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騙された方が悪い!

「私がカナカナです!」

胸を張って答えるが、胸は…ない。どこからどう見ても小~中学生の女子がジャージを着て立っていた。


深キョンどこ行った!!


「え?28歳じゃなかったのかよ。ふか…いやいやカナカナさんは。お前、どうみたって中学生だろ?」

常さんが割り込んで聞く。

「…18歳です!未成年じゃ助けてもらえないと思って」


「「詐欺じゃねーかよ!」」

あ、3人の声がハモった。え?3人?

「アンタたちだってどこがイケメンなのよ!イケメンどころかシケメンでもないわ!腐ってんじゃないの!?だいたい3人ともハゲ散らかしちゃって!コーイチ!?イナガキ!?カメナシ!?どこにいんのよ!腐ったオヤジたちじゃないの!?」


ひ、ひどい!!オレの頭の毛がまたはらりと落ちた気がする。

カッパは胸を押さえて死体の横で倒れこんでいる。

常さんはポロポロ泣きながらアパートの廊下の手すりを静かに撫でている。


「ま、良いわ。助けに来てくれたことは感謝してあげる。さ、目的地にアタシも連れていって!」

「ち、ちょ、ちょっと待てよ!なんでお前を連れて行かなきゃいけないんだよ!あんだけハゲとか腐ってるとか言われてよ!どこが深キョンだよ!」

カチンときて言い返した。ちなみに童貞を拗らせているオレでもストライクゾーンに入っていない女性には強く出られるのだ。


「なによ!女を見た目で判断するの!?」

「お前こそ見た目で判断してるだろ!」



「おい、まあ待てよ…」

「常さん!」

「…目くじらたてなくてもいいじゃないか。連れてってやろう」

「さすが目付きの悪いハゲオヤジ。わかってるじゃん」

常さんの背中は一瞬ビクッと波打った。

バカっ!殺されるぞ。


「…おうよ」


少し頬を赤らめてるようにも見える。あれ?なんで常さん怒らないの?

「なんでだよ、おい!!オレは嫌だぞ!オッサ…ん!?!?」

「…てめえ、ぶっ殺すぞ。」

「ふぁ、ふぁい…。」

いつの間にか剣先スコップの先端が鼻の中に突っ込まれていた(皮膚に触れると感染の可能性があるから、触れるかふれないかのギリギリのところ)

「かわいそうだろ。連れてってやろう」

「ありがとうハゲオヤジ♪」

「…お、おう。」

あれ、頬が赤い。


オレたちはカナカナだと僭称するクソガキと一緒に車へと戻る。帰りも警戒はしたが、動いてるBiterと遭遇することはなかった。

途中、首のない骸などが転がっていても、この(カナカナ)は「うげ」「死んでる」とか言いつつも、吐くでもなく、卒倒するでもなく、ただ骸の横を悲しそうな顔で通りすぎている。この女はこの女なりに、修羅場を潜ってきたのだなと、思った。


「おい、帰ったぞ」

「あ、おかえりー!」

ホッとした顔でカッパが迎えてくれた。


「げ、なにこいつ、もしかしてコイツ、カメナシ?!マジでありえないんだけど!カメナシじゃなくて、頭のてっぺんがカミナシじゃん!うけるw」

さすがのカッパでもこのクソガキに怒るだろう。


「いい…」

へ?

「…かわいい…」

何言ってんだ。カッパ!


よくわからないが出会って一瞬で常さんとカッパを籠絡させてしまったカナカナがメンバーに加わってしまった。

オレは認めない!絶対にな!



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