第十一話 十者十様と魔族
戦いのシーンは無いです。
布石 置きまくりの回です。
手の中の浄化の済んだデニムと備前焼の【変化札】を見て、ふと思い出した白神。
「あ、そうそう!送り届けた帰り、【化身帯】を手に入れたんです!」
「それと、新しい【変化札】も二枚 入手しました。しかも、中位の【鉛兎】の【変化札】もです。もう一枚は、下位の素麺の【変化札】ですけどね」
と、神宝に報告する白神。
「本当ですか!?それは良かった!」
大喜びの神宝。
「でも、この【化身帯】を渡してあげたら、さっきの人は直ぐに化身出来ましたね」
ため息を吐く白神。
「あの状況じゃ仕方無いですよ」
と、白神を庇う神宝。
「一方的でしたよね……」
左京の事を思い出して、また、ため息混じりに呟く白神
左京は走っていた。
もう、心臓が潰れるんじゃないかと思う程、懸命に走った。
「ぜぇ…… ぜぇ…… ぜぇ……」
「ごほっ!ゲホゲホ!」
「ぜぇ…… ぜぇ…… ぜぇ……」
岡電の県庁通りの電停まで来た、もう少しで県警本部に着く、そこまで行けば、厳重に保管された【化身帯】が有る。
左京が走る岡電の線路沿いに、鬼達と怪人が居た。
まだ桃太郎大通りを右に折れた辺りで、左京からは離れているが、県警本部の方向に向かっている。
追い付かれる事は無いだろうが、このまま進めば、県警本部近くには行くだろう。
怪人の全身には、丸い茶色い物が付いている。
全身に丸いパンが貼り付いた様な姿だ。
顔は某パンのキャラクターっぽい。
確実にパンの怪人だろう。
高確率であんぱんの怪人だ。
そんな怪人と鬼達は、ゆっくりと岡電の線路沿いの道を歩いて行く。
「お兄ちゃん!行かせてよ!」
日幡 優美子が怒鳴っている。
同じ頃の日幡家の自宅内だ。
「ダメだ!どう考えても危険だろう!」
と、優美子を止める宣明。
「そう思うなら、安全になる様に、白神君と一緒に戦ってよ!」
苛立つ優美子。
「俺が戦いに出たら、父さん母さんやお前を守れないだろうがっ!」
怒鳴る宣明。
「魔族が居なくなって、平和になれば済む話じゃない……解ってよ……お兄ちゃん……」
泣き出す優美子。
「ダメだ……」
そう告げる宣明。
その頃の吉備津神社の裏山のとある洞窟内では、ランバに鬼達が大急ぎで報告をしていた。
「なんだと!間抜け共!簡単に人間共に奪われてどうする!」
激しい檄を飛ばすランバ。
【変化帯】や【変化札】を奪われている事が報告された様だ。
「人間共は、一部に変な妖術を使う物がいます。我々を倒すまでは出来ない様ですが、何やら射てきまして……」
「我々が激しい痛みで混乱している間に奪っていきます」
警察官の事を言っている様だ。
「そうなのか?」
と、ランバ。
「しかも……【魔神帯】や……【化身帯】にて…化身して……我々と…戦う…者…まで……現れ…まして……」
おどおどと報告する鬼。
「な・ん・だ・とぉ〜〜〜〜!?」
まさに鬼の形相のランバ。
「はい……いかが……しま…しょう?」
もっとおどおどと話す鬼。
「仕方無い。一度 出ている者達を戻せ!」
司令を出すランバ。
「はい。そうで御座います。総理」
場所は岡山県庁の知事室。
「はい。信じられないかもですが、本当に岡山はそんな状態でして……」
「はい。自衛隊の派遣をお願いしたく……はい。そうです」
知事の茨木が電話を掛けている。
部屋には片山警視の姿も……
「はい。宜しくお願いします。総理」
カチャリ……
「ふぅ……」
電話を切り一息つく茨木。
「大変でしたね」
声を掛ける片山警視。
「ああ、信じて貰うのも大変だったが、警察や自衛隊などからも、同様の報告が入っているので、信じるしか無いって感じだったよ」
頭を抱えながら話す茨木。
「後は私の息子が【化身帯】で化身出来る様になれば……」
呟く片山。
その頃 岡山県警本部では……
「早く出してくれ!早く!【化身帯】を出してくれよ!」
本部内で叫ぶ左京。
「いや、今 片山警視に確認を取っているから…待ちなさい……」
と、対応している警察官。
「ふざけんなよ!今 それで化身出来るのは俺だけだろうがよ!」
直ぐに出さない本部の対応に苛立つ左京。
「いやいや、そうは言っても……重要な物だからね……」
困り顔の警察官。
「だぁ〜かぁ〜らぁ〜 やっと中位の霊獣の【変化札】が手に入ったんだって!ほら!これ!」
中位の【変化札】の【紺狼】を取り出して見せる左京。
「うん。それは聞いた。うん。それは解るんだけど、君も警察官なら解るでしょう?何事にも手順と言うのが……ね?」
更に困り顔の警察官。
「あーーーーーーっ!こうしている間にも、被害者が増えてるってのに!」
ブチギレ寸前の左京。
「うん。はい。そうだね。でもね。指示が無いと動けないのよ。うん」
呆れ顔の警察官。
「あぁぁぁあぁぁーーーっ!」
叫ぶ左京。
「うん。手順がね」
と、左京に言い
「警視には連絡取れたか?」
と、奥に居る者に確認する警察官。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーっ!!!!!」
左京の絶叫が岡山県警本部に響き渡った。
そうそう。
警察官の対応って、こんな感じなんですよね……
もちろん、警察官のみなさんのお陰で、日本の平和は保たれています!
頑張れ全国の警察官のみなさん!
私は心から応援しています!
本当 嫌味として書いた訳じゃ無いです!
多分……(げへへ)
ちなみに、岡山県は人口辺りのパンの消費量の多い地域です。
美味しいパン屋さんも多いですよ。




