第十五話 サルヴァ出陣!!!
成果がなかなか出ず、敵の幹部が参戦します。
吉備津神社の裏の山の中のとある洞窟では……
「まだ戻らんのか!?」
ランバがイライラしながら、鬼達に適性者狩りに向かわせた者達が帰って来てないのか、確認をしていた。
「はい。まだ戻りません……」
答え難そうに、一体の鬼が答える。
「大人数で何組にも分けて【変化帯】を持たせて、適性者狩りに向かわせれば、【変化帯】を奪われよるし……」
「【変化帯】を持たせず、最小限の人数で、一組だけ適性者狩りに向かわせれば、消息不明になりよる……」
「お前等は間抜けか?間抜けなのか?」
と、鬼達の責任を問うランバ。
ランバと部下の鬼達の関係は、完全にブラックな雇用主と従業員の関係だった。
「ランバ様 進言が御座います。発言 宜しいでしょうか?」
それを見ていた角が額に有る以外は、人間と大差無い妖艶な姿の女の魔族が、ランバに声を掛けた。
「何じゃ?申してみよサルヴァ」
と、応えるランバ。
「私が兵を率いて、現地で適性者を魔族に変えたらどうかと……」
そうランバに進言するサルヴァ。
「お前が……か?」
と、ランバ。
「はい。私が【変化帯】を持って管理し、餓鬼共が見付けた適性者を、その場で魔族化(怪人化)させます」
そう応えるサルヴァ。
「お前が持って行く【変化帯】が、奪われたら意味が無かろう?」
怪訝な顔をして応えるランバ。
「下級の餓鬼共なので、人間に奪われてしまうのでしょう。私なら返り討ちにしますので、大丈夫です」
そう言い切るサルヴァ。
「ほう?そこまで言うのなら、そなたを信じよう。部下を連れて行くが良い」
サルヴァに出撃の許可を出すランバ。
「その前に、機動力も高めたいので、魔界から馬の魔獣を、何頭か呼び寄せたいと思います。宜しいでしょうか?」
ランバに戦力増強の許可を求めるサルヴァ。
「ふん。良かろう。じゃがそこまでするのだから失敗はするなよ」
と、それにも許可を出すランバ。
「もちろんです」
そう言い、魔界の門の前に行き、何やら呪文を唱え始めるサルヴァ。
ブヒヒィーーーーーン!
嘶きと共に、魔界の門より姿を現す馬の魔獣。
ヒヒィーーン!
ブフゥ……
次々と魔界の門を通り、馬の魔獣が姿を現す。
最終的には十頭以上の頭数が現れた。
「餓鬼共!この馬に馬車を付けろ!」
そう命じるサルヴァ。
《ピコッ♪ライム♪》
メッセージ交換のアプリ、LIMEの着信音が鳴る。
日幡 宣明のスマートフォンだ。
「は?優美子から?!あいつ!またあの神社に行ってたのかっ!?」
優美子からのメッセージで、吉備津彦命の隠れ神社に、優美子が居る事を知り、激昂する宣明。
「連れ戻してやる!」
と、直ぐに隠れ神社に向かう宣明。
「それでは、隠れ神社に向かうのと、その行き帰りに対魔族のパトロールを実施します!」
署員に敬礼をして、サポートの警察官と共に、パトカーに向かうのは、警察官の左京。
「ふぅ…… 一般人の協力を求めるのは、気が乗らないな……」
そんな事を呟く左京。
そんな言葉をスルーして、サポートの警察官は、パトカーを発進させる。
一方 吉備津彦命の隠れ神社では、バイク怪人だった男を、県が準備した避難所に送り届けた白神が戻って来ていた。
「ただいま戻りました」
神宝と日幡 優美子に挨拶する白神。
「あ、お帰りなさい」
と、優美子。
「お帰りなさい」
と、神宝。
「これ、新しい【変化札】です。何と!バイクのなんですよ!」
と、手に入れた【変化札】を神宝に渡す白神。
「じゃあ、浄化しますね」
と、受け取る神宝。
「はい。お願いします」
と、白神。
「日幡さんは、どうするか決めましたか?」
優美子に声を掛ける白神。
「えっ?何が?」
と、優美子。
「いえ、あの……【化身帯】を使うのかどうか……」
そう答える白神。
「あ…… まだ悩んでるのよね……」
と、優美子。
「そうですか……」
魔族との戦いに関わらせてしまうかも知れない事に不安を感じる白神。
「うん……どの【変化札】を使って化身しようかなって……なかなか決まらないね……」
と、優美子。
「「えっ!?(そっち!?)」」
白神と神宝は、互いに顔を見合わせ、心の中で優美子にツッコミを入れていた。
「「(【化身帯】を使うかを悩んでいるのかと思ったら、化身に使う【変化札】をどれにするのか悩んでたなんてねぇ……)」」
と、全く同じ事を考えている白神と神宝。
その頃 吉備津神社の裏の山の中に在る洞窟の中では……
「よし、全ての馬に馬車を付けたな。それでは行こうかのう……」
と、言うサルヴァ。
「お前も一緒に来い」
と、木の板を全身に着けている様な姿の怪人に命じるサルヴァ。
「全員 馬車に乗れ!」
そう続けて下級の鬼達に命じるサルヴァ
「では、ランバ様!行ってまいります!」
と、ランバに挨拶をするサルヴァ。
「おう、必ず成果を出せよ。そんなに大量の全種の【変化帯】を持って行くのだからな……」
そう告げるランバ。
「はい!解っております!」
そう応じるサルヴァ。
サルヴァは、自分用の馬に跨がると、馬車隊を引き連れて、適性者狩りに向かった。
吉備津彦命の隠れ神社では、一つの変化が起きていた。
「よし!これに決めた!」
と、目を輝かせながら、そう言う優美子。
「これで私も白神君の力になれる!!」
満面の笑みで、【化身帯】と【変化札】を握り締める優美子だった。
妖艶な魅力のサルヴァ登場です。
ちなみに、岡山県は関西圏に隣接し、反対側には国際都市が県庁所在地の広島県が在り、立地に凄く優れているので、工場も多いです。
乗物では、自動車関係や造船が主ですが、小規模なバイク工場も在る様です。




