深キョンどこいった!!!
オレたちは深キョン…もといカナカナちゃんを助けるために、なみいる敵を叩きのめして-叩きのめしたのはあくまで常さんじゃないか!なんてツッコミは誰も望んでいない!-オシャレな女子むけアパートの3階へとかけ上がる。
しかし、おんなじ「アパート」とは思えないくらい違う。
だって階段はタイル張りだし、窓ガラスはステンドグラスのようなだし、何より匂いが違う!何か童貞にはこの匂いが未知の領域と現世を隔てる高い壁のように感じるのだ。
…とにかくどちらにしろ我が家のタコベヤとは大違いなのだ。
オレたちは3階に登ってすぐにまたやってきたよ、チャラ男とギャル女…だったであろう奴ら2体。
男は
「ヤ…ラァセィロ!ガリガリ!」
と、奥の部屋の前でガリガリとドアノブを齧っている。歯はボロボロに欠けせっかくのチャラ男が台無しだ。
かたや女は虚ろな目で
「ネイルネイルネイル…Ndgj」
ぶつぶつ呟きながら窓ガラスに貼り付いていている。まだ寒いのにノンスリーブの服からだらりと出た二の腕は抉れ、ニョロニョロとミミズの這うのが少し見えてげんなりする。
二人ともオレたちに同時に気づくと、飼い主を見つけた犬さながらに嬉しそうに(主観)オレたちにむかって一直線で駆けてきた。
ガン!!!
常さんも駆け出し勢いよく虎徹で女の顔面を強打する。
オレは菊一文字を構えると思いっきり振り下ろす。が、人間の姿をした奴なので躊躇がはいったのか、男の頭を軽くかすっただけで男は動きを止めなかった。
「うわわわ!!」
奴にくみしかれそうになった、その時男の呟きが聞こえてきた。
「ハゲハゲハゲデブ…」
たしかにそう聞こえた。
「テメー!死んでからもリア充きどってんじゃねえー!!!」
オレの中で何かが、ブツリと切れた。
…
…
「おい!もう死んでるぞ!」
常さんの言葉でふと気がつくと、グッチャグチャになった死骸が目の前にあった。
「…行くぞ!」
常さんは何も指摘せず、すっと背中を向けた。オレは慌てて表情をつくると一番奥の部屋にむかった。
…
…
インターホンを鳴らそうと思ったが、そうだった。電気がもう来てなかったんだった。ということに気づき
“コンコン”
とドアをノックし、
「か、カナカナさん。助けにきました!」
…
…
返事がない
「か、カナカナさん?いますか?無事ですか?」
…
「あ、合言葉は…?」
「え…?」
かすかな声がドアの向こうから聞こえた。
「お、おい」
オレは慌てて顔を横に振る。
合言葉なんて決めてない。
「そ、そんなの決めてたっけ?」
とオレが言ったら
…ぎぃ
とドアが開いた。
小学生?くらいの女の子が顔を覗かせた。
「だれ?」
「あなたこそ誰?」
「お、オレは児島憲和です。お姉さん?は…いますか?」
「私がカナカナです!」
胸を張って答えるが、胸は…ない。どこからどう見ても小~中学生の女子がジャージを着て立っていた。
深キョンどこ行った!!




