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マスカレイド 温羅  作者: 一等神 司
怪人 【麺】《素麺》
15/35

第十話 レイド刀 破邪乱舞魔滅斬!

適性者配達人の白神(しらが)君の回です。

白神(しらが)は、藤原達 三人を避難所に送り、ホッとしていた。

何故か後楽園の近くの川沿いで助けた女性から、

「落ち着いたらしっかりとお礼がしたいですからっ!」

と、強烈に連絡先の交換を求められ、

「いや、気にしなくて良いですよ。こんな時で仕方無いですから……」

と、白神(しらが)が断ろうとしても、

「いえ!是非!どうしてもお願いします!このままお別れなんて……」

と、最後には泣かれてしまい、仕方無しに一応 連絡先を交換したと言う、白神(しらが)には少し面倒だった事も起きていた。


連絡先を交換した後、図書怪人だった中年男性から、「罪作りやのぅ……」と言われた白神(しらが)だが、何の事か解らずに、キョトンとしてしまう。


三人を送ってからの帰り道、白神(しらが)は魔族のパトロールをしながら帰っている。


すると、キョロキョロと何かを探す様に、避難所方面に集団で向かう、魔族の群れ(鬼達)を発見した。

真っ黒い鬼達の中には、真っ白い怪人も一体 行動を共にしている。

鬼達のリーダーと思われる鬼の手には、【化身帯(けしんたい)】と思われる【変化帯(へんげたい)】と、【変化札(へんげふだ)】が、握られている。


「【化身帯(けしんたい)】と【変化札(へんげふだ)】を手に入れるチャンスだ!」


と、腰に【魔神帯(まじんたい)】を巻いて、【変化札(へんげふだ)】を挿す。


「化身!」


バックルが輝く。


《マスカレイド ウラ ケンオウ》

白い半面の【犬王(けんおう)モード】だ。


「浄化の終わったアレを試してみるか!?」


と、ベルトの横に着いているカードホルダーから、【刀 備前刀 数打ち】を取り出し、バックル右側のスロットに挿し込む。


《レイド カタナ》

バックルの【刀 備前刀 数打ち】の【変化札(へんげふだ)】から、備前刀の幻影が現れ、その幻影は刃が一本角(いっぽんづの)の様に付いた半面に形を変える。

そして、更に肩当てに形態を変え、右肩に着いた。


【マスカレイド 温羅(うら) レイド (かたな)】モードだ。


【レイド (かたな)】モードでは、破邪(はじゃ)牙斬(がざん)(とう)が少し大きくなっている。

重さが変わった感じはしないが、刃の部分が全体的に大きくなり、特に長さが1.5倍には、伸びていた。


「攻撃力強化に特化した【変化札(へんげふだ)】だったんだな。当然だろうけどね。これで防御力アップとかしてたら笑えたし……」

と、呟く温羅(うら)


左掌を半面に持って行き、右手の人差し指で鬼や怪人を指差して


「面の裏の怒りを受けてみろ!」


と、温羅(うら)が叫ぶ。


そのまま鬼達に走って行き、鬼達を斬り伏せる。


「おりゃ!それっ!」


刀身(とうしん)が伸びて、攻撃が当たりやすい。


「広い場所で戦うには、効果的なモードだな」


「よっ!それっ!」


次々と鬼達を討伐する温羅(うら)


「よいしょっ!」


物陰の鬼も突き刺して倒す。


「でも、このモードは、狭い所で戦うのには不向きだな……」

と、温羅(うら)が呟く。

すると、それに呼応する様に、刀身(とうしん)がいつもより短く変化(へんか)する。


「マジかっ!?このモードだと、短くも出来るんだな」

街路樹の多い所だったので、この変化(へんか)には助かった白神(しらが)



白神(しらが)の強さに、【化身帯(けしんたい)】と【変化札(へんげふだ)】を持って逃げる鬼達のリーダー。


「逃さん!」


破邪(はじゃ)牙斬(がざん)(とう)の長さを、また通常の1.5倍の長さに変えて、逃げる鬼に投げる。


軽々と突き刺さり、鬼は霧散していく。


白神(しらが)破邪(はじゃ)牙斬(がざん)(とう)を拾い上げ、後はお前だけだな。

と、刃先を素麺怪人に向ける。


そして、バックルの右側のスロットに挿さっている【刀 備前刀 数打ち】の【変化札(へんげふだ)】を抜いて、破邪(はじゃ)牙斬(がざん)(とう)(つば)の辺りのカードスラッシュにカードを通す。


《レイド カタナ》


刃が一本角(いっぽんづの)の様になった半面の幻影が、【犬王(けんおう)】の半面に重なる様に浮かぶ。

破邪(はじゃ)牙斬(がざん)(とう)は、


バチバチバチバチバチ


と、電気の様な光を多数 浮かべている。


「強化されたのを喰らえ!」


破邪(はじゃ)乱舞(らんぶ)魔滅斬(まめつざん)!」


舞う様に、怪人を乱れ斬る温羅(うら)


怪人が膝を突いて倒れると、男性の姿に変わった。


「大丈夫ですか!?」

男性に声を掛ける。


「うっ!?元に?元に戻れた?」

混乱している男性。


「はい。良かったですね」

と、白神(しらが)


「移動しながら説明しますから、取り敢えず避難所に行きましょう」

そう言いながら、下位の【変化札(へんげふだ)】の【麺 素麺】と、中位の【変化札(へんげふだ)】の【鉛兎(えんと)】を拾ってカードホルダーに入れる。

そして、やっと手に入れた中位の【化身帯(けしんたい)】も拾ってポケットに入れる。


「さあ、避難所に行きましょうか?」





来た道を戻り、男性を避難所に送って、またパトロールしながら、吉備津神社(きびつひこのみこと)の隠れ神社に向かう。



もう少しで隠れ神社という所で、道の陰に座り込んでいる男を見付けた。


「どうしましたか?」


鬼に襲われてケガをしているのかも知れないと、声を掛けてみる白神(しらが)


「ん?君は?」

警察署から避難所に向かっていた左京だ。


「鬼に襲われたのかも思って声を掛けたんです。そうなら安全な場所に案内しますよ」

と、左京に伝える白神(しらが)


「あ、ありがとう。頼むよ」

と、素直に応じる左京。


「じゃあ、こっちです」

隠れ神社に進む白神(しらが)


「えっ!?」

突然 目の前で消えた白神(しらが)に驚く左京。


そのまま左京は白神(しらが)の後を追う。


「ここは吉備津彦命(きびつひこのみこと)の隠れ神社なんです。ここなら鬼は入って来れません」

と、左京に説明する白神(しらが)


「ここだったのか!?」

鬼達に追われ、避難所から遠のいたので、聞いていた隠れ神社に行こうとして、左京は見付けられなかったのだ。


「どうしました?」

不思議に思い、左京にたずねる白神(しらが)


「私は、岡山県警の警察官です。適性が有り鬼達に追われていました」

と、説明する左京。


「そうだったんですか?大変でしたね」

同情する白神(しらが)


「おかえりなさい。戻ってたのね?」

神宝(しんぽう)が声を掛ける。


「はい。戻りました。ただいま」

と、挨拶を返す白神(しらが)


「あ、どうも。先程 ここ人に助けられて……」

と、説明する左京。


「あ、そうなんですね。いらっしゃい」

優しく言葉を返す神宝(しんぽう)


「そうそう、丁度 三枚の【変化札(へんげふだ)】の浄化が終わったのよ。中位の【変化札(へんげふだ)】もね」

と、浄化された【変化札(へんげふだ)】を差し出しながら、白神(しらが)に告げる神宝(しんぽう)


「えっ!?本当ですか!?」

それを受け取る白神(しらが)


「中位の【変化札(へんげふだ)】だと!?」

白神(しらが)の受け取った【変化札(へんげふだ)】を奪い取る左京。


「いたっ!」

と、痛がる白神(しらが)


「あっ!すっ!すまない!」

素直に謝る左京。


「あ、はい。どうしたんですか?そんなに慌てて?」

と、左京に聞く白神(しらが)


「私は中位の【化身帯(けしんたい)】の適性者なんだ。でも、中位の【変化札(へんげふだ)】が無くて、化身出来なかったんだ」

と、中位の【変化札(へんげふだ)】を入手出来て、喜びながら説明する左京。


「そうだったんですね?あ、神宝(しんぽう)さん この人は県警の警察官なんだ」

と、神宝(しんぽう)に事情を説明する白神(しらが)


「それで、どれが中位なんだ!?」

確認する左京。


「これです」

紺狼(こんろう)】の【変化札(へんげふだ)】を示す白神(しらが)


「これかっ!」

紺狼(こんろう)】の【変化札(へんげふだ)】以外を白神(しらが)に返す左京。


「これっ!貰って行くぞ!」

と、【紺狼(こんろう)】の【変化札(へんげふだ)】だけを持って、走って行く左京。


「「あっ!」」

そう言った時には、もう神社の結界から出てしまっていた。


「嵐の様な人でしたね……」

と、神宝(しんぽう)に言う白神(しらが)


それに対して

「本当にそうね」

と返す神宝(しんぽう)




二人共 左京の走って行った方向を、唖然としながら見ていた。

片山 左京さんと“など”の布石を置きました。

今回の布石は、左京さんだけでは有りません。

ふふふ………

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