ハナキンなんて知らない
4月13日(金) 09:00
「花金なんて遠い昔のことみたいだ」
なんて、常さんが呟いた。
いいなー!公務員は!いいなー!
オレは入社して今までハナキンなんて感じたことはないよ!
いいなー!
…なんて思いながら、口に出しては言えない。いや、場の空気を読んだだけさ。けして常さんが怖いからじゃない!
今は金曜日どころか、エブリデイサンデーだよ。
ただ食い物探すのにも命懸けだし、カネなんて持っててもトイレットペーパー以下の価値しかないけどな。
常さんは禿げ上がった頭とは対象に籠城生活でヒゲを伸ばして、より凄みが増した。
カッパは相変わらず窓の外の血や泥で汚れてヘコみが目立つ愛車を見ながらため息をつく。当て付けのようでムカついたのでケツに蹴りを入れたった。
「ひでっ!」
と叫びながら、食卓につきオレのつくった朝飯と味噌汁を食べる。
「ボクは朝はトーストとフルーツとコーンスープって決めてる…“ベコッ”!いでっ!」
文句がうるさいので今度はお盆で頭を叩いてやった。
そんな日常が帰ってきて正直ホッとしている。
ネット人口もここにきて減少の一途を辿っている。
それでもやはり人間はここにきても人との繋がりを求めているのか生き残りたちが必死にネットで呟いている。
…
誰かいない?
…
一人で寂しい。
…
お腹空いた。
…
助けて。
…
…
ふと気がつく。オレはめちゃくちゃ恵まれてるようだ。
オッサンだけとはいえ、なんだかんだ、偶然であった男3人でわちゃわちゃ男子校の修学旅行のようなノリでやっている。
これで若くてキレイな女性が一人でもくわわれば、小説のようにその女を争って互いに殺しあっていたのだろうか。…いや、たぶんしてないな。
そう、3人ともあまりの童貞臭のキツさにゴキブリを見るかのような目で見られて終わりだったろうね。
オレはこうやってネット掲示板で見知らぬの子との会話を文字だけで楽しむだけで満足なのだ。
面と向かってだとね、どもりをこじらせて悶絶死しちゃうな。
…
…
4月13日(金)18時30分
ネットでノリノリさんとかいう人の書き込みを見た。
世界は「そうとうおかしなことになってるんだ」って。
その人は「感染した人間はどんな大ケガをしても何事もなかったように動き出す。でもそいつはすでに死んでる。ミミズの化け物によって動かされてるんだ」だって。
…
NAME【カナカナ】
【そうなんですね、へえ、しらなかったデス(^_^;)】
…
と返した。
そうか、だからタケルはトロフィーで殴っても平気な顔をして襲いかかってきたんだ。
アタシ怖くって、お父さんが趣味で作って、実家から持ってきてくれた備前焼の花瓶で粉々になるまで殴ったらようやく動かなくなったんだ。
で、あのにょろにょろした奴が口から這い出してるのが見えたから、殺虫スプレーをかけまくって、トロフィーで頭?を潰したら奥に引っ込んでいった。
そうか、きっと、あのにょろにょろがきっと[ミミズの化け物]なんだろう。
ノリノリさんもやったとおりに私はがんばってタケルを持ち上げて窓から下へ落とした。
ヨーヘーとユキとその他数人が群がってきたけど、すぐに興味を無くしたみたいに無視しだした。
きっとヨーヘーもユキも“死んじゃった”んだろうな。
なんのフラグですか?
立つのか、それとも折れてしまうのか。
作者にもわかりませんね。
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