。
「ぐぅ……」
壁にぶつかり止まった武が呻き声を漏らす。
「負けるかっ!」
ダメージが少し回復した温羅が、上段から【破邪牙斬刀】を打ち下ろす。
バシッ!
「何度やろうが同じじゃ」
右手で打ち下ろされた【破邪牙斬刀】を難無く掴み、そう告げるサルヴァ。
そして……
ドガッ!
右手で引き寄せた温羅に左手で顔面に裏拳を叩き込む。
ドガシャ!ガシャッ!ゴロゴロ……
先程 フッ飛ばされて来た京児と武の近くまで、温羅は飛ばされた。
「あ…あ……」
四人で襲い掛かって、全員が一瞬で無力化され、立っているのが自分だけになり、混乱して動けなくなっている護姫。
「まだやるか?」
そうサルヴァが護姫に告げる。
「あ……」
サルヴァの威圧でへたり込む護姫。
「さて、ここまでかのう……」
四人を見て言うサルヴァ。
「ま……ま…まだ……だ……」
フラフラと立ち上がる温羅。
「俺が……日幡……さん……を……ま…守る……」
ヨロヨロとしながらも、護姫の前に出て盾となろうとする温羅。
「ば…馬鹿……い……言って……ん……じゃ……ねぇーよ……優美子を……守る……の……は……兄貴……の……俺……の……仕事……だっ!!」
ボロボロに傷付きながらも、歩いて温羅や護姫の前に立ち、サルヴァと対峙する武。
「な……なに……を……いっ……言って……いる……しみ……市民……を……守る……の……は……けっ……警察……官……の……しっ……仕事……だっ!!」
フラフラと立ち上がり、ヨロヨロと温羅達三人のマスカレイドの前に立ち、サルヴァと対峙する京児。
「ふん……愚かな者達よ」
鼻で笑いながら告げるサルヴァ。
ドゴッ!
ガゴッ!
ズドッ!
ゴンッ!
一瞬でサルヴァの姿が消えたかと思うと、鈍い音を残して、四人の背後に立っているサルヴァ。
「ごふっ!」
血反吐を吐いて倒れ込む京児。
「ぐふっ!」
腹を押さえながら、倒れた京児の上に倒れ込む武。
「うっ……」
続いて温羅も膝をついてヨロヨロと仰向けに護姫に寄り掛かる様に倒れる。
「あ……あ……」
護姫も力無く倒れた温羅に重なる様に倒れる。
「終わりじゃな」
倒れた四人を見下す様に言葉を吐き捨てるサルヴァ。
「離して!離してよ!」
そこに鬼が捕まえた女性を連れて来る。
「何じゃ?適性者か?どれ?」
そう言うと、【変化帯】を女性の腰に巻くサルヴァ。
「なっ!?何をするの!?」
女性は抵抗をしようとするが、鬼に羽交い締めにされてて、抗えない。
「おぬしにはコレを挿してやろう」
サルヴァは一枚の【変化札】を取り出した。
「や……やめて……」
怯える女性。
「や……やめ……ろ……」
と、京児が言葉を絞り出す。
「ほれ、魔族になれ」
【変化札】をバックルのスロットに挿し込む。
「やっ!やめろっ!」
温羅が何とか叫ぶ。
「うぁーーーーーーーーっ!」
黒い霧を纏い、その身を怪人に変える女性。
変化が終わると、そこにはコルクを全身に貼り付けた様な怪人となっていた。
「ここまで制圧してあれば、魔器の怪人のお前でも勝てるであろう。後は任せたぞ」
そうコルク怪人に告げると、サルヴァは鬼達を従え移動して行く。
「ま……待て……に……逃さ……ん………」
フラフラと立ち上がって言う温羅。
「ふん……逃さんじゃと?おぬしらの状態を考えて言葉にせよ」
鼻で笑って言うサルヴァ。
「ま……まだ……まだだ……まだ……やれ……る……事……が……あ……る……」
何とか言葉にする温羅。
「きっと……まだ……強く……なれ……る……」
そう言いながらフラフラと温羅は立ち上がり……
そして、【玄武】の【変化札】を取り出して、バックルの左側のスロットに挿し込む。
圧倒的強者のサルヴァ。
しかし、諦めないマスカレイド達四人。
そして、温羅は三枚目の【変化札】をレイドして最後の強化を試みます。




